一刀彫り★フルトヴェングラー指揮ウィーン・フィル ベルリン・フィル ブラームス 交響曲4番、ハイドンの主題による変奏曲

一刀彫り★フルトヴェングラー指揮ウィーン・フィル ベルリン・フィル ブラームス 交響曲4番、ハイドンの主題による変奏曲

通販レコードのご案内フルトヴェングラーのブラームスには数多くの録音が残されていますが、その中でも屈指の名演として名高いのがこの第4番です。緩急自在、テンポやダイナミクスがまさしく息づくように熱く再現されてゆくさまは圧巻。《赤盤》JP 東芝音楽工業 AB8033 フルトヴェングラー/ウィーン・フィル/ベルリン・フィル ブラームス 交響曲第4番/ハイドン主題変奏曲ベルリン・フィルの「ハイドンの主題による変奏曲」は ― この変奏曲のような形式であると ― 交響曲の場合と違って、フルトヴェングラーの即興的で自由なテンポ感覚と、ブラームスの形式感が違和感なく同居する感じがします。各変奏の個性がよく描き分けられて、楽想の変化がドラマティック。オーケストラの動きは直線的でアクセントが強く、それは半ば強引で深い呼吸で旋律を歌って欲しい期待も持つほど、テンポ速めの変奏は、一刀彫りのような荒々しさとライヴ感覚に満ちた清々しさがあって、構成としても緊密で聴き応えがある。販売レコードのカバー、レーベル写真通販レコード詳細・コンディション、価格プロダクトレコード番号AB8033作曲家ヨハネス・ブラームスオーケストラウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団指揮者ヴィルヘルム・フルトヴェングラー録音種別MONO東芝EMI前身東芝音楽工業製, MONO 1枚組 (160g) 重量盤。コンディションジャケット状態EXレコード状態M-製盤国JP(日本)盤通販レコード詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。  オーダーは 品番 / 34-25265 販売価格 ¥2,750(税込) 「クレジットカード決済」「銀行振込」「代金引換」に対応しております。 (さらに…)...
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リハーサル盤付き*カラヤン美学の徹底した カラヤン指揮ベルリン・フィル モーツァルト・後期6大交響曲集

リハーサル盤付き*カラヤン美学の徹底した カラヤン指揮ベルリン・フィル モーツァルト・後期6大交響曲集

カラヤンのモーツァルト演奏のスタイルは変化することはなかった。カラヤンとベルリン・フィルのモーツァルトで、《ハフナー》、《リンツ》、《プラハ》、39番、40番と《ジュピター》は二種類あるが、引き締まったモーツァルトを聞きたいか、ゴージャスで華やかなサウンドを楽しみたいか。好みで選んで聞くのが良いが、名手の揃ったベルリン・フィルの木管楽器を楽しむにはEMI盤が勝る。優美に磨かれた、華麗なモーツァルト。カラヤン美学の徹底した演奏です。スケールの大きな中にも美しさがちりばめられ、この上なく心地の良い響き。ベルリン・フィルとカラヤンの見事なコラボレーションが生み出した、不朽不滅のモーツァルト後期交響曲集をここに聴くことができます。  録音場所はイエス・キリスト教会で、1970年9月に行なわれた。この時期、カラヤンとベルリン・フィルのコンビはEMIと、ドイツ・グラモフォンで旺盛に録音を行った。よく知られているように、ダーレム地区の騒音問題などもあって、カラヤンのベルリンでの録音拠点は、1973年からベルリン・フィルハーモニーに移りますが、このモーツァルト後期交響曲集と、ブルックナーの第4番&第7番、チャイコフスキーの後期交響曲集に関しては非常に短い期間で録音場所を違えて再録音をおこなっているのです。  1970年当時のカラヤンは、イエス・キリスト教会の豊かな響きを存分に生かした分厚く豊麗なサウンドを志向していましたが、5年後の録音場所は、ベルリン・フィルハーモニーに移って精悍なモーツァルトを聞かせている。単なる再録音ということになりますので、5年という短い期間にカラヤンの嗜好が変化したことを十分に窺わせます。こちらが一般的にはカラヤンのモーツァルトだろう。 通販レコードのご案内リハーサル盤付き4枚組初版です。《英モノクロ切手盤、初発》GB EMI SLS809 カラヤン モーツァルト・後期6大交響曲集 カラヤン&ベルリン・フィルによるモーツァルト:後期6大交響曲集。