「デカダンス」という言葉の似合う天才ピアニスト*目茶苦茶面白い演奏をする サンソン・フランソワ ショパン・ポロネーズ集

amadeusclassics - 2022年10月5日 - 器楽曲 /通販レコード /

通販レコードのご案内強烈な芸風が作品の意外な魅力を引き出してどれも聴きごたえがある。

FR VSM C053-10007 フランソワ ショパン・ポロネーズ《仏カラー・スタンプ・ドッグ盤 ASD FR1》FR VSM C053-10007 フランソワ ショパン・ポロネーズ きらクラでリスナーから「クラシックの演奏家は筋トレをしますか」と質問があった(2017年9月10日午後2時からNHK-FMで放送)。吹奏楽部は体力づくりに走りこみを当然しているが、楽器を演奏する、それがクラシック音楽となると、文系のイメージが濃くあるものだ。確かにTVでクラシックのオーケストラ演奏を見ていても、でっぷりした指揮者は最近見なくはなってきたが筋骨隆々に見える演奏家は目に止まらない。脱げば凄いんですよ、かも知れないが楽器の演奏に使う筋肉は特殊に思われる。
 酒・煙草・ジャズをこよなく愛し、不健康な生活の果てに46歳で逝ってしまったフランソワですが、残された録音は、それだから価値あるのではなく中でもショパンとの相性は良かったようで、強烈な芸風が作品の意外な魅力を引き出してどれも聴きごたえがあります。モノラル盤とステレオ録音とがあり、このショパンは本当に凄いです。
 ショパンはピアノという楽器の魅力を最大限に表現した作曲家だったと思う。美しく華やかでウイット富んだ作品を聴いていると、本当ににピアノの詩人という表現がぴったりだ。フランソワも洒落た粋な演奏。フランソワはショパンのスペシャリストだし、もう十分すぎるほどの定評があります。
 しかし、サンソン・フランソワのデビュー盤は、1947年9月に78回転のレコードのために録音したラヴェル『スカルボ』である。このレコードが同年3月に録音したリパッティのショパン『ソナタ第3番』と1949年度のディスク大賞を争って破れたというのは象徴的だ。
 フランソワは第1回ロン=ティボー・コンクールの優勝者だが、この時は現行のような国際コンクールではなく、ロン夫人とヴァイオリニストのジャック・ティボーがパリ占領下の1943年に催した国内コンクールでしかなかった。審査員たちは優等生タイプの女性コンテスタントと奔放なフランソワの間で迷ったが、以前にフランソワと共演してその才能に魅せられていた指揮者のビゴが、彼が優勝しないなら審査員を降りると言い張り、根負けしたロン夫人が彼を1位にしたという話が伝えられている。
 フランソワもパリ音楽院時代は、がっちりしたべートーヴエンを弾いた。ところが「楽譜に忠実派」のマルグリット・ロンに習っていたが、先生の言うことはまるできかなかった。ロン夫人は曲げた指でカタカタと弾いたが、フランソワは長くのばした指で鍵盤をはらうように弾いた。そんな弾き方ではタッチが不揃いになると非難されても、ジャズを愛する彼は、そもそも音符を均等に弾きたいとは思っていなかったようだ。
 フランソワの演奏の魅力は、即興性の一語につきるだろう。ちょっと酔っぱらったようなリズム、風にたなびくようなフレージング。テキストの間違いも気にせず、その時に舞い降りてきた霊感に忠実に演奏する。いきおい、すばらしい時もあれば耳を覆いたくなる時もある。しかし、彼の演奏の「聴く人を魅了」する不思議な力は、一度囚われてしまうと忘れがたい。
 フランソワがレコーディング中の心臓発作で亡くなるのは1970年10月22日。これはステレオ録音時代になって演奏しなおしたショパンの一連のシリーズになったレコードで、フランソワのもっとも脂ののりきっていた時期のものと言える。ともかく、モノラル録音時代の演奏家のステレオ録音での再録音というと高齢に伴うテクニックの衰えを心配するが、サンソン・フランソワの名前は「目茶苦茶面白い演奏をするピアニスト」として、わたしの心に深く刻まれたレコードだった。

通販レコード詳細・コンディション、価格

プロダクト

Frédéric Chopin – Samson François ‎– Polonaises

レコード番号
C053-10007
作曲家
フレデリック・ショパン
演奏者
サンソン・フランソワ
録音種別
STEREO
COLOR STAMP DOG, STEREO 1枚組(130g)。

販売レコードのカバー、レーベル写真

FR  VSM  C053-10007 フランソワ ショパン・ポロネ…
FR  VSM  C053-10007 フランソワ ショパン・ポロネ…

コンディション

ジャケット状態
EX
レコード状態
M-
製盤国
FR(フランス)盤

カラー切手ドッグ 白枠》 セミサークルラベルのニッパー君の部分が四角い縁取りで囲まれ、ちょうど切手(スタンプ)のように見えるためです。ASD2470 あたりから 2750 あたりまではカラー・ニッパーがオリジナルで、これ以降はモノクロのニッパーが初版ということになる。盤自体のクオリティがとても高く、ばらつきも少なく優秀なプレス技術といえます。

