新型コロナウイルスに効く「ピアノの詩人」ショパンの意欲作〜〝男前〟のショパンを聴かせたピアニストたち

新型コロナウイルスに効く「ピアノの詩人」ショパンの意欲作〜〝男前〟のショパンを聴かせたピアニストたち

ショパン演奏の金字塔通販レコードのご案内GB LONDON CS6422 アシュケナージ ショパン:バラード&エチュード真摯な情熱と高度な音楽性が最高度に発揮された「4つのバラード」は、ショパン最盛期の傑作です。バラードというタイトルは、ショパンが初めてピアノ曲に対して用いた標題だそうです。ポーランドの詩人アダムミツキェヴィチのバラッドから霊感を得て、作曲活動に役立てたといわれています。しかし、実際に詩の内容をなぞるような物語詩的な展開をもつ音楽として書かれた訳ではありません。形式的に見ても、中世の吟遊詩人が竪琴を弾き語りしながら歌ったという定型詩としてのバラードの形式よりもソナタ形式に近いので、ショパンがシューマンやリストが書いたような標題音楽的なプロットをもった音楽を目指したのでもないことは明らかです。 それなのに、これらの4曲はどれも、聴き手の中でさまざまな感情の動きを生み出します。しかも単純な喜怒哀楽ではなく、音楽の中を移ろっていく、感情の機微。ドラマティックな音楽の展開に触れて自分の中にこんな景色があったのかと驚くもの。その音楽の展開に何か特定のストーリーを当てはめずとも、私たち一人ひとりが書き落とすことができるという世界中探したって同じものが見つからない、たった一つのストーリー。ショパンの曲集中、最も感情の起伏が大きいのが、バラード。通して聴くより、1曲ずつ聴く方が良いかも知れません。ショパンのバラードは、聴き手の中に豊かで多彩な感情の変化を起こす力を手伝う音楽です。1965年発売ですから、まだ20歳代のころの録音。後の全集録音の先がけともなった、まだ西側へ亡命後間もない時期の若きアシュケナージの溌剌たる演奏。タッチがとても軽やかで美しく聴く人を魅了しつづけています。アシュケナージらしく、難しいパッセージも軽々と弾きこなして難しく感じさせないナチュラルな演奏です。​プロデュースはデッカの重鎮カルショウ。丸く暖かみのあるフォルテがアシュケナージの良さ、《バラード1番》の序奏から段違いの深さを聴かせてくれます。シューマンがとても気に入った曲でもあり、この曲の難かしい箇所は、やはりコーダであるといえます。ただアシュケナージ自身が言うように、「指が太くて短いので(細い指をしていた)ショパンの曲はとても弾きにくい」ということを実感させる箇所はあるのですが。それがまた人間味を感じさせるところにもなっているのです。デッカSXL6143相当盤、英国プレスです。オーダーはリンク先の詳細掲載ページで 新型コロナウィルスにショパン♪が一番の対処法!新型コロナウイルス感染拡大で、4年の一度のオリンピックが一年延期して行われますが、5年に一度開催される「第18回ショパン国際ピアノ・コンクール」を2021年10月に延期すると発表した。同コンクールはクラシック音楽の三大コンクールの一つとして知られる。1927年に始まり、多くの世界的音楽家を輩出してきた。優勝経験者にはマルタ・アルゲリッチやスタニスラフ・ブーニンらがいる。70年には内田光子さんが2位になるなど日本勢の活躍も目立っている。  さて新型コロナウィルスに対して、予防には手洗い、うがい、アルコール消毒と言われていますが、それ以外に音楽にもあり、ショパンの音楽に効果が高いという話です。がんの発生を抑制する効果に音楽が持っている波動があり、新型コロナウイルスにも効果があるのではないかと言われています。名前は明快になっていませんが、その医師が100曲以上で確認した中で、「バラード第1番」が新型コロナウィルスの波動を消したそうです。10分ほどの全曲を聴き終われば半日効果があるそうで、途中で聴くのを止めるとまたウィルスの波動が出てしまうので注意が必要です。というものです。ショパンの「バラード第1番」は、スケートの羽生結弦がパフォーマンスしたことで知られた曲です。映画「戦場のピアニスト」では、ナチス兵から隠れて住んでいた主人公が、ナチ将校に見つかってしまった時に、この曲を演奏して命を救われています。将校は音楽に造詣があり、達者なピアノでベートーヴェンの月光ソナタを弾いていましたが、対して「バラード第1番」を選んだのは。その時、違う曲を演奏していたらどう人生は変わってしまっていたか。 ショパン自身、病弱でシチリア島で静養していたとき、「雨だれのプレリュード」で精神の危機を乗り切っています。とはいえ、1955年にショパンコンクールで入賞。特にショパン作品の解釈で有名となり、ロンドンに移って国際的に活躍した、中国の知識階級出身のピアニスト、フー・ツォンが新型コロナウイルスに感染し、2020年12月28日、ロンドンで死去したことを、わたしたちは忘れていない。 人の心や身体への効果の程はミステリーながら、新型コロナウイルスのおうち時間に、ショパンの音楽を腰を据えて聴いているという声も聞きます。そういう向きに、おすすめします。 アレクシス・ワイセンベルクによるショパンの若き日の傑作。通販レコードのご案内FR VSM 2C069-10.445 ワイセンベルク ショパン:ピアノ協奏曲1番華麗でしかも憂愁な気品に充ちた作品を、ブルガリア出身のピアニスト、ワイセンベルクが、ロマンティックな情感を込めながらも颯爽として若々しく、力強さに溢れた輝きを放つ名盤です。ポーランドの名指揮者スクロヴァチェフスキとパリ音楽院管弦楽団の柔らかい響きもワイセンベルクの明るい音色と見事にマッチしています。明快で美しく、力強いタッチで独特の爽快感を生みだしていたワイセンベルクが、おおよそ十年の演奏活動休止後の1967年フランスに活動拠点を構え収録したショパンの《ピアノ協奏曲第1番ホ短調作品11》。ワイセンベルクが38歳、現在長老のスクロヴァチェフスキがまだ44歳のときのもので、ワイセンベルクはこの頃から暫くカラヤンとピアノ協奏曲の有名曲の数々をベルリン・フィルとEMIに録音する全盛期を迎えつつある頃。ここでは一音たりとも無駄にせず音化していく「レントゲン写真のような演奏」とよく評されるスクロヴァチェスキとは雰囲気は異なっている。オーケストラはパリ音楽院管弦楽団だが、クリュイタンス亡き後、ショパンやベルリオーズ、ワーグナーが若い頃に、ベートーヴェンの交響曲全曲初演のために設立されたパリ・コンセルヴァトワールの管弦楽団を解散して1967年に改組された。日本語表記ではそっくりだが、この際に団員の2/3が去っており、楽団のカラーもアンサンブル重視の近代的なものに一変したばかり。ワイセンベルクのハードボイルド的なルックスがマッチして聴こえる、一音一音はっきり粒立ちした音色で説得感溢れる「男前」のショパンの《ピアノ協奏曲》に仕上がっている。オーケストラはそれを、厚みのあるサウンドでしっかりサポートしており、ショパンのオーケストレーションの貧しさは感じさせない。 Recorded: Ⅻ.1967, Salle Wagram, Parisオーダーはリンク先の詳細掲載ページで コルトーが脂の乗っていた頃の快演。通販レコードのご案内JP 東京芝浦電気 HA1056 アルフレッド・コルトー 24の練習曲 ショパン曲コルトーは、ショパン、シューマンなどのロマン派、フランクからドビュッシーにいたるフランス近代を中心としたレパートリー中心。本盤聴けば、半世紀前のピアニストが未だに重宝されている理由が判ります。自ら解釈版の楽譜を纏めるほどのショパンに対する思い入れが痛いほど伝わってきます。曲自体も非常に華やかで、傑作であることを感じさせる。コルトーの美しいタッチと個性的なテンポ・ルバートを駆使した演奏は、深い詩情と多彩な感情を描き出した比類のないものであり、時代を超えて感動を与え続ける名演。コルトーは決して技巧派のピアニストではなかったという評価が一般的でした。しかしコルトーの演奏技術はこうした技巧を超越した、音楽の内面にひそむ何か人間的な心を心を何時も表現しようとしていたと思わずにはいられません。コルトー独特の絶妙な表現による詩的な演奏は、技巧は高度に発達しているが、自分の音楽を聴衆に聴いてもらおうという姿勢に乏しい機械的なピアニストが多いかなにあって、本盤聴けば、半世紀前のピアニストが未だに重宝されている理由が判ります。オーダーはリンク先の詳細掲載ページで 夭折の天才が残した、歴史的にも貴重な記録が刻まれた一枚。通販レコードのご案内GB COLUMBIA 33CX1032 ディヌ・リパッティ ショパン・ワルツ集(1~14番)「ワルツの父」ヨハン・シュトラウス(1804~1849)が1820年代後半ごろからウィンナ・ワルツを確立、ワルツブームが19世紀に起こりました。「ワルツ」とタイトルに付いているだけの三拍子の曲から、オペラ、バレエなどの舞踏用、演奏会用の器楽曲までワルツが普及。同時代にウィーンにいたショパン(1810~1849)はウィンナ・ワルツを嫌っていましたが、サロンで評判を得たかったこと、3拍子に故国のポロネーズやマズルカを懐かしく思い出され、心を動かされ、自ら踊るためではない芸術的なワルツと位置づけたピアノ曲を作曲しました。都会育ちのショパンの目には、休暇で訪れた地方の村の風景やそこでの生活、そしてそこで踊られていた民族舞踊を作曲に取り入れることで、祖国とのつながりを確認していたのかもしれません。 本盤は夭逝した天才ピアニスト、リパッティの遺した極め付きの名盤。軽やかでありながら華麗、その素直で透明な美しさにいつも心静かな感動が湧き起こります。汚れのない純粋な音楽とはまさしくこのような演奏を指すのではないか、と常々思わせる「ワルツ集」です。全14曲を番号順に並べて演奏するのではなく、独自の視点に立ってその順番を入れ変えて演奏している点にも、リパッティのショパンの「ワルツ集」に対する深い拘りと愛着を感じる。数あるショパンの『ワルツ集』の中でも特別な存在感を放つ名演として知られ、洗練された華麗さと内に秘めた情熱が絶妙なバランスの逸品。旋律も音色も表情もすべてさりげなく奏でられ、しかも燃えるような情熱が伝わってくる唯一無二のパフォーマンスです。夭折の天才が残した、歴史的にも貴重な記録が刻まれた一枚。1950年7月スイス、ジュネーヴ放送録音。闘病しながら、一週間かけて録音。本盤の録音まで、何度も曲をさらっていたといいます。年代的に、SPレコード録音の時代ですが、ピアノの音が良い。命を削るように音楽に真剣に向き合っているリパッティ。楽曲の核心に鋭く切り込んでいくような彫の深さ、そして、何よりも忍び寄る死に必死で贖おうとする緊迫感や気迫が滲み出ているから、録音技師も最善を尽くして答えたのでしょう。リパッティの演奏に、ショパンのピアノ曲演奏に必要不可欠の豊かな詩情や独特の洒落た味わいが満ち溢れている。古い録音だからとハードルに感じてる方、ショパンのワルツはそう熱心に聴く方ではないという向きには、ぜひ聴いてほしい。オーダーはリンク先の詳細掲載ページで 精確にして洒脱、技巧と音楽の完璧な結合!通販レコードのご案内FR CONCERT HALL SOCIETY SMS2792 リサイタル アントルモン・プレイズ・ショパン2010年の第16回に続き、2015年の第17回ショパン国際ピアノコンクールの審査員に名を連ねているフランスが誇る世界的ピアニスト、フィリップ・アントルモン。アントルモンが世界的に注目されるきっかけとなったのは、1953年のマルグリート・ロン・ピアノ・ コンクール(現ロン=ティボー=クレスパン・コンクール)の優勝、そして同年のジョリヴェの「赤道協奏曲」とリストのピアノ協奏曲第1番とによるニューヨーク・フィルとの初共演でした。さらにこの時期にアントルモンをオーディションしたオーマンディは直ちにフィラデルフィア管弦楽団との共演も決め、オーマンディとの縁を通じてコロンビア・レコードとの契約が決まり、1956年にコロンビアのサブ・レーベルであったエピックからショパン・アルバムをリリースし、メジャー・デビューを果たしま す。またこの30年は指揮者としても、国際的なキャリアの頂点を極めている。日本では、1979年録音のサティ・ア ルバムが空前のサティ・ブームの中でベストセラーを記録したほか、NHKで放映された「スー パーピアノレッスン」でモーツァルト編を担当したことでも知られている。現在のフランスを代表する名匠であり、世界有数のショパン弾き、アントルモンの若き日のショパン。1934年生まれのアントルモン、20歳代のショパン録音。絶妙にテンポを揺らしながらも打鍵は素晴らしく精確、トリルのはまり具合もぴったり。豪快な和音も脱力系旋律も、いとも簡単にこなす凄まじい技巧と音楽性が聴いてとれます。「バラード」や「英雄ポロネーズ」はとんでもない聴き応え。【録音】1955年。ポロネーズ第6番 変イ長調『英雄ポロネーズ』 Op.53、即興曲第3番 変ト長調 Op.51、夜想曲 ヘ長調 Op.15-1、ワルツ 変イ長調『大円舞曲』 Op.42 バラード第1番 ト短調 Op.23、マズルカ 嬰ハ短調 Op.50-3、スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op.39 10インチ盤が初発。ショパンの作品をバランスよく集めていますが、有名曲と比較的演奏機会の少ない曲でプログラムを組むアントルモンの優れた手腕を感じます。オーダーはリンク先の詳細掲載ページで (さらに…)...
Read More
真空管アンプで楽しみたい名曲名盤レコード〜オリンピックなら金メダル級のデッカ・ロンドンのベスト100 定番16〜20