同コンビで1975~1977年にはDGGからもリリースされたときは驚きをもって迎えられたとのことですが、EMI盤がダーレムのイエス・キリスト教会での録音、DG盤がフィルハーモニーザールでの録音ということで、サウンドの傾向には大きな違いが見られます。  本盤はイエス・キリスト教会の豊かな響きを存分に生かした分厚く豊麗な仕上がりとなっています。4枚組ですが、4枚目は(第39番、40番、41番の)リハーサルが収録されており、カラヤンがどのように音楽を作っていったのかが、よくわかります。カラヤン&ベルリン・フィルの録音は星の数くらい沢山あるが、ベルリン・フィルの実力を最高に引き出しているという点では当盤も最右翼でしょう。ベルリン・フィル伝統のアンサンブルは健在で他に得られない圧倒的なものです。1970年9月ベルリン、イエス・キリスト教会での録音、リーフレット付属。 通販レコード詳細・コンディション、価格 Wolfgang Amadeus Mozart, Herbert von Karajan, Berliner Philharmoniker ‎– The Last Six Symphoniesプロダクトレコード番号SLS809作曲家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトオーケストラベルリン・フィルハーモニー管弦楽団指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤン録音種別STEREOWHITE&BLACK STAMP DOG, STEREO 4枚組(130g/110g/140g/135g), Release 1971, Stamper 2G/2G 2/2 2G/3 1G/3。 コンディションジャケット状態EXレコード状態M-製盤国GB(イギリス)盤《モノクロ切手 白枠》セミサークルレーベルのニッパー君の部分が四角い縁取りで囲まれ、ちょうど切手(スタンプ)のように見えるためです。このスタンプ・ニッパー・ラベル(ER3)は、郵便切手が白黒(モノクロ)になります。番号で見ると、ASD2470 あたりから 2750 あたり まではカラー・ニッパーがオリジナルでこれ以降は、モノクロのニッパーが初版ということになるらしい。この、ASD シリーズの半円ニッパーとスタンプ(カラー、モノクロ両方とも)ニッパーの LP は盤自体のクオリティがとても高く、ばらつきも少なく優秀なプレス技術といえます。通販レコード詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。 オーダーは 品番 / 34-21035 販売価格 17,600円(税込) 「クレジットカード決済」「銀行振込」「代金引換」に対応しております。 (さらに…)...
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生涯心と耳を感動させる☆プレミアム5選 バイロイトの第九 終戦を願うマタイ 女性ならではの切ない情念が包むブラームス

生涯心と耳を感動させる☆プレミアム5選 バイロイトの第九 終戦を願うマタイ 女性ならではの切ない情念が包むブラームス

20世紀の人類の遺産、バイロイトの第九。 通販レコードのご案内《仏LARGE DOG IN SEMI-CIRCLE盤》FR VSM FALP30048-49 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー エリザベート・シュワルツコップ エリザベート・ヘンゲン ハンス・ホップ オットー・エーデルマン バイロイト祝祭管弦楽団 ベートーヴェン:交響曲9番(1951年バイロイト音楽祭) 1951年7月29日、バイロイト祝祭劇場でのライヴ録音。通称「バイロイトの第九」はバイロイト音楽祭の戦後初開催の初日に行われた伝説の実況録音盤で、まさに20世紀の人類の遺産ともいうべきレコードです。英国盤(超高価)を除けば最も音質的評価の高いフランス盤、盤質も良好でこなれた価格のお勧め品。フランス・プレス盤、モノラル録音。1951年7月29日にバイロイト祝祭劇場でのライヴ録音。優秀録音、名演、名盤。 詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。 https://recordsound.jp/analogsound/index.php?mode=detail&gid=27453 破滅的な大戦争を前にして、この受難曲演奏会が最後となることを知っていたかのような、迫真の記録。 