通販レコードのご案内確かなメソードを身につけ、音楽性、肉体の成長を無理せず、スコアを洞察し、その自然な成長で「聴かせる音楽」をクリエイトしたピアニスト

GB DEC SXL6082 カッチェン&ガンバ ベートーベン・ピアノ協奏曲2&4番《英 ワイドバンド ED2盤》GB DECCA SXL6082 カッチェン&ガンバ ベートーベン・ピアノ協奏曲2&4番

 ベートーヴェンのピアノ協奏曲などの録音を担当したプロデュサーによれば、カッチェンは、スタジオ録音であっても、各楽章は1つの曲としてまとまったものであるべきだという考え方だった。そのため、スタジオ録音でもほとんど編集をしていなかった。録音を担当した DECCA のプロデューサーはカッチェンについて、「いつも大きな笑顔を浮かべ、エネルギッシュで社交的だった。陽気で誰からも愛される性格で、自己中心的なところがあるが、それがとても魅力的だった」と言っている。

立体感のある華やかさが感じられる第3番、「皇帝」のニックネームでおなじみ、大規模で男性的な5番、と各々魅力あるベートーヴェンのピアノ協奏曲。それぞれに個性の違う5つの協奏曲。
壮大で構築的な「エロイカ」を書いたベートーベンが次にチャレンジした第4番はガラリとその性格を変えて、何よりもファンタジックなものを交響曲という形式に持ち込もうとした、味わい深く、緻密な相貌をみせます。
この作品はピアノソナタの作曲家と交響曲の作曲家が融合した作品だと言われ、特にこの時期のベートーベンのを特徴づける新しい世界への開拓精神があふれた作品だと言われてきました。
それは、第1楽章の冒頭においてピアノが第1主題を奏して音楽が始まるとか、第2楽章から、そのまま第3楽章に切れ目なく流れていくとか、形式的試みだけでも注目するところてんこ盛りですが、それよりも重要なことは作品全体に漂う即興性と幻想的な性格にこそベートーヴェンの新しいチャレンジがあります。パセティックでアパショナータなベートーヴェンは姿を潜め、ロマンティックでファンタジックなベートーヴェンが姿をあらわしているのです。
シューベルトにピアノ協奏曲があれば、この第4番のようなものだったでしょう。惜しいことに、シューベルトがピアノ協奏曲を作曲した痕跡はありませんが。とりわけ、第2楽章で聞くことの出来る「歌」の素晴らしさに、「復讐の女神たちをやわらげるオルフェウス」とリストは語りましたし、ショパンのプレリュードにまでこの楽章の影響が及んでいることを指摘する人もいます。
第5番の協奏曲は、充分に間を置いて作曲にとりかかっていること。ベートーヴェンのピアノ音楽の集大成で非の打ち所がないものですが、ベートーヴェンのピアノ協奏曲として第5番を完成する時間がなかったとしても、第4番を最高傑作に推すこと、わたしは躊躇ありません。

カッチェンのピアニズムは、たいへんコントロールがきいている。それに知的な解釈。

 驚異的な技巧と深い教養に裏打ちされた音楽的な表現が印象深いカッチェンの演奏は、抒情的な感情に溺れることなく理知的で、現代人の感覚にもストレートに訴えかけてきます。レパートリーは古典から現代曲まで、またスラヴものからドイツ、フランス、アメリカものまで幅広く、デッカには40数枚のLP録音を残しました。洗練されたカッチェンの美しきピアニズムは本盤でも遺憾なく発揮され、淡々とした美しさを奥深い透明感で貫いて描ききる素晴らしい名演。数々の英デッカのオーディオファイルレコードで、カッチェンは弾力的なリズム感と固い構成感で全体を見失わせない実に上手い設計で聴かせてくれる。冒頭から終わりまで息もつけぬ緊張感を味わえます。
 全ての葉を落としてしまった木々の枝が、鏡のような冬日の水面に映っている。
 葉を落としきった枝の全ての細かい部分まで欺くことなく、くっきりとその水面は映し出している
 そして、冬の木々が内包する真実を、木々の姿の実像以上にその水面に鮮やかに描き出している。
 この冬の木々を映し出した水面はカッチェンのピアノ、鏡のような黒いレコード盤にベートーヴェンの真実を描き出している。
 カッチェンの演奏は理知的なアプローチだと言われたりするが、当時、カッチェンは”あまりに急ぎすぎる”、”衝動的に突進する”とずっと批判されていた。これに対して、編集者のジェレミー・ヘイズは「それほどに音楽的な衝動に突き動かされてピアニストが弾いているのを聴くことができるというのは、驚くべきことだ」と言っている。
 英デッカ社は、この米国の逸材から利益を計上したと関係者から聞いた事が有ります。一頃のデッカのピアノ部門はカッチェンが背負っていたと云っても過言でないことを証明する名盤。ジュリアス・カッチェンは42歳の若さで亡くなったアメリカ人ピアニスト。ピアニストとしての活動が20年ほどと短かったけれど、レパートリーは幅広く数多くの録音を残している。
 再録音した曲もかなりあり ― ブラームスの「ピアノ・ソナタ第3番」「ヘンデルバリエーション」、ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」、ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」など ― 録音した作品は、ベートーヴェン、ブラームス、リスト、メンデルスゾーン、チャイコフスキー、グリーグ、シューマン、モーツァルト、ショパン、ラヴェル、プロコフィエフ、ラフマニノフ、ムソルグスキー、ガーシュウィン、ストラヴィンスキー、ブリテン、ローレムなど。戦後パリに住んでいたアメリカ人作曲家のネッド・ローレムとは友人で、ピアノ協奏曲第2番の初演、ピアノ・ソナタ第2番の初録音を行っている。後年になると、シューベルトの最後のソナタやベートーヴェンのディアベリ変奏曲のような偉大な作品に対して、哲学的な観点から熟考したカッチェンの解釈が注目される。もし、彼がガンで42歳の若さでこの世を去らなければ、音楽的により深い解釈者へと深化していたかもしれない。

1963年6月17日〜19日録音。

通販レコード詳細・コンディション、価格

プロダクト

レコード番号
SXL6082
作曲家
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
演奏者
ジュリアス・カッチェン
オーケストラ
ロンドン交響楽団
指揮者
ピエリーノ・ガンバ
録音種別
STEREO

販売レコードのカバー、レーベル写真

GB DEC SXL6082 カッチェン&ガンバ ベートーベン・ピア…
GB DEC SXL6082 カッチェン&ガンバ ベートーベン・ピア…
“MADE IN ENGLAND BY THE DECCA”WIDE BAND WITH GROOVED ED2, STEREO 1枚組 (162g), Release 1963, Stamper 2W/3W.

コンディション

ジャケット状態
EX
レコード状態
EX
製盤国
GB(イギリス)盤

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