真空管アンプで楽しみたい名曲名盤レコード〜オリンピックなら金メダル級のデッカ・ロンドンのベスト100 定番16〜20

往年のまさに定盤中の定盤として一世を風靡した盤の日本国内初出盤。アナログ的で引き締まった密度のある音と音色で、楽音も豊か。情報量が多く、対旋律の細部に至るまで明瞭に浮かび上がってくる。高域は空間が広く、光彩ある音色。低域は重厚で厚みがある。オーケストレーションが立体的に浮かび上がる。モノクロではなくこんなにカラフルで立体的な音響。 再生音だけではなく、半世紀以前制作盤とは思えない状態と豪華装丁には驚かれるとおもいます。ハンドメイドの余韻が感じられます。是非英国オリジナル盤所有する方、比較試聴して頂きたい。低評価に放置されていた国内最初期盤に、こんな良い音刻まれていたのか!と吃驚する。 通販レコードのご案内JP LONDON SLC1646 ハンス・シュミット=イッセルシュテット/ウィーン・フィルハーモニー管 ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」/エグモント序曲自然に対する讃美をのびやかに再現した《田園》。ベートーヴェン屈指の人気曲をドイツの名指揮者シュミット=イッセルシュテットが名門ウィーン・フィルを指揮し、ドイツ音楽の伝統を踏まえた演奏で再現しています。録音はハイファイとして評価が高かった当時の英デッカの特徴である、高音弦のややきらびやかなサウンドに仕上がっています。1967年4月ウィーン録音。オーダーはリンク先の詳細掲載ページで 通販レコードのご案内JP LONDON SLC1143 アンセルメ/スイスロマンド管 チャイコフスキー バレエ音楽「白鳥の湖」ハイライトアンセルメが最も得意としたロマンティック・バレエを代表する《白鳥の湖》の聴きどころを一枚に収めたアルバム。古今東西のバレエ音楽の中でも最も普遍的な人気を獲得している名作が、チャイコフスキーの作曲した3作品です。スイス生まれの大指揮者アンセルメが録音した、名盤の誉れ高い全曲盤からの抜粋。「バレエ音楽の神様」と呼ばれたアンセルメの豊富な経験に裏付けられた巧みな演奏は、華やかな舞台を彷彿とさせる楽しさに満ちています。1959年6月ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホール録音。どこの国の音楽を演奏するときでも、オーケストラは、常に美しく高鳴らなければなりません 1978年の夏にスイスを訪れた志鳥栄八郎に、スイスの音楽関係者のひとりが、こう言ったとのことだ。「いまスイスの音楽界は、太陽が沈んで、暗闇の状態です。」この太陽がエルンスト・アンセルメであることはいうまでもない。  これほど、生前のアンセルメの存在は巨大だったし、その功績も、はかりしれないものがあったのである。だからこの、アンセルメ没後10年を記念して、ジュネーブで“アンセルメ国際指揮者コンクール”が開かれるようになった。  アンセルメは、1883年にスイスのヴェヴェイで生まれ、1969年の2月に、86歳の天寿をまっとうした、スイスの誇る世界的な大指揮者である。青年時代に数学を学んだが、その後、指揮者の道を選び、1918年にスイス・ロマンド管弦楽団を創設し、1968年の秋に勇退する約50年の間に、このオーケストラの実力を世界的な水準にまで引き上げたのであった。ひとりの指揮者が、約半世紀も同じオーケストラを指揮するということは、驚倒すべき記録で、歴史上、まだ数人しかその例を見ない。アンセルメにとって、スイス・ロマンド管弦楽団は、まさに、自在に演奏できる“愛器”のようなものだったのである。  彼は、世紀のバレエ興行師と言われたバレエ・リュッスの主宰者ディアギレフと親交を結んでから、ドビュッシー、ラヴェル、オネゲル、マルタンらとも親しくなり、こうした一流の作曲家たちの作品を、数多く初演している。こうしたところをみても、この巨匠の体には、近代・現代音楽の歴史が、深く彫り刻まれていたといってよい。  アンセルメは、フランス、スイス、イタリア、スペイン、ロシアの音楽を得意としていたが、ドイツ音楽にも深い理解を示していた。そして、これらの音楽を、いつも客観的な態度で見つめ、精密な設計で組み立て、表情豊かに、しかも光彩陸離にまとめあげるのを得意としていた。  彼は、2度来日しているが、亡くなるわずか半年前の1968年の夏に来日した時、アンセルメと京都を旅した志鳥は、その時アンセルメが語った、「ラテン系の音楽とゲルマン系の音楽とでは、もちろん、音楽の内容も、また響きも、大いに違います。しかし、どこの国の音楽を演奏するときでも、オーケストラは、常に美しく高鳴らなければなりません」といった言葉を、思い出すということだった。このように巨匠は、いつも〝美しい響き〟を追究していた人なのであった。オーダーはリンク先の詳細掲載ページで 1.比類なき広大な周波数レンジ(10Hz~35KHz)、2.めざましいトランジェント特性(卓越した解像度)、3.迫真のエネルギー感(瞬発力ある圧倒的な迫力)、4.低歪率(清澄な透明感、混濁のない音質)、5.アナログの精密度(キメが細かい、なめらかな肌触り)等のクオリティを有し、特別高品質材料を使用した超重量レコード(180g)に特別限定プレスと謳われた宣伝文句は30年前は「誇大広告」と不審に思いましたが、オーディオ装置止揚した故か、やはり一級のオーディオファイル盤として再認識。超一流アーティストで構成した、クラシックのベーシック・ライブラリー。DECCA黄金時代の名盤が勢揃い。 通販レコードのご案内JP LONDON SLC4473 スタンリー・ブラック/ロンドン・フェスティヴァル管弦楽団と合唱団 大いなるロシア!フェイズ4の華やかな録音が世界各国の美しいメロディーをさがしました。楽しいお国めぐり、今回は……1960/70年代に君臨したムード・ミュージックの雄、スタンリー・ブラック。ロシアものともなれば極めつけ。ロシア民謡をはじめとするお馴染みの旋律が雄大なサウンドに変身。こういう徹底して真剣にドラマティックな造り方は、今となっては生れ得ない貴重なもの。とくに東西という枠組がなくなりつつある現在では。Side-1メドウランド二つのギターモスコーの夜は更けてバラライカでSide-2剣の舞黒い瞳トレパークヴォルカの舟歌バーバヤガーの小屋〜キエフの大きな門 この録音で用いられた《Phase 4 Stereo》はDeccaが1960年代初頭、他社に先駆けて導入した20チャンネル・マルチトラック収録。メカ好きで有名だったストコフスキーはポピュラーやイージー・リスニングの分野で採用されはじめていたPhase 4 Stereo(フェイズ・フォー・ステレオ)方式を自身の録音に応用しようと提案。そのため、レコーディング・スタッフもDeccaの通常のクラシック収録とは違う、専門チームが当たったといいます。オーダーはリンク先の詳細掲載ページで 通販レコードのご案内JP LONDON K15C9087-8 クナツパーツブッシュ/ウィーン・フィル ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」第1幕/ヴェーゼンドンクの歌(第4面)今もって絶大な人気を誇るドイツの名指揮者ハンス・クナッパーツブッシュ(1888-1965)の数少ないDECCAのステレオ音源から、代表盤のひとつであるワーグナー作曲《ヴァルキューレ》第1幕。クナッパーツブッシュは、ワーグナーの聖地バイロイトで開催される「バイロイト音楽祭」に於いて、1951年~60年代前半までほぼ毎年登場し、数々の伝説的名演を残したことで広く知られています。この楽劇《ヴァルキューレ》第1幕の録音にあたっては、当時のDECCAの名プロデューサー、ジョン・カルショウが、稀代のワーグナー歌手として君臨するも、1953年にはオペラの舞台から引退していた晩年のキルステン・フラグスタート(ソプラノ)を説得を重ねて起用した貴重な録音ということでも当時話題になりました。なお、第4面には、20世紀最高のワーグナー・ソプラノの一人と言われるキルステン・フラグスタートの《ヴェーゼンドンク歌曲集》を収録。クナッパーツブッシュ指揮ウィーン・フィルの美しい伴奏と共に感銘深い歌唱を聴かせてくれます。名歌唱の数々は、美しさ、スケール、洗練のすべてにおいて非の打ちどころがなく、録音当時62歳だったとは思えない、圧倒的な完成度を持って描かれています。 1956年6月(ヴェーゼンドンク歌曲集)、1957年10月ウィーン、ゾフィエンザール録音。 キルステン・フラグスタート(ジークリンデ:ソプラノ)、セット・スヴァンホルム(ジークムント:テノール)、アルノルト・ヴァン・ミル(フンディング:バス)オーダーはリンク先の詳細掲載ページで 通販レコードのご案内JP LONDON L25C-3033 ショルティ シカゴ交響楽団 ムソルグスキー・展覧会の絵/ラヴェル・クープランの墓ムソルグスキーの独創的なピアノ作品をラヴェルが華麗にオーケストレーションした『展覧会の絵』。迫力満点のオーケストラの醍醐味がたっぷりと味わえる一枚。1980年録音の本盤演奏はロシア指揮者による土俗っぽいものではなく、かと言って洒落たものでもないけれど、ショルティの研ぎ澄まされたバランス感覚とヴィルトゥオーソ集団のシカゴ響による完璧なアンサンブルにより、重量感と透明感が同居した圧倒的な演奏です。1980年5月5-8日シカゴ、メディナ・テンプル録音。オーダーはリンク先の詳細掲載ページで (さらに…)...
Read More
1960年代アメリカで起きていた歴史的偉業 色褪せないパフォーマンス、瑞々しいレコーディング・クオリティには驚くばかり。