通販レコードのご案内《南アプレス盤、Minigrooveプラムレーベル》ZA PHILIPS A00150L ウィレム・メンゲルベルク カール・エルブ ウィレム・ラヴェリ ヨー・フィンセント イローナ・ドゥリゴ ルイ・ファン・トゥルダー ヘルマン・シャイ コンセルトヘボウ管弦楽団 アムステルダム・トーンクンスト合唱団 バッハ:マタイ受難曲 オランダの巨匠メンゲルベルクは、1895年にコンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者となって以来バッハの演奏に情熱を注ぎ、とりわけ「マタイ受難曲」を多く取り上げました。毎年復活祭に演奏する伝統は、第二次世界大戦勃発により途絶えてしまったそうです。これは第二次世界大戦直前の1939年4月2日の歴史的ライヴ録音。誰もが魂を揺さぶられる名演中の名演です。1952年発売のオリジナル、入手困難レア盤。珍しい南アフリカ共和国プレスですが音質クリアで問題ありません。ノイズは全体的にごく僅かな良好盤です。モノラル録音。1939年4月2日にアムステルダム、コンセルトヘボウでの録音。カルル・エルプ(テノール)、ウィレム・ラヴェッリ(バス)、ジョー・ヴィンセント(ソプラノ)、イローナ・ドゥリゴ(アルト)、ルイ・ファン・トゥルダー(テノール)、ヘルマン・シャイ(バス)、ピエト・ファン・エグモンド(オルガン)、ヨハンネス・デン・ヘルトグ(ハープシコード)、ルイ・ツィンマーマン(ヴァイオリン)、G.ブランハード(オーボエ・ダ・モーレ)、W.ペッデモルス(オーボエ・ダ・カッチャ)、フーベルト・バルワーザー(フルート)、ザンハルスト少年合唱団(合唱指揮:ウィレム・ヘスペ)。  メンゲルベルクがアムステルダム・コンセルトヘボウ管に君臨する1899年以来、毎年棕櫚の日曜日(復活祭直前の日曜日)に演奏されてきた「マタイ受難曲」。1939年4月2日の祝日にオランダ放送によって収録された、名演として名高いライブ録音です。この演奏は、バッハの演奏スタイルにおける、一昔前の、モニュメンタルでロマン派的な伝統を代表するものとはいえ、心の奥深いところで感動している精神性、痛切さ、共感を有するものです。あたかも、現場に居合わせた人全員が、1939年9月に欧州で勃発する破滅的な大戦争を前にして、この受難曲演奏会が最後となることを知っていたかのような、迫真の記録を聴くことができます。 昔から伝説的に語られていますが、第39曲の有名なアルトのアリア「憐れみたまえ、わが神よ、したたり落つるわが涙のゆえに」、第47曲「主よ、憐れみたまえ」で観客がすすり泣く声が入っています。それくらい異様な空気の中で演奏が進みます。演奏スタイルはロマンティックで、現代から見れば、モダン・オーケストラでの恣意的な演奏と取られても仕方がない類ですが、けして良いとは言い難い音質ともども物ともしない感動を呼びます。その時代背景を知れば、尚更その衝撃だけでも演奏が心に突き刺さり残ります。カール・リヒター盤と並んでこの曲最高の名盤、かつ人類の至宝とまで讃えられた逸品。イエスの受難と弟子たちの懊悩をここまで文学的に表出した演奏は唯一無二なものです。 SPレコード録音の時代ですが、イギリス、ドイツと同様、北海を挟んで向かい合うオランダでも兵器としての音響技術が進んでいた。このライブ録音は、フィリップス=ミラー録音システムが用いられている。この録音システムは、黒色に塗布されたセルロイドのフィルム上に、サファイア・ガラスの針で刻みこんで録音し、映写フィルム同様に読み取るものです。(映画のサウンドトラックに利用される方式とほぼ同じ)この方式により、当時の商業レコードである78回転SPレコード録音よりも長時間かつ、より広い周波数帯域の収録が可能となりました。 しかし、録音成果は完璧なものではありません。突然の電圧不安定によるものか音量レベルが変動したりも起こりますが、良い部分では、1950年代初期のテープ録音に匹敵する音質に達し、感動的な場面におけるメンゲルベルクの迫力を聴き取ることが可能です。 詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。 https://recordsound.jp/analogsound/index.php?mode=detail&gid=27452 前期ロマン派に対するクレンペラーのアプローチは素晴らしい。