通販レコード

詳細の確認、特別価格での購入手続きは品番のリンクから行えます。

 
オーダーは 品番 / 34-11760
特別価格 2,640円(税込)
通常価格 3,300円

プライバシーに配慮し、会員登録なしで商品をご購入いただけます。梱包には無地のダンボールを使用し、伝票に記載される内容はお客様でご指定可能です。郵便局留めや運送会社営業所留めの発送にも対応しております。

「ポロネーズ」という名称は、フランス語で「ポーランド風の」という意味であり、ポーランドの大衆的な舞踊で、歌を伴い、結婚式など格式のある祝祭で行なわれた。これが徐々に騎士や下級貴族のものとなって洗練され、やがて王侯の宮廷に取り入れられると、歌が無くなって器楽伴奏のみの行列舞踊となる。バッハが《フランス組曲 第6番》に取り入れた『ポロネーズ』は威風堂々としている。異国情緒は残っているが、ドイツやフランスにおいて『ポロネーズ』はリズムや楽式を受け継いで、ポーランド趣味を表現する音楽様式へと姿を整えられ、もはや舞踊の伴奏としての機能は失われていた。
 これがポーランドに逆輸入され、19世紀初頭にショパンが継承した「ポロネーズ」には郷土の伝統というよりは国際的に久しく通暁していた形式あるいはジャンルのひとつであり、奇しくも1830年以降のパリにおいてショパンが「ポロネーズ」を書く、ということには、また別の意味があった。
en La bémol majeur, Op. 61 “FANTAISIE-POLONAISE” 『幻想ポロネーズ』の名で知られる第7番は、「幻想」という名前とは裏腹に、しっかりとした形式感を持った非常に自由度が高いモチーフで構成されているのが特徴です。ポロネーズのリズムを意識させない、ドビュッシーを先取りしたような音響表現を使いはじめた、ショパンの新たなピアノ表現の幕開けを告げる素晴らしい曲となっている。
en Ut dièse mineur, Op. 26 n°1 ポロネーズ第1番は「情熱的に」と指示された激烈な序奏から開始され、この曲を世に問うにあたってのショパンの並々ならぬ決意を感じさせる始まり方になっています。三部形式になっており、劇的な嬰ハ短調の主部と、柔らかな雰囲気の支配する変ニ長調の中間部の対比が鮮やかです。
en Mi bémoi mineur, Op. 26 n°2 構成的には第1番と同じ三部形式ですが第2番は、規模が大きく密集和音を多様して重苦しさを演出するなど、第1番がメロディ+ポロネーズ風伴奏でシンプルに作られているのと比較して作曲上にさまざまな工夫が見られます。
en La majeur, Op. 40 n°1 “MILITAIRE” 第3番は「軍隊ポロネーズ」として大変に有名な曲です。構成的にはやはり三部形式でモチーフや和声が極端に単純化されており、威勢の良さだけが前面に押し出され大変に演奏効果の高い書法になっている。
en Ut mineur , Op. 40 n°2 第3番とセットで出版された曲です。「軍隊ポロネーズ」は単一の曲として見た場合は少々内容が希薄さが弱点で、第4番とセットに聴くと大切な意味合いを見いだす事ができます。第3番が故国ポーランドの栄光を象徴し、第4番が悲劇的な運命を象徴しているのでしょうか。第3番の約2倍の規模を持っていますし、トリオには調性的に複雑な様相が見られ、音楽的に充実した曲になっています。低域で奏される旋律がとても陰鬱ですが、奥に秘められた複雑な感情が表現された、味わい深い名曲です。
en Fa dièse mineur, Op. 44 第5番に至り、民族舞踊のリズムを用いて自らの民族意識と美意識を芸術として表現する、というショパンの強烈な自意識が結晶化した三部形式で、ポロネーズの間にマズルカが挿入されるという非常に凝ったことをしています。そのため1~4番と比較して技巧的に格段に高度なものが要求されることから、一般的にはマイナーな曲ですが、隠れた名曲としてショパン好きの間では知られています。
en La bémol majeur, Op. 53 “HEROIQUE” 第6番は「英雄ポロネーズ」として非常に有名です。このタイトルはショパンの付けたものではないのですが、曲の内容を象徴している点では当を得ていると思います。構成はやはり複合三部形式で、構成がはっきりしているため演奏設計のやりやすい完成度の高いポロネーズとして評価されている反面、演奏家による個性の表れにくい曲ともいえます。

レコードサウンド/カテゴリ指定

初期盤・クラシックレコード専門店「RECORD SOUND」

入手のメインルートは、英国とフランスのコレクターからですが、その膨大な在庫から厳選した1枚1枚を大切に扱い、専任のスタッフがオペラなどセット物含む登録商品全てを、英国 KEITH MONKS 社製マシンで洗浄し、当時の放送局グレードの機材で入念且つ客観的にグレーディングを行っております。明確な情報の中から「お客様には安心してお買い物して頂ける中古レコードショップ」をモットーに運営しております。