1960年代アメリカで起きていた歴史的偉業 色褪せないパフォーマンス、瑞々しいレコーディング・クオリティには驚くばかり。

クラリネットのジャズは一度死んだ クラシックでのグッドマンの功績通販レコードのご案内GB RCA SB6701 ベニー・グッドマン&モートン・グールド ニールセン:クラリネット協奏曲、交響曲2番「4つの気質」ベニー・グッドマンやアーティ・ショウを始めとしたジャズ・プレイヤーからもこよなく愛される楽器『クラリネット』。1700年頃にドイツの楽器製作者J.C.デンナーがフランスの古楽器・シャリュモーを改造して作ったとされていますが、正確な製作年代はわかっていません。クラシックのオーケストラでも新参者ですので、モーツァルトやハイドンのような古い時代のオーケストラ曲では、クラリネットが使われていないケースがよくあります。しかしそのまろやかで魅力的な音色はモーツァルトを始めとした作曲家たちに愛されたことで、数多くの名作が生まれました。モーツァルトは晩年になって、クラリネット協奏曲やクラリネット五重奏曲といった大傑作を残してくれました。モーツァルトのクラリネット曲が晩年に偏っているのには理由があるのですが、ブラームスやサン=サーンス、プーランクなど他の作曲家たちも晩年になってクラリネットの曲を書いているのは円熟の境地に至った作曲家の魅力を増しています。 プーランクのクラリネット・ソナタはジャズ・クラリネットの巨匠ベニー・グッドマンにより初演されました。「クラリネットのジャズは一度死んだ」のですが、それがわたしたちクラシック音楽ファンには幸いでした。クラシックでのグッドマンの功績はこの曲だけではありません。たとえばコープランドのクラリネット協奏曲はグッドマンが委嘱した作品。ジャズで培ったグッドマンのアプローチは、前衛作曲家の創作活動を刺激しました。 幼少期から優れた音楽的才能を発揮したニールセン(1865-1931)。ニールセンの3つの協奏曲は、彼の6曲の交響曲と同じように、全ての管弦楽作品の中核を構成するものです。どれもが古典的な伝統に則りつつも、独自の作風が模索されており、各々の楽器の特性にも配慮された見事なものです。クラリネット協奏曲はコペンハーゲン管楽五重奏団のメンバーのために書かれた曲で、アンサンブルのクラリネット奏者オーゲ・オクセンヴァドに献呈された作品で、小編成のオーケストラを用いた特徴的な音楽です。縦横無尽に動き回るクラリネットのパッセージは賛否両論を巻き起こしましたが、現在ではこの意外性が愛されています。人間の気質を表すとされる4つの楽章で構成された交響曲第2番は、ニールセンの創意工夫と、豊かな描写力溢れる画期的な作品であり、モートン・グールドが曲の特色を生かした、聴き応えのある演奏を繰り広げています。スウィング・ジャズの巨匠ベニー・グッドマンは、クラリネット奏者としていくつかクラシック作品を録音しています。これは前衛的な香りのニールセンのクラリネット協奏曲で、複雑な旋律を軽快に吹いているのはさすが。カップリングの交響曲第2番「4つの気質」はシカゴ交響楽団らしい豪快なサウンドが満喫できます。オーディオファイルにもお勧めの優秀録音盤。モートン・グールドは「20世紀の音楽の巨人」ともいうべき、最も才能に溢れた音楽家の一人で、ピューリッツアー賞を受賞した作曲家、グラミー賞に輝いた指揮者、優れた編曲家、そして天才的なピアニストとして、クラシックとポピュラーの両分野で大きな足跡を残しました。ニューヨーク州に生まれ、最初の作品を出版したのが6歳といわれる、10歳を超えたころからストコフスキーやトスカニーニがその作品を取り上げる神童でした。作曲活動も幅広く、クラシック音楽のみならず、映画やラジオ、TV、ブロードウェイやバレエのために様々な作品を残しています。 指揮者としても長じていたグールドは全米のメジャー・オーケストラのみならず、カナダ、メキシコ、ヨーロッパ、オーストリア、日本で指揮活動を行ないました、シカゴ交響楽団を初めて指揮したのはライナー時代の1955年のことで、ラヴィニア音楽祭への客演でした。次のジャン・マルティノンの時代になると、RCAは録音契約を音楽監督のマルティノンのほか、グールドと小澤征爾に振り分けて、積極的な録音を行ないました。 グールドがシカゴ交響楽団と残した録音は、自作曲「管弦楽のためのスピリチュアルス」のほか、盟友コープランドの「舞踏交響曲」、アイヴズの交響曲第1番の世界初録音(1966年のグラミー賞受賞)、交響曲第2番やオーケストラ曲(コネチカット州レディングのパットナム将軍の野営地、「アメリカ」の主題による変奏曲、ロバート・ブラウニング序曲)のほか、ニールセンの交響曲第2番「4つの気質」とクラリネット協奏曲(ベニー・グッドマンがクラリネット・ソロを担当する本盤)、チャイコフスキーのワルツ集、リムスキー=コルサコフの交響曲第2番「アンタール」とミヤスコフフキーの交響曲第21番と幅広い色彩的なレパートリーが含まれているのが特徴です。 彼らのパフォーマンスが色褪せないのと同じく、世紀が替わった現在においてもまったく古くささを感じさせない瑞々しいばかりのレコーディング・クオリティには驚くばかり。とかくヨーロッパ側に目がいきがちですが、1960年代アメリカで起きていた歴史的偉業を見逃す訳にはいきません。オーダーはリンク先の詳細掲載ページで 超弩級の名演。鮮やかなヴィルトゥオジティはまったく色褪せず、我々の耳を圧倒する。通販レコードのご案内GB RCA SB6690 ジョン・ブラウニング&ラインスドルフ プロコフィエフ:ピアノ協奏曲1番/2番プロコフィエフのピアノ協奏曲はどれも難曲とされています。1932年、作曲者自身のピアノによって録音されたり第3番(HMV)にはじまり、ミトロプーロスによる弾き振り(America Columbia)や、カペル/ドラティ(Victor)、カッチェン/アンセルメ(Decca/SBT 1300)、フランソワ/クリュイタンス(columbia)など数々の名演をうみ、1950年代には完全に「古典」として定着していましたが、プロコフィエフの生前に4番が演奏されたことはありませんでした。1965年、この時代最高の超絶技巧を誇り、特に同じアメリカのバーバーからは絶大な信頼を寄せられピアノ協奏曲まで贈られたジョン・ブラウニングが、実に丁寧に編み上げられたラインスドルフのサポートを受けて、世界で初めてプロコフィエフの協奏曲全5曲の録音を実現。この偉業を決して忘れてはならない。あまりに鮮やかなヴィルトゥオジティはまったく色褪せず、圧倒するかのように我々の耳に響きます。卓越した超絶技巧と繊細な美音で知られる、20世紀アメリカを代表する名ピアニスト、ジョン・ブラウニング。RCAに録音したプロコフィエフのピアノ協奏曲全集より、1番と2番。ブラウニングの全盛期1960年代の録音は今聴いても素晴らしく、彼がヴァン・クライバーンのライバルとして全米を席巻していたことも頷けます。高度な技術が要求されるのはピアノ・ソロだけではありません。数多の作曲技法と音楽的アイディアを駆使したプロコフィエフの協奏曲は、オーケストラ部分も交響曲作品に負けず多彩な表現がなされ、演奏者もしくは聴衆を管弦的音響がおりなす蜘蛛の巣に絡めとるかのような魔術的魅力を持っています。このオーケストラ・パートを丁寧に、しかし各音の勢いを殺すことなく時に激情をあらわにもする、これ以上ないと思える完璧さで演じているのがラインスドルフ&ボストン交響楽団。このバックだけでも必聴といえるほど。初にしていきなり、超弩級の名演の出現となったのです。1965年ボストン録音。オーダーはリンク先の詳細掲載ページで (さらに…)...
Read More
弦楽四重奏の2大オーディオファイル イギリス・デッカの超優秀ステレオ録音 ヴェラーSQ、ヤナーチェクSQ