毅然として、べたつかない浪漫を感じます。 通販レコードのご案内《BLUE & SILVER オリジナル》GB COLUMBIA SAX2397 オットー・クレンペラー フィルハーモニア管弦楽団 シューベルト:交響曲第9番「ザ・グレート」 クレンペラーならではの分厚く荘厳な、唯一無二の「ザ・グレート」。貴重なB/S初期盤、ノイズはごくわずかな良好盤です。しなやかさも感じられる各楽器の音色、バランスは鮮明でした。イギリス・プレス、オリジナル盤、ステレオ録音。1960年11月にロンドン、キングズウェイ・ホールでのセッション録音。プロデュースはウォルター・レッグ、エンジニアはクリストファー・パーカー。優秀録音、名演、名盤。  シューベルト交響曲第9番「ザ・グレイト」、シューベルトの交響曲の中でも「未完成」と肩を並べる名作交響曲。後に誕生した多くの交響曲に影響を及ぼした。シューベルトの死後、発見された「未完成」は、「名誉ディプロマ」を授与された返礼としてグラーツ楽友協会に贈ったが、劇付随音楽『ロザムンデ』に音楽を流用するため第3・第4楽章の楽譜の返還を求め、グラーツ楽友協会側は残りの楽章が送られてくるだろうからと引き出しの奥にしまい込まれていた。 シューベルトの死後から、10年。墓参をしたシューマンはウィーンのシューベルト宅を訪問した。故人の部屋を管理していた兄フェルディナントは死後そのままにシューベルトの仕事机を保管していた。シューベルトはあくまで歌曲や小規模な室内楽、ピアノ曲などを演奏する、気心知れた仲間内の演奏会「シューベルティアーデ」の作曲家という認識しか持っていなかったシューマンは、その机の上にあった長大な交響曲を発見し、シューベルトを歌曲の作曲家と見ていた自らの認識を覆すその作品に驚愕した。1826年に完成された、同曲はウィーン楽友協会へ献辞を添えて提出されていたが、演奏困難との理由で演奏されることはなかった。演奏されるのを待つばかりの楽譜は、シューベルトの仕事机の上にそのままあった。 指示通りに演奏しても60分以上かかる大曲であり、シューマンは曲をジャン・パウルの小説にたとえ、「すばらしい長さ (天国的な長さ)」と賞賛している。シューマンはぜひこれを演奏したい、とメンデルスゾーンのもとに楽譜が届けられた。1838年3月21日、メンデルスゾーンの指揮、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏によって、この交響曲は初演された。 シューベルトの死後から、10年。ベートーヴェンを尊敬してやまなかったシューベルト、渾身の交響曲はついに音となり、鳴り響いた。ベートーヴェンの交響曲の規模の大きさと力強さとを受け継ぎ、彼独自のロマン性を加えて完成された作品となっており、後のブルックナー、マーラー、20世紀のショスタコーヴィチなどの交響曲につながっている。 20世紀を代表する巨匠クレンペラーがフィルハーモニアと贈るシューベルトの大人気交響曲。クレンペラーが得意としたマーラーやブルックナーの交響曲に匹敵する長大な交響曲である「ザ・グレイト」は、重厚的かつバランス良く奏でられる。覇気がある演奏で、曲の存在感はより大きいものとなっている。ホルン2本のユニゾンでおおらかに始まる第1楽章の開始部分は、シューマンの交響曲第1番『春』やメンデルスゾーンの交響曲第2番、ブラームスのピアノ協奏曲第2番のモデルとなっている。リズミカルなモチーフを主体として主題が構成されている主部は、尊敬してやまなかったベートーヴェンの特に交響曲第7番と多くの共通点を持つ一方で、大胆な転調や和声進行にシューベルトらしさが満ちあふれている。第3楽章はスケルツォ、後のブルックナー後期作品を思わせるような息せき切るような主部の旋律と、シューベルトらしい旋律に溢れた雄大な中間部トリオの対照が効果的である。長大な最終楽章。この楽章ならではのオスティナートと強弱のコントラスト、激しい転調に特徴があり非常に急速で息を付かせない。旋律にはベートーヴェンの交響曲第9番の「歓喜の主題」が改変されて引用されており、ベートーヴェンに対するオマージュと考えられる。 詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。 https://recordsound.jp/analogsound/index.php?mode=detail&gid=27454 語り継がれていく名盤 ― 聴き手の心を震わせる、誉れ高き名盤。 