弦楽四重奏の2大オーディオファイル イギリス・デッカの超優秀ステレオ録音 ヴェラーSQ、ヤナーチェクSQ

ステレオのデッカを代表する、弦楽四重奏の優秀録音・名盤。通販レコードのご案内GB DECCA SXL6331 ヴェラー弦楽四重奏団 モーツァルトのカルテット・パーティ英デッカの名プロデューサー、エリック・スミス(1931~2004)の傑作!彼は大指揮者ハンス・シュミット=イッセルシュテットの息子で、モーツァルトの音楽を愛し、デッカと後に移籍したフィリップスに数多くのモーツァルトの名盤を制作しました。1964~66年に録音したボスコフスキー指揮による「モーツァルト/舞曲と行進曲全集」LP10枚組はLP史上に残る名企画として有名です。そして英デッカに置き土産のように録音したこの1枚も、モーツァルト愛好家ならではの夢のある企画盤でした。モーツァルトの友人にマイケル・ケリー(1762~1826)というアイルランド出身のテノール歌手がいました。本盤は、1826年に彼が書いた「回想録」にある4人の作曲家による四重奏を再現した逸品。4人の作曲家が合奏を楽しむさまを描いたジャケットのアートワーク、演奏に起用されたのは世界的な弦楽四重奏団として人気、実力とも絶頂期のヴェラー弦楽四重奏団によって、1967年3月20-21日、4月21-24日 ウィーン、ゾフィエンザールにおいて録音されました。1784年にイギリスの作曲家スティーヴン・ストーラスがカルテット・パーティを開催し、その際にハイドン(第1ヴァイオリン)、ディッタースドルフ(第2ヴァイオリン)、モーツァルト(ヴィオラ)、ヴァンハル(チェロ)といった作曲家が奏者として集まったとされています。その催しを録音で再現したのがこの「モーツァルトのカルテット・パーティ」。ウィーンのカルテットとして最高の実力を誇ったワルター・ウェラー率いるウェラー四重奏団のとっておきの一枚。LPレコードならではの粋な企画として、この録音はとくに日本で愛され、初出を含めLPで3度も発売されました。ところが、CD時代になると、4曲が作曲家別にばらばらにCD化されてしまい、エリック・スミスの企画意図が全く分からない状態となっていました。本盤、ED2がオリジナル盤となります。【収録曲】モーツァルト: 弦楽四重奏曲第3番ト長調 K.156ハイドン:弦楽四重奏曲第3番ニ長調ディッタースドルフ:弦楽四重奏曲第5番変ホ長調ヴァンハル:弦楽四重奏曲 ヘ長調オーダーはリンク先の詳細掲載ページで 希少なED1オリジナルです。通販レコードのご案内GB DECCA SXL6093 ヤナーチェク四重奏団 ハイドン:弦楽四重奏曲集「冗談」「セレナード」「五度」弦楽大国のチェコにおいてスメタナ四重奏団と並び立つ、名門ヤナーチェク弦楽四重奏団の高名なデッカ録音盤。チェロの胴鳴りの美しい響きに乗ってゆったりとヴァイオリンがメロディーを乗せていきます。演奏は一級品ですが、なによりその響きが素晴らしい。タイトでダイレクトな響き。主旋律ではないパートの音色の多彩さまでしっかりと伝わるので響きが実に豊かに聴こえます。結果は演奏の印象にも現れ、曲の構成はより緊密となり、骨格ががっしりとした演奏により迫力も素晴らしいものに引き立てています。演奏はどちらかといえばオーソドックスなものですが、音楽は豊か。4人が織り上げる響きの美しさがLP独特のダイレクトな響きによって際立ちます。ビニールの円盤に溝を刻んだだけのLPから、このように迫力あふれる響きが聴かれる。心に刺さる響きが聴かれる。物理特性などではデジタル録音は、LP時代とは段違いのものが実現されていますが、演奏者とエンジニアがコミュニケーションを取ってより良くしようと試行錯誤を尽くしたことで、音楽の完成度はLP時代の方が高かったのではないかと思わざるを得ません。オーダーはリンク先の詳細掲載ページで (さらに…)...
Read More
真空管アンプで楽しみたい名曲名盤レコード〜オリンピックなら金メダル級のデッカ・ロンドンのベスト100 定番36〜40