通販レコードのご案内《英プレス盤 SEMI-CIRCLE ANGEL》GB ANGEL ANG35137 ヨハンナ・マルツィ パウル・クレツキ フィルハーモニア管弦楽団 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 マルツィの代表的な名盤で、英COLUMBIA盤はコレクターズ・アイテムとして有名な高額盤。このANGEL盤は英国プレスでジャケットのみ米国で作られています。値段はCOLUMBIA盤よりかなりリーズナブルです。イギリス・プレス盤、モノラル録音。1954年2月にロンドン、キングズウェイ・ホールでのセッション録音。  ヨハンナ・マルツィは1924年ハンガリー生まれ。生前のフバイに教えを受け、その才能を約束された。大戦を逃れ、夫婦はスイスへ移住。当初、オランダで活動を行う。1950年、スイスで出会った富豪からイタリアの銘器、カルロ・ベルゴンツィ「タシリオ」を貸与され、全ての録音に使用した。1953年ロンドン・デビューを果たし、そして、ウォルター・レッグの目に留まり、このブラームスが英Columbiaで最初の録音となった。  その容姿ゆえ、英国で人気の高かったマルツィのブラームスはこのように録音され、60年を経た今なお多くのファンから高い支持を得ている。今から思えば女流ヴァイオリニスト・ブームというのは、このLPから始まったように思う。このレコード録音ほど、それまで意識したことのなかった女流奏者という存在を印象付けたLPは無い。確かにこの曲には名だたる名演がひしめく。ブラームスという曲と女流というのがとても合っているようだ。女性ならではの切ない情念が包み、しかもそれが高い気品を持った名品。  いかに優れた音楽家であったにせよ、ハンガリーの片田舎出身のヴァイオリニストが、その死後40年以上経た今日も名声と伝説とオーラを保ち解き放っているという事実は驚嘆に値する。勿論この名声と伝説はこれからも語り継がれていくと思います。  異常なまでの集中力とそれを支える精神力は、マルツィの演奏に感じさせる類いまれな緊張感のエネルギーみたいなもので、演奏する作品と何とも云えない一体感を感じさせてくれます。 詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。 https://recordsound.jp/analogsound/index.php?mode=detail&gid=27451 アメリカの挑発にも、どこ吹く風。ソ連の若き演奏家が戦争の不安を吹っ飛ばしてしまう。 通販レコードのご案内《英プレス LARGE DOG IN SEMI-CIRCLE 盤》GB EMI ALP1460 ダヴィッド・オイストラフ シャルル・ミュンシュ ボストン交響楽団 ショーソン:詩曲、サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ、ベルリオーズ:ロメオとジュリエット(抜粋) ショーソンの『詩曲』の名演として知られる1枚。ソロ・ヴァイオリンがオイストラフという非常に贅沢なキャスティングです。イギリス・プレス盤、モノラル録音。1955年12月14日にボストン、シンフォニー・ホールでのセッション録音。 このほの暗い響きは、印象派以降の近代フランスの音楽には滅多に聞かれないもので、ショーソン独特のものである。というよりもこの曲独特と言ってよいだろう。ショーソンは若くして(44歳)不慮の事故(一部では自殺説もあるそうです)で亡くなったために、日本での認知度はあまり高くないようです。そんな中で、唯一知れ渡っているのがこの「詩曲」です。幼い頃から優れた家庭教師によって英才教育を施され、幸せな結婚と裕福な家庭生活を築き上げると言う、ヨーロッパにおける典型的な中産階級の一員でした。ショーソンは表面的には非常に恵まれた環境のもとでその人生を送ったかのように見えます。しかし、そんな表面的な豊かさとは裏腹に、彼の作品からは、その内面に巣くっているどうしようもないペシミズムが見え隠れします。この「詩曲」の全編を覆っているほの暗さには、世紀末ヨーロッパを蔽っていた、とらえ所のない漠然とした焦燥感や苛立ちのようなものが反映しています。 神秘的に静かに始まって、そしてあまりおおきな盛り上がりも見せずに最後も静かに曲を閉じるこの作品は、それほど一般受けする作品とも言えません。