真空管アンプで楽しみたい名曲名盤レコード〜オリンピックなら金メダル級のデッカ・ロンドンのベスト100 定番36〜40

往年のまさに定盤中の定盤として一世を風靡した盤の日本国内初出盤。アナログ的で引き締まった密度のある音と音色で、楽音も豊か。情報量が多く、対旋律の細部に至るまで明瞭に浮かび上がってくる。高域は空間が広く、光彩ある音色。低域は重厚で厚みがある。オーケストレーションが立体的に浮かび上がる。モノクロではなくこんなにカラフルで立体的な音響。 再生音だけではなく、半世紀以前制作盤とは思えない状態と豪華装丁には驚かれるとおもいます。ハンドメイドの余韻が感じられます。是非英国オリジナル盤所有する方、比較試聴して頂きたい。低評価に放置されていた国内最初期盤に、こんな良い音刻まれていたのか!と吃驚する。 通販レコードのご案内JP LONDON SLC1755 シュミット=イッセルシュテット/ウィーン・フィル ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」/交響曲第8番「運命はこうして戸を叩く」と作曲者が説明したといわれる、あまりにも有名な《運命》。ベートーヴェン屈指の人気曲をドイツの名指揮者シュミット=イッセルシュテットが名門ウィーン・フィルを指揮し、ドイツ音楽の伝統を踏まえた演奏で再現しています。録音はハイファイとして評価が高かった当時の英デッカの特徴である、高音弦のややきらびやかなサウンドに仕上がっています。1968年9月ウィーン録音。オーダーはリンク先の詳細掲載ページで 37「シェエラザード」は、アンセルメが指揮者として世界的な注目を浴びるきっかけとなったセルゲイ・ディアギレフ率いるロシア・バレエ団での活動とも所縁の深い演目であり、アコースティック時代だった1916年にアメリカ・コロンビアのためにロシア・バレエ団のオーケストラとともに行なった録音でも第1楽章と第4楽章の抜粋が含まれていました。これはアンセルメにとって生涯初めての録音となったもので、その意味でも「シェエラザード」はアンセルメにとって重要な作品であり続けたといえるでしょう。通販レコードのご案内JP LONDON SLC1064 アンセルメ/スイスロマンド管 リムスキー・コルサコフ 交響組曲「シェエラザード」/ボロディン ダッタン人の踊りと合唱「三角帽子」と並び、数多いアンセルメの録音の中でも殊更評価が高く、アナログ時代を通じて「シェエラザード」の代表盤とされていた歴史的名盤です。『シェエラザード』には音響的な魅力を追うあまりけばけばしさと隣り合わせの、音楽的にはむしろ内容の薄い演奏が少なくないが、このアンセルメ盤はまさにそれとは対極的な位置を占める典型的な一枚である。抑え気味の表現の中にも、丹念な彫琢とデリケートな音色感覚から生み出される実にさまざまな妙味がいっぱいで、アンセルメの指揮術の奥の手をそこにみる思いがする。1960年の録音で、アンセルメにとって1952年(モノラル)と1954年9月(ステレオ)のパリ音楽院管弦楽団との2種類の録音以来の再録音となったものです。ステレオ期のアンセルメ録音を一手に引き受けたプロデューサーのジェームズ・ウォーカーとデッカのステレオ録音の生みの親であるロイ・ウォレスが組んだ名録音でもある。 [シェエラザード]ローランド・フェニヴェス(ヴァイオリン)、[イーゴリ公]ローザンヌ青少年合唱団、ローザン放送合唱団(合唱指揮:アンドレ・シャルレ)1960年11月ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホール録音。日本盤初出:SLC1064(1961年12月)。どこの国の音楽を演奏するときでも、オーケストラは、常に美しく高鳴らなければなりません 1978年の夏にスイスを訪れた志鳥栄八郎に、スイスの音楽関係者のひとりが、こう言ったとのことだ。「いまスイスの音楽界は、太陽が沈んで、暗闇の状態です。」この太陽がエルンスト・アンセルメであることはいうまでもない。  これほど、生前のアンセルメの存在は巨大だったし、その功績も、はかりしれないものがあったのである。だからこの、アンセルメ没後10年を記念して、ジュネーブで“アンセルメ国際指揮者コンクール”が開かれるようになった。  アンセルメは、1883年にスイスのヴェヴェイで生まれ、1969年の2月に、86歳の天寿をまっとうした、スイスの誇る世界的な大指揮者である。青年時代に数学を学んだが、その後、指揮者の道を選び、1918年にスイス・ロマンド管弦楽団を創設し、1968年の秋に勇退する約50年の間に、このオーケストラの実力を世界的な水準にまで引き上げたのであった。ひとりの指揮者が、約半世紀も同じオーケストラを指揮するということは、驚倒すべき記録で、歴史上、まだ数人しかその例を見ない。アンセルメにとって、スイス・ロマンド管弦楽団は、まさに、自在に演奏できる“愛器”のようなものだったのである。  彼は、世紀のバレエ興行師と言われたバレエ・リュッスの主宰者ディアギレフと親交を結んでから、ドビュッシー、ラヴェル、オネゲル、マルタンらとも親しくなり、こうした一流の作曲家たちの作品を、数多く初演している。こうしたところをみても、この巨匠の体には、近代・現代音楽の歴史が、深く彫り刻まれていたといってよい。  アンセルメは、フランス、スイス、イタリア、スペイン、ロシアの音楽を得意としていたが、ドイツ音楽にも深い理解を示していた。そして、これらの音楽を、いつも客観的な態度で見つめ、精密な設計で組み立て、表情豊かに、しかも光彩陸離にまとめあげるのを得意としていた。  彼は、2度来日しているが、亡くなるわずか半年前の1968年の夏に来日した時、アンセルメと京都を旅した志鳥は、その時アンセルメが語った、「ラテン系の音楽とゲルマン系の音楽とでは、もちろん、音楽の内容も、また響きも、大いに違います。しかし、どこの国の音楽を演奏するときでも、オーケストラは、常に美しく高鳴らなければなりません」といった言葉を、思い出すということだった。このように巨匠は、いつも〝美しい響き〟を追究していた人なのであった。オーダーはリンク先の詳細掲載ページで 1.比類なき広大な周波数レンジ(10Hz~35KHz)、2.めざましいトランジェント特性(卓越した解像度)、3.迫真のエネルギー感(瞬発力ある圧倒的な迫力)、4.低歪率(清澄な透明感、混濁のない音質)、5.アナログの精密度(キメが細かい、なめらかな肌触り)等のクオリティを有し、特別高品質材料を使用した超重量レコード(180g)に特別限定プレスと謳われた宣伝文句は30年前は「誇大広告」と不審に思いましたが、オーディオ装置止揚した故か、やはり一級のオーディオファイル盤として再認識。超一流アーティストで構成した、クラシックのベーシック・ライブラリー。DECCA黄金時代の名盤が勢揃い。 通販レコードのご案内JP LONDON SLA1023 メータ/ロスアンジェルス・フィル ストラヴィンスキー 春の祭典音楽史上でも有名な怒号が飛び交った《春の祭典》初演だったスキャンダルが効果となり、20世紀クラシック音楽の中でも最も演奏され、音楽分野に限らず20世紀の芸術に多大なる影響を与えました。1971年のレコード・アカデミー賞に輝いたメータの野生美と神秘性に満ちた《春の祭典》。同時期に録音されたブーレーズの旧盤とともに《春の祭典》ブームに火をつけた30歳代前半の若きメータの覇気溢れる名盤。荒々しく野生的、マッシヴな演奏は数ある《春の祭典》録音の中でも特筆ものです。1969年8月ロサンゼルス録音、第9回(1971年度)レコード・アカデミー賞「管弦楽曲部門」受賞。オーダーはリンク先の詳細掲載ページで 39ワーグナーの音楽には、一度、とりつかれたら抜け出せなくなるような、麻薬にも似た魅力があるとされ、「ワーグナーの毒」といわれているのだが、たしかに、それは的を射た比喩だと思う。ただ、ワーグナーは、オペラの作曲家であり、オペラが苦手、あるいは、嫌いという人にとっては、尚更にワーグナーの世界に浸るのはハードルが高いという声を聞くが、そんな人にお勧めなのが、このワーグナー音楽の神髄を「美味しいとこ取り」したともいえる、「ワーグナー・アルバム」である。 今もって絶大な人気を誇るドイツの名指揮者ハンス・クナッパーツブッシュ(1888-1965)は、若い頃からワーグナーを得意としており、バイロイト音楽界やバイエルン国立歌劇場で伝説的な名演奏の記録を刻んできました。その晩年はワーグナーの聖地バイロイトで開催される「バイロイト音楽祭」に於いて、1951年~60年代前半までほぼ毎年登場し、数々の伝説的名演を残したことで広く知られています。通販レコードのご案内JP LONDON SLC1744 クナツパーツブッシュ/ウィーンフィル クナツペルツブッシュ・ワーグナー・アルバムワーグナーのスペシャリストとして知られるクナッパーツブッシュの名演集。20世紀最高のワーグナー歌手ニルソンを迎えたスケールの大きな演奏で、クナッパーツブッシュを知るにもワーグナーを知るにも最適な一枚だ。殊に晩年になって会得した演奏スタイルである悠揚迫らぬ巨大なスケール内面の激しい燃焼は、余人の到達し得ぬ境地に達していると言っても過言ではないでしょう。全曲盤でも味わえない「愛の死」におけるニルソンの歌唱も素晴らしく、ステレオ最初期の名録音で、ウィーン・フィルの音色を味わうことができる。クナッパーツブッシュの芸術の粋を伝えるワーグナー・アルバムです。1957年10月(神々の黄昏)、1959年11月(トリスタンとイゾルデ)ウィーン、ゾフィエンザール録音。ビルギット・ニルソンの圧倒的な声量を伴うドラマティックな歌声は特にワーグナーとの相性が良く、戦後最大のワーグナー・ソプラノとして数々の作品に出演しました。ショルティ&ウィーン・フィルによる歴史的な「ニーベルングの指環」全曲録音でもブリュンヒルデ役を務めるなど、ステレオ初期のワーグナー作品において圧倒的な存在感を放っています。この「トリスタンとイゾルデ」では、ワーグナーとなると凄まじい演奏を見せる天才指揮者、クナッパーツブッシュとの共演です。 ワーグナー音楽の「美味しいとこ取り」には、色々な組合せがあり得るので、曲目編成はさまざまだが「ニーベルングの指環」のあらすじを追ったコンパクトなもの、「ワーグナー管弦楽曲集」と銘打った序曲、前奏曲を取り合わせて、オペラ中でも交響曲に引けを取らない超弩級のオーケストレーションを堪能させるオーディオ・デモンストレーション向けが多いが、神話の世界や、オペラの約束事が無縁な人には、音に圧倒されるばかりでしかない。それでは不本意だったのだろう、クナッパーツブッシュとなると特に。ワーグナーの音楽の〝毒〟を接種し、どういう場面の音楽で、何を歌われているのかは、それから知ってもらえればいいのだ。その時分にはオペラが苦手、ワーグナーは嫌いという弱点に免疫機能が働くオペラ耳になっているだろう。 本アルバムの魅力は、クナッパーツブッシュ円熟期の成果を、より録音明晰なウィーン・フィルの演奏で聴くことができる点であり、スタジオ・セッションという完璧な環境での録音、かつニルソンを抜擢したソプラノのアリアは価値あるもの。ワーグナー音楽の神髄を極めた名演奏とされているクナッパーツブッシュのこの「ワーグナー・アルバム」は、「21世紀の名曲名盤」(2004年音楽之友社)の「ワーグナー管弦楽曲集」中、クレンペラーと並んで第3位にランクされている。すでに幾度もリリースされてきたロングセラーだが、いまだにこれを凌ぐ演奏には滅多にお目にかかれない。ワーグナー指揮者として絶対の自信に裏打ちされ、セッション録音ながら当意即妙のライヴ感、縦横無尽な自由な解釈、一発必中の緊張感をこれほど随所で感じさせる演奏は稀であろう。オーダーはリンク先の詳細掲載ページで 通販レコードのご案内JP LONDON SLA1039-40 ショルティ/シカゴ響 マーラー 交響曲第8番「千人の交響曲」宇宙がなり、神が声を発する史上最大の交響曲!迫力満点のオーケストラと合唱の醍醐味がたっぷりと味わえる一枚。1971年シカゴ交響楽団のヨーロッパ楽旅の際に豪華ソリストを起用し、デッカのウィーンでの録音本拠地ゾフィエンザールで録音された《千人の交響曲》。デッカの録音技術の粋を結集した臨場感あふれる空前絶後の録音の生々しさ、圧倒的な緊張感はこの曲の屈指の名盤として知られています。1971年8月、9月ウィーン、ゾフィエンザール録音。ヘザー・ハーパー、ルチア・ポップ、アーリーン・オジェー(ソプラノ)、イヴォンヌ・ミントン、ヘレン・ワッツ(アルト)、ルネ・コロ(テノール)、ジョン・シャーリー=カーク(バリトン)、マルッティ・タルヴェラ(バス)、ウィーン国立歌劇場合唱団、ウィーン楽友協会合唱団、ウィーン少年合唱団オーダーはリンク先の詳細掲載ページで (さらに…)...
Read More
オーケストラ・ビルダー、ポール・パレーの名盤 デュカス、ラヴェル、シャブリエ、リスト、ラフマニノフ

オーケストラ・ビルダー、ポール・パレーの名盤 デュカス、ラヴェル、シャブリエ、リスト、ラフマニノフ

「オーケストラ・ビルダー」と称えられた男フランスの指揮者、ポール・パレー(Paul Paray /1886~1979)は定評ある米Mercuryによる録音を中心に、米VOX、仏Columbiaによるセッション録音のほか、指揮者としてのキャリアは実に59年間に及びますが、1934年にレコード録音を始め、1979年に93歳で亡くなるまで現役で指揮していたという頑健な体の持ち主で、その音楽の力強いスタイルを満喫できる。 父オーギュストは象牙細工職人で、聖ジャック教会のオルガニストのほか、夏場にはオルフェオン劇場で、市立合唱協会を指揮してハイドンの『天地創造』や、ベルリオーズの『キリストの幼時』などのほか、メンデルスゾーン、グノー、サン=サーンスのオラトリオやカンタータも取り上げていました。父オーギュストからピアノなどさまざまなレッスンを受けていたパレーは5歳のとき、父が音楽監督を務めていたトレポールの市民楽団に小太鼓担当として参加。演奏の現場にふれあいます。9歳で、聖歌隊にも参加。同級生には、のちに著名なオルガニストになるマルセル・デュプレ(1886-1971)がいた影響もあり、オルガンに熱中したパレーは、バッハのオルガン作品を大量に暗譜。ヴィドール、ヴィエルヌ、フランク、ブルックナー、レーガーらのオルガン作品を研究する少年時代を送る。 パリ音楽院に18歳の時に入学。作曲、対位法、和声を学んだパレーは、若いときにしか獲得できないローマ大賞を受賞し、作曲家として認められる一方、オルガニストや、劇場の楽団のチェリストとしても活動。ほかにピアノとティンパニもこなしていたという作曲家兼器楽奏者としてマルチな活動をしました。 指揮者になる転機は、第1次世界大戦が終わってドイツの捕虜収容所から解放され、ピレネー山麓のカジノのオーケストラに楽長として雇用された33歳の時でした。パレーは19世紀生まれの多くの指揮者と同じく、指揮を専門に勉強してはいませんでしたが、保養地や観光地にあるカジノはギャンブル目的だけではない、複合的な施設として運営されていることが多く、経済力のある人々も集まることから、当時はそこで大小さまざまなクラシックの演奏会やオペラ上演がおこなわれたりしていました。カジノでは、そうした音楽需要を目的に、シーズンオフの収入減をカバーしたい音楽家たちが、フランス各地から集まって楽団を編成していたのですが、パレーの指揮者としての初仕事は、そうした楽団を指揮するというものでした。 音楽家たち個別の腕前は一流ながらも臨時編成という条件付きのカジノの楽団をまとめあげる経験は、指揮者としての腕を磨くには絶好の機会でもあったようで、後年、「オーケストラ・ビルダー」と称えられることになります。 パレーのオーケストラ・ビルダーぶりが遺憾なく発揮されたのが、デトロイト交響楽団との仕事です。1940年代に2度にわたって解散するなど低迷していたデトロイト交響楽団を、数年でメジャー級の実力にまで引き上げたその手腕には驚くばかり。 カジノの楽団をまとめあげるプロセスから獲得した、指揮者としての能力が現れている、カッチリとメリハリの効いたパレーの音楽は、色彩感の描出と緊迫したダイナミズムの創出には特に秀でており、自在なアゴーギクを駆使した独特の表現や、豪快な響きのつくり方、もってまわったところのない音楽は実に魅力的。こうした特徴は、べテランのオーケストラ・ファンにおなじみのサウンド自慢のマーキュリー・リヴィング・プレゼンス・シリーズの録音で特に際立っており、快速でバリバリ進められるシューマンやベートーヴェン、ドヴォルザーク、シベリウスなど気分爽快な演奏が楽しめます。 得意のフランス音楽でも、作品の個性をリアルに描き出す明晰な音楽を聴かせており、サン=サーンスの交響曲第3番『オルガン付き』では、パレーと同じノルマンディー地方に同じ1886年5月に生まれ、同じくルーアンでオルガンと作曲を学んだマルセル・デュプレと共演、デトロイト交響楽団の克明なサウンドで迫力ある演奏を聴かせています。 パレーの美質が存分に発揮された、バランスのとれたラフマニノフ。通販レコードのご案内GB MERCURY MMA11052 ポール・パレー デトロイト交響楽団 ラフマニノフ・交響曲2番パレーが音楽監督を務め黄金時代を築き上げたデトロイト交響楽団との、情熱漲る入魂の演奏。 パレーの美質が存分に発揮された、バランスのとれたラフマニノフ。メランコリックな旋律に溢れた典型的な古典形式による、ラフマニノフの交響曲作曲家としての実力を示した第2番。録音:1957年3月デトロイトオーダーはリンク先の詳細掲載ページで パレー83歳の時の録音だがモンテカルロ管を豪快にドライブ通販レコードのご案内FR CONCERT HALL SOCIETY SMS2648 ポール・パレー リスト・フェスティバルデトロイト交響楽団音楽監督を長年に渡り務めたパレーはモンテカルロ国立歌劇場管弦楽団との縁も深かった。1928年~33年までこの楽団の音楽監督を務め、1941年にはこの地に移住しオペラ指揮者としても活躍した。リストの管弦楽曲集。パレーがモンテカルロ管を豪快にドライブ。パレー83歳の時の録音だがその若々しい力強い演奏に驚かされる。交響詩「前奏曲」、メフィスト・ワルツ、交響詩「オルフェウス」、マゼッパの4曲を収録。デトロイト響音楽監督を退任後各地のオーケストラに客演、レコーディング活動を行った時代、古巣のモンテカルロ国立歌劇場管弦楽団と「コンサート・ホール」に1969年に録音したリストの管弦楽作品集。オーダーはリンク先の詳細掲載ページで パレーの真骨頂・剛毅闊達なアプローチ通販レコードのご案内FR CONCERT HALL SOCIETY SMS2663 ポール・パレー デュカス・魔法使いの弟子このレコードはフランスの指揮者パレーの最高傑作といわれているものです。モンテカルロ国立歌劇場管弦楽団もフランス系の奏者が多いため、パレーの指揮によく応えています。フランス系指揮者の曲線的なイメージとは完全に一線を画した剛毅闊達なアプローチがきわめて壮快な演奏。パレーの真骨頂といえる近代フランスの作曲家の演奏はいずれも定評があり、中でも、神髄をついたシャブリエは必聴です。かつて世界最大のレコード通販会社として君臨したコンサートホール・ソサエティ(略称CHS)は、スイスを本拠地として、英米独仏だけでなく遠くアジアの日本などに販売網を広げていました。残念ながら経営に行き詰まり、70年代前半倒産しましたが、EMI、DECCA、COLUMBIAと云ったメジャーレーベルから漏れた隠れた演奏には名演も多く、貴重な文化遺産となっています。このGUILDE INTERNATIONALE DU DISQUEは、CHSのフランス版で、クオリティに差はありません。デュカス:交響詩『魔法使いの弟子』、ラヴェル:ラ・ヴァルス 、シャブリエ「狂詩曲 スペイン」 録音:1969年10月モンテ・カルロオーダーはリンク先の詳細掲載ページで (さらに…)...
Read More
ウィーン・モダン〜「グレの歌」作曲者であるシェーンベルクが表現したかったのは何だったのか

ウィーン・モダン〜「グレの歌」作曲者であるシェーンベルクが表現したかったのは何だったのか

Arnold Schönberg 1873.9.13-1951.7.13シェーンベルクが没した日(1951年)。19〜20世紀の世紀転換期を生き、同時に調性音楽から無調の音楽へと自身の作風も進化させ、音楽世界を拡張させた。同名の詩の語りとアンサンブルで演奏される《月に憑かれたピエロなど》で知られる。また12音技法という作曲技法を見出し、シェーンベルクや弟子のベルク、ウェーベルンによって受け継がれた。 力強く美しいメータのシェーンベルク。後期ロマン派以降、なかでもとりわけマーラーやシェーンベルクが得意なメータの最高の名演に挙げられるもの。録音当時31、32歳のメータが絶頂期の手兵ロサンジェルス・フィルハーモニックを指揮したもので、LP発売当時各誌・紙で絶賛されました。メータはどのような難解な曲でもやさしく聴かせる特技をもっているとは故柴田南雄氏の言葉ですが、シェーンベルクの代表作、とりわけ《浄夜》の官能性はいかばかりでしょう。 通販レコードのご案内GB DECCA SXL6390 メータ シェーンベルク・室内交響曲第1番 ズービン・メータがロサンゼルス・フィルハーモニックの音楽監督を務めていた16年以上にわたる期間はこの楽団の歴史にとって重要な時期となりました。デッカ・レコードに多くの録音を行い、国際的にも高い知名度を得ました。 オーダーはリンク先の詳細掲載ページで品番 / 34-21189販売価格3,850円(税込) 通販レコードのご案内FR DEC SXL6.325 ズービン・メータ ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団 シェーンベルク・浄夜 イギリスDECCAの超優秀録音もあって、大いに話題になっていた盤。国内ではキング・レコードの発売で、レコードの帯には《若き帝王の記念碑的名盤!その見事な語り口で、現代音楽入門としても最適のアルバム!》とあった。 初期シェーンベルクの調性のあるこの名曲をメータは十八番としていて、2003年にもバイエルン国立管弦楽団と録音しています。この曲が録音当時も今も、後期ロマン派のものだということを如実に示した演奏。よく売れたドル箱スターだったメータは細かいところにはこだわらずひたすら快速なテンポとアッチェレランドを伴った豪快な推進力が素晴らしいです。 各パートのテクスチャは丸みを帯びていて透明感があり、重さもほどよい。ロマンティックが濃い。つらつら思うに、これは夜の音楽。それにしても、「浄夜」のレコード・ディスクには凡演が少ないように思うが、この1967年ロス・フィルとの録音は、カラヤン&ベルリン・フィル盤と並んで代表的な名盤です。 オーダーはリンク先の詳細掲載ページで品番 / 34-19741特別価格1,540円(税込) 若い頃の記録はあまり残っていないが、イタリア留学の後、鍵盤楽器奏者としてフランス各地で活躍したらしい。23歳の時にパリで『クラブサン曲集第1巻』を出版。1722年には大著『和声論」を上梓し、音楽理論家としての名声を得て、ルイ15世治世下のヴェルサイユ宮で、宮廷音楽家としても活躍。フランス楽壇の指導者的立場となった。一方で、音楽理論家でもあったジャン=ジャック・ルソーら急進的な啓蒙主義者からは、守旧的なフランス・オペラの典型だと批判され、ラモーは真っ向からこれに応戦。いわゆる「ブフォン論争」へと発展した。 2年にわたって行われたこの論争は、「旋律(メロディー)」と「和音(ハーモニー)」に優劣をつけようという、かなり無茶な論議を行っていたと言えるでしょう。その2年間の間にラモーやルソーも含め、様々な知識人によって書かれた、61冊にも及ぶ小冊子がパリ中を飛び交いましたが、当然と言うべきか、明快な答は出ないままに終息していきました。 歴史に残る名盤のひとつ、至高の"グレの歌"。 1731年に裕福な音楽愛好家ラ・ププリニエールの私設楽団の音楽監督に就任し、邸宅における音楽の一切をまかされます。ラ・ププリニエールの庇護のおかげで、ラモーは本格的にオペラの作曲に取り組めるようになり、彼が50歳になった1733年に、最初の本格的なオペラとなる(音楽悲劇)《イポリトとアリシー》が上演されました。以後は『優雅なインドの国々』、『カストールとポリュクス』、『ダルダニュス』などのヒット作を次々に世に送り出し、オペラ作曲家としての地位を確立。その生涯に30曲ほどのオペラを作曲しました。 18世紀前半のフランスで流行した「オペラ=バレ」はプロローグに3~5幕の「アントレ」と称するバレエ場面が連続する。漠然としたテーマはあるモノの、明確なストーリーはない。 通販レコードのご案内DE DGG 2726 046 ラファエル・クーベリック シェーンベルク・グレの歌 シェーンベルク初期の作風を集大成した傑作「グレの歌」は、アバドやブーレーズをはじめとした新ウィーン学派の楽曲を得意とした、クーベリックより後の世代の演奏が現代では多く聴かれているかもしれません。実はそれより前の世代では比較的録音が少なく(ストコフスキー&フィラデルフィア管等SP録音があったにせよ)、特に1960年代以前では極端に少ない状況でした。そのような中でドイツ・グラモフォンが収録をしたこのクーベリック盤は現在のおいてもこの曲の代表的な盤のひとつとして価値は非常に高く、当時としてはこの曲を録音するということはかなり思い切った企画であったと思われます。 歴史に残る名盤のひとつ、至高の"グレの歌"。 声楽や独唱者を含むこの曲の録音ではコスト的にも甚大であったことは想像に難く無いですが、録音された1965年当時はシェーンベルクが亡くなってまだ十数年しか経っていない状況を鑑みると、クーベリックやドイツ・グラモフォン陣がいかに力を入れた録音であったのか想像できます。 そしてこの盤が持つ声楽陣の素晴らしい歌唱やクーベリックとバイエルン放送交響楽団の熱演は、今後も録音され続けるであろう「グレの歌」の1ページの最初を飾る名盤として、永く君臨し続けるでしょう。 オーダーはリンク先の詳細掲載ページで品番 / 34-18713特別価格3,520円(税込) ラモーは1764年に貴族に列せられたのち、最後のオペラ《アバリス、または最後の北風の神々》の練習中、81歳で世を去りました。そして、彼の葬儀は国葬として執り行われ、その偉業がたたえられたのです。 やがて保守的だと断じられたフランス・オペラ、中でもトラジェディ・リリックは、啓蒙思想の広がりに伴って昔日の勢いを失い、以後のフランスでは、貴族よりも民衆を対象としたオペラ・バレエやオペラ・コミックが発展していくことになったのでした。 器楽作品の中では、全4巻が刊行された『クラブサン曲集』が特に重要。独特の洒落っ気や感傷に彩られた曲には、時に思わせぶりなタイトルが付されている。例えば、1724年に出版された第2巻の第11曲『やさしい訴え』は、メランコリックな曲調がタイトルにピッタリの佳品。小川洋子はこのタイトルを借りて、残酷にして静謐な雰囲気に満ちた同名の小説を書いた。 (さらに…)...
Read More
真空管アンプで楽しみたい名曲名盤レコード〜オリンピックなら金メダル級のデッカ・ロンドンのベスト100 定番76〜80