最初はツルゲーネフの『勝ち誇れる恋の歌』に触発されて書き始められたものの、やがてはその標題性を破棄して、ただ単に『詩曲』とされたのは、狭い文学世界のテーマを乗り越えて、その様な時代の風を反映したより普遍性の高い作品になった事への自負もあったのでしょう。技巧的とはほど遠いソロは華麗さの対極にある静謐さをたたえ、穏やかに歩を進める。  オイストラフの艶のある美音。ミュンシュ、ボストン交響楽団の伴奏も、豊かな色彩感と独特の抒情性を十全に表現し、ワーグナーの影響を受けたと言われるショーソンの情熱的な側面をも捉えた名演です。オイストラフがアメリカにデビューした頃の録音です。オイストラフはよく言われているように、若い時代の切れ味の鋭い演奏と、晩年のゆったりとした演奏とで、別人のような姿を見せます。そこには、何か音楽に対する「価値観」が変わったかのような変貌ぶりだったように思えます。 ここでのオイストラフは太めの豊かな響きでグイグイと作品を描いていきます。それに対してミュンシュの方もオーケストラを思いっきり煽り鳴らして世紀末の儚い夢 ― 先行きの不安など吹っ飛ばしてしまいそうです。  サン=サーンスの『序奏とロンド・カプリチオーソ』と同日に収録され、そのカップリングで発売された。当時の雪解けによって、ソ連の演奏家が徐々に西側に登場しはじめたころの文化的状況を背景にした歴史的な録音。詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。 https://recordsound.jp/analogsound/index.php?mode=detail&gid=27450 (さらに…)...
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この曲の持つ意外な一面を露わにする☆クレンペラー指揮フィルハーモニア管・ベートーヴェン:交響曲第4番、「献堂式」序曲

この曲の持つ意外な一面を露わにする☆クレンペラー指揮フィルハーモニア管・ベートーヴェン:交響曲第4番、「献堂式」序曲

通販レコードのご案内クレンペラーならではの巨大で重厚な響きは、ときに“流麗”、“繊細”という表現が使われる “ベートーヴェンの交響曲第4番” でも変わらず特質が現れている。盤質良好《MAGIC NOTES SEMI-CIRCLE》GB COLUMBIA SAX2354 クレンペラー ベートーヴェン:交響曲4番、「献堂式」序曲 何ものにも揺るがない安定感と、確かに古いスタイルながら純粋にスコアを再現した音が、本盤には一杯詰まっている。オーケストラの配置が第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが指揮者の左右に配置される古いスタイルで、包み込まれるような感覚はステレオ録音で聴く場合には、やはり和音の動きなどこの配置の方が好ましい。本盤を聴くとクレンペラーが作り出す「偉大な精神の創造 ― スローテンポの音作り ―」によって隠れていた音符が一音一音浮かび上がってきます。ゆったりとしたテンポをとったのは、透徹した目でスコアを読み、一点一画をおろそかにしないようにとも思いたくなる。この気迫の籠った快演は聴き手に感動を与えずにはおきません。 また何度聴いても飽きません。ロマンティックな演奏ではなく、峻厳なベートーヴェンとなっている。壮大な宇宙の広がりがクレンペラーならではだ。フィルハーモニアは、まさにクレンペラーの為にレッグが作り出した 楽器 だと言う事、しみじみと感じました。英 EMI の偉大なレコード・プロデューサー ウォルター・レッグは、1954年に目をかけていたカラヤンがベルリンに去ると、すぐさま当時、実力に見合ったポストに恵まれなかったクレンペラーに白羽の矢を立て、この巨匠による最良の演奏記録を残すことを開始した。このレッグが理想とした、クラシック音楽の基準となるレコード盤をつくるという大仕事は、彼が EMI を去る1963年までクレンペラー&フィルハーモニアによって夥しい数が生み出されました。  この時代はモノーラル・テイクとステレオ・テイクが同時進行していました。モノーラルはダグラス・ラター、ステレオはクリストファー・パーカーと、それぞれ違うプロデューサーが担当していました。 通販レコード詳細・コンディション、価格 プロダクト品番34-27410レコード番号SAX2354作曲家ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンオーケストラフィルハーモニア管弦楽団指揮者オットー・クレンペラー録音種別STEREO 販売