真空管アンプで楽しみたい名曲名盤レコード〜オリンピックなら金メダル級のデッカ・ロンドンのベスト100 定番76〜80

往年のまさに定盤中の定盤として一世を風靡した盤の日本国内初出盤。アナログ的で引き締まった密度のある音と音色で、楽音も豊か。情報量が多く、対旋律の細部に至るまで明瞭に浮かび上がってくる。高域は空間が広く、光彩ある音色。低域は重厚で厚みがある。オーケストレーションが立体的に浮かび上がる。モノクロではなくこんなにカラフルで立体的な音響。 再生音だけではなく、半世紀以前制作盤とは思えない状態と豪華装丁には驚かれるとおもいます。ハンドメイドの余韻が感じられます。是非英国オリジナル盤所有する方、比較試聴して頂きたい。低評価に放置されていた国内最初期盤に、こんな良い音刻まれていたのか!と吃驚する。 通販レコードのご案内JP LONDON SLC(A)2354-5 マリナー/アカデミー室内管 ヴィヴァルディ 「調和の幻想」全曲日本でもっとも人気の高いクラシック曲になったヴィヴァルディの《四季》に、一助となったのがネビル・マリナーとアカデミー室内管弦楽団によるレコードだった。《四季》はマリナーとアカデミー室内管弦楽団による記念すべき最初の録音で、ロンドンで順調な演奏活動のスタートを切った若者たちのオーケストラは、一躍クラシック界のスターダムにのし上がっていた。当初はセント・マーティン=イン=ザ=フィールズ教会を拠点としていたことから、アカデミー・オブ・セント・マーティン=イン=ザ=フィールズ、略してASMFが名称で日本でのみ、アカデミー室内管弦楽団で通っている。 マリナーは著名な音楽学者サーストン・ダートの弟子・門下生で、ダート校訂によるヨハン・ゼバスティアン・バッハの『管弦楽組曲』や『ブランデンブルク協奏曲』、ヴィヴァルディの『四季』の演奏ではそれまでの演奏に見られない新解釈を示し、当時の音楽界で話題を呼んだ。そのような評判の中にあって、《四季》とそれに続く、この〝L'estro armonico〟《調和の霊感(幻想)》の録音演奏はその名声を決定付けたと言える。現在は指揮者としても活躍しているホグウッドが《四季》に続いて、本盤でもハープシコードとオルガンの奏者として参加しています。この頃の彼らの演奏の特徴は、とにかく瑞々しい躍動感にあふれた、聴くものをハッとさせるような新しさに満ちていた。ヴィヴァルディがこれほど喜びを感じさせてくれる音楽なのかと、痛感したものである。 これらの演奏の成功理由の第一には、何といってもマリナーの類い稀なセンスの良さが挙げられる。SPレコード時代にはバッハの局として録音されていたり、別々の曲の楽章を組み合わせて協奏曲としてレコード発売されていたことからも、ヴィヴァルディの曲のイメージとして、バッハに比べれば単調で音楽的にはあまり優れていない、と思われがちだったが、これら協奏曲のレコードは、そのイメージを大きく変える力を持っていた。イタリア人らしい明るさ、軽快さを持っているメロディーで、クラシックには興味がないという人も聴き入るほどだった。ザ・ビートルズやローリング・ストーンズ、ザ・フーや、ヤードバーズが一声を風靡していたロンドンに集った若い演奏家らの、それはイ・ムジチを代表とするご当地イタリアの楽団の、古典的に格調高く朗々と演奏するスタイルとは違っていた。 余計な装飾や無駄な表現をそぎ落とした、豊かで色艶やかな世界を構築している。しかも、耳を通して体全身に浸透してくる様な強い聴き応え・趣き・インパクトがある。やがて英デッカレーベルに吸収されることになる、argo録音も素晴らしく良い。当時は楽団の中心であったアイオナ・ブラウン、アラン・ラブディといったヴァイオリンの名手らがマリナーの意図を見事に汲み取って味わいを増している。オリジナル楽器ではないモダン楽器による古典的演奏ながらも、優秀で完璧な非の打ち所なき演奏で、解釈も良い意味で申し分のないと言える高尚で嫌味のないスタンダードな仕上がりとなっている。この曲集のなかの最高傑作とされる「第10番ロ短調」や続く「第11番ニ短調」も、やや劇的で斬新な和声で満たすように響かせている演奏が文句なしに楽しめる。ヴァイオリンやチェロの華麗で自由自在な動きと響きも、当作品のイタリアの郷愁美漂う多彩な世界を個々の作品に応じて臨機応変に弾き分けてもいる。本場イタリアの演奏家たちの一連の競合盤と比較してみても、作品の再現と解釈、およびそこから生まれ作り出されるイタリア的な響きにおいて、比類のないクリアーで鮮明、かつ豊かな音楽的次元を生み出すことに難なく成功・勝利をつかんでいる。皆さんにも是非、いまでもまったく色褪せることのない、イタリアの初夏の明るい太陽光が注がれている新緑の若葉のように、幸福感溢れる演奏をご堪能いただきたい。オーダーはリンク先の詳細掲載ページで 通販レコードのご案内JP LONDON SLC1584 アシュケナージ/ロンドン管楽合奏団 モーツァルト/ベートーヴェン ピアノと管楽器の為の五重奏曲室内楽はモーツァルトの快楽。モーツァルト28歳時の作品、《ピアノと管楽のための五重奏曲変ホ長調 K.452》はピアノとクラリネット、オーボエ、ホルン、ファゴットによる曲です。この一風変わった編成の室内楽は後年の後輩達も大きく刺激されこのジャンルに挑んだくらいにモーツァルトが残した意欲作で、モーツァルト自ら「自分がこれまで作曲した中で最高の作品」と言ったほどの自信作です。モーツァルトの管楽器に対する扱いの卓越ぶりはいまさら言うに及びませんが、それにしても、特に比較的新しい楽器であるクラリネットを、この時代にここまで自由に表現できる作品を書いた人はいなかったのではないでしょうか。ブライマーのクラリネットがまたこよなくいい音を出しており、モーツァルトの、それこそ天から降りてきたとでも形容しようのない旋律を響かせています。五重奏曲の2曲は、いまだにこの作品の代表的な録音として評価されているもの。若きアシュケナージのみずみずしいピアニズムとイギリスの誇る名手たちとのアンサンブルは、いつまでも色褪せない新鮮さに満ちている。この異色の楽器編成による嫋やかでふくよかな表情、鄙びた色彩は格別に素晴らしく、音楽する愉しさがいっぱいの演奏だ。録音もいい。FFSS録音の長所を十二分に享受したと云いたくなるような素晴らしい録音です。イギリス風のメロウなサウンドに明るくのびやかな音色の調和に感嘆させられる。いつまでも色褪せない新鮮さに満ちている定番。ゆったりとした気分で安心して聴くことのできる名作定番です。オーダーはリンク先の詳細掲載ページで 1.比類なき広大な周波数レンジ(10Hz~35KHz)、2.めざましいトランジェント特性(卓越した解像度)、3.迫真のエネルギー感(瞬発力ある圧倒的な迫力)、4.低歪率(清澄な透明感、混濁のない音質)、5.アナログの精密度(キメが細かい、なめらかな肌触り)等のクオリティを有し、特別高品質材料を使用した超重量レコード(180g)に特別限定プレスと謳われた宣伝文句は30年前は「誇大広告」と不審に思いましたが、オーディオ装置止揚した故か、やはり一級のオーディオファイル盤として再認識。超一流アーティストで構成した、クラシックのベーシック・ライブラリー。DECCA黄金時代の名盤が勢揃い。 通販レコードのご案内JP LONDON SLC1333 カルル・リヒター バッハ オルガンリサイタル第2集厳しくも彫りの深い表現でバッハの世界に肉迫!この分野の最高権威リヒターの極めつけ。演奏者のリヒターは指揮者としても数多くの名盤を残しているバッハ音楽の権威で、28歳の時に録音されたこのオルガン曲集でも峻厳な意志の力に支えられた表出力の強い演奏を行っています。またこの録音は、デッカ・レーベル初のステレオ録音のひとつとしても意義深いものです。Side-1幻想曲とフーガ ト短調 BWV542コラール《目覚めよと呼ぶ声が聞こえ》BWV645Side-2コラール《イエスよ、今天より降りたもうや》BWV650コラール《高き天よりわれは来れり》BWV606前奏曲とフーガ ホ短調 BWV548オーダーはリンク先の詳細掲載ページで 通販レコードのご案内JP LONDON SMR50147 クナッパーツブッシュ/ウィーン・フィル 「くるみ割り人形」「軍隊行進曲」「舞踏へのお誘い」「ウィンザーの陽気な女房たち」1947年以来DECCAレーベルに録音を行ってきたクナッパーツブッシュが、最後にDECCAレーベルに録音した1960年2月収録の名盤です。LPで発売以来、原題は「ALL-TOME POPULAR FAVOURITS」として、世界中で親しまれてきました。日本においても「クナッパーツブッシュ/ウィーン・フィルポピュラー・コンサート」や、曲が切り離されて別の曲とカップリングされた「舞踏への勧誘~クナッパーツブッシュ名演集」等、いくつかのタイトルでも長年販売されてきたお馴染みの盤。「くるみ割り人形組曲」に始まり、独特なテンポの「軍隊行進曲」、ロマンティックな「舞踏への勧誘」に、最後の「ウィンザーの陽気な女房たち序曲」と、小品であってもクナ節全開の音楽が響き渡ります。ステレオ初期までは比較的録音が多かった「ウィンザーの陽気な女房たち序曲」は現在では録音される機会が稀ですが、このクナッパーツブッシュ&ウィーン・フィルの録音を聴いていると、小品に対しても情熱ある指揮をしていた頃が懐かしく思えてきます。このクナッパーツブッシュ最後のDECCA録音は、長年携わってきたG.パリーとJ.ブラウンのコンビにより録音されました。DECCAのステレオ録音はこの時期にはさらに開花し、現在聴いても素晴らしい音質で味わうことが出来ます。Side-1ピョートル・チャイコフスキー:バレエ《くるみ割り人形》組曲 作品71aSide-2フランツ・シューベルト(L.ヴェニンガー編):軍隊行進曲 D733の1カール・マリア・フォン・ウェーバー(H.ベルリオーズ編):舞踏への勧誘 作品65オットー・ニコライ:歌劇《ウィンザーの陽気な女房たち》序曲オーダーはリンク先の詳細掲載ページで 通販レコードのご案内JP LONDON K28C15 ショルティ/バイエルン放送響 リヒャルト・シュトラウス アルプス交響曲リヒャルト・シュトラウスの天才的なオーケストレーションの妙が味わえる「アルプス交響曲」。バイエルン放送交響楽団を率いたショルティの手腕が遺憾なく発揮されている。シカゴ交響楽団より繊細な音色を持ち、当時はベルリン・フィルにも肉薄していた実力とで、迫力満点のオーケストラの醍醐味がたっぷりと味わえる一枚。夜明けから日没までのアルプスの大自然の情景や登山する人の目に映る情景や心象風景を、音楽で描写したリヒャルト・シュトラウスの《アルプス交響曲》。ショルティが楽曲ゆかりのオーケストラを統率して、精緻なオーケストレーションを完璧に再現した見事な演奏を聴かせています。当時はデジタル録音がレコード誌の話題の盛りでしたが、アナログ時代の完成された水準を認めざるを得ない録音。盤は170㌘重量盤。細部に若干の性急さがあるものの、「嵐」の爆発力はすべての同曲で 間違いなくナンバー1である。 スリリングな演奏でこれはこれでショルティの名盤のひとつだと思って疑わないので、ここに選びました。1979年9月ミュンヘン、ヘルクレスザール録音。オーダーはリンク先の詳細掲載ページで (さらに…)...
Read More
20世紀で最も美しいピアノ*ロベール・カサドシュ フランスらしい気品を持ち合わせながらも己に酔うことなくスタイリッシュ

20世紀で最も美しいピアノ*ロベール・カサドシュ フランスらしい気品を持ち合わせながらも己に酔うことなくスタイリッシュ

Robert Casadesus 1899.4.7-1972.9.19フランスのピアニスト、ロベール・カサドシュが没した日(1972年9月19日)。フランスらしい気品を持ち合わせながらもその演奏は、己に酔うことなくスタイリッシュなのが特徴である。ドビュッシーやラヴェルはもちろん、モーツァルトも得意とし、他にも厳格なドイツものにも造詣が深かった。音楽一家に生まれ、甥のジャン=クロードは指揮者であり、その孫であるトーマス・エンコは現在ジャズピアニストとして活躍している。 通販レコードのご案内DE CBS 77346 カサドシュ ラヴェル・ピアノ曲全集 カサドシュは既に定評の有るモーツァルトとラヴェルを最も重要なジャンルの作品に据えていたのではと思いたくなるレコード。清楚で淡々と演奏していて、常にスタイリッシュです。いわゆる、ソリストとしては絶対に必要な「俺が俺が」と言って前面に出ていく強さがほとんど感じられない、最初から最後までカサドシュの美学の中で事は進んでいくように思えます。 カサドシュは些細な事に拘らない美学が見え隠れする名演を、“20世紀で最も美しいピアノの音色”で常に聴かせます。 Maurice Ravel - Robert Casadesus ‎– Piano Music of Ravel第1集 ABL.3012亡き王女のためのパヴァーヌシャブリエ風にボロディン風に鏡第2集 ABL.3046組曲「マ・メール・ロワ」ハバネラ水の戯れ夜のガスパール第3集 ABL.3062組曲「クープランの墓」高雅で感傷的なワルツ前奏曲ハイドンの名によるメヌエット「ドビュッシーの音楽はショパンから派生し、ラヴェルの音楽はリストから派生する」とは、カサドシュのインタヴューに応えた言葉が由来です。 カサドシュの録音は登場時から、その客観性をいわれ演奏の古典となったものでしたが、特質はフランス的なもの。全体に快速なテンポで軽いタッチで弾き流しており、最近の演奏家が陥りがちな印象派風なべとべとした演奏とは一線を画します。組曲「クープランの墓」でのクラヴサンの音楽の伝統が連綿と綴る音のアラベスクは、緻密に向かう性向があるカサドシュに合っている。緻密、端正というだけでは割り切れない作品の多層があるのです。典雅な香りや、知的なのにどこか遊び、ペーソスをもっていても嫌味にならない。古典的たたずまいが典雅と両立しているものは非常に稀なことです。  作曲者と親交のあったカサドシュだけに、そこに込められた豊かなニュアンスには強い説得力があり、美しい音色がとても魅力的です。カサドシュのレパートリーは決して広くなく、むしろ適した曲目はきわめて限られたものでした。そのレパートリーにはドイツ音楽も多く、まさに形から入るラヴェルに適性を示します。LP 期、多くのものが再録を行ってきましたが、ラヴェルの独奏曲は時間的にも体力的にも余力があったにも関わらず、このモノラルの録音のみです。つまりはそれだけ、当録音が高い精度を達成していたということでしょう。音質はモノラルとしては最上の部類で鑑賞には支障ありません。ステレオ録音盤はありません。 【ロベール・カサドシュのプロフィール】1899年パリに生れたカサドシュ(Robert Casadesus, 1899年4月7日〜1972年9月19日)は1922年からラヴェルと共同でピアノロールの録音を行い、欧州各地でラヴェルと共演した経歴を持つ。大戦中アメリカへ亡命した事もあって、米 Columbia に多くの録音を残した、これも米録音。彼の抑制の効いた古典的様式は彼の後、続く者が現れなかった。M.アース、C.エルフェ等を輩出。仏ピアノ界の重鎮的存在。一聴は大人しいが、その美しさは絵画的。指の回るピアニストは多くなったものの、カザドシュのように知的で香りたつような洗練された感性をもつピアニストはまったく少なくなってしまった。 オーダーはリンク先の詳細掲載ページで品番 / 34-22215販売価格6,600円(税込) (さらに…)...
Read More
20世紀で最も美しいピアノ*ロベール・カサドシュ フランスらしい気品を持ち合わせながらも己に酔うことなくスタイリッシュ

20世紀で最も美しいピアノ*ロベール・カサドシュ フランスらしい気品を持ち合わせながらも己に酔うことなくスタイリッシュ

Robert Casadesus 1899.4.7-1972.9.19フランスのピアニスト、ロベール・カサドシュが没した日(1972年9月19日)。フランスらしい気品を持ち合わせながらもその演奏は、己に酔うことなくスタイリッシュなのが特徴である。ドビュッシーやラヴェルはもちろん、モーツァルトも得意とし、他にも厳格なドイツものにも造詣が深かった。音楽一家に生まれ、甥のジャン=クロードは指揮者であり、その孫であるトーマス・エンコは現在ジャズピアニストとして活躍している。 通販レコードのご案内DE CBS 77346 カサドシュ ラヴェル・ピアノ曲全集 カサドシュは既に定評の有るモーツァルトとラヴェルを最も重要なジャンルの作品に据えていたのではと思いたくなるレコード。清楚で淡々と演奏していて、常にスタイリッシュです。いわゆる、ソリストとしては絶対に必要な「俺が俺が」と言って前面に出ていく強さがほとんど感じられない、最初から最後までカサドシュの美学の中で事は進んでいくように思えます。 カサドシュは些細な事に拘らない美学が見え隠れする名演を、“20世紀で最も美しいピアノの音色”で常に聴かせます。 Maurice Ravel - Robert Casadesus ‎– Piano Music of Ravel第1集 ABL.3012亡き王女のためのパヴァーヌシャブリエ風にボロディン風に鏡第2集 ABL.3046組曲「マ・メール・ロワ」ハバネラ水の戯れ夜のガスパール第3集 ABL.3062組曲「クープランの墓」高雅で感傷的なワルツ前奏曲ハイドンの名によるメヌエット「ドビュッシーの音楽はショパンから派生し、ラヴェルの音楽はリストから派生する」とは、カサドシュのインタヴューに応えた言葉が由来です。 カサドシュの録音は登場時から、その客観性をいわれ演奏の古典となったものでしたが、特質はフランス的なもの。全体に快速なテンポで軽いタッチで弾き流しており、最近の演奏家が陥りがちな印象派風なべとべとした演奏とは一線を画します。組曲「クープランの墓」でのクラヴサンの音楽の伝統が連綿と綴る音のアラベスクは、緻密に向かう性向があるカサドシュに合っている。緻密、端正というだけでは割り切れない作品の多層があるのです。典雅な香りや、知的なのにどこか遊び、ペーソスをもっていても嫌味にならない。古典的たたずまいが典雅と両立しているものは非常に稀なことです。  作曲者と親交のあったカサドシュだけに、そこに込められた豊かなニュアンスには強い説得力があり、美しい音色がとても魅力的です。カサドシュのレパートリーは決して広くなく、むしろ適した曲目はきわめて限られたものでした。そのレパートリーにはドイツ音楽も多く、まさに形から入るラヴェルに適性を示します。LP 期、多くのものが再録を行ってきましたが、ラヴェルの独奏曲は時間的にも体力的にも余力があったにも関わらず、このモノラルの録音のみです。つまりはそれだけ、当録音が高い精度を達成していたということでしょう。音質はモノラルとしては最上の部類で鑑賞には支障ありません。ステレオ録音盤はありません。 【ロベール・カサドシュのプロフィール】1899年パリに生れたカサドシュ(Robert Casadesus, 1899年4月7日〜1972年9月19日)は1922年からラヴェルと共同でピアノロールの録音を行い、欧州各地でラヴェルと共演した経歴を持つ。大戦中アメリカへ亡命した事もあって、米 Columbia に多くの録音を残した、これも米録音。彼の抑制の効いた古典的様式は彼の後、続く者が現れなかった。M.アース、C.エルフェ等を輩出。仏ピアノ界の重鎮的存在。一聴は大人しいが、その美しさは絵画的。指の回るピアニストは多くなったものの、カザドシュのように知的で香りたつような洗練された感性をもつピアニストはまったく少なくなってしまった。 オーダーはリンク先の詳細掲載ページで品番 / 34-22215販売価格6,600円(税込) (さらに…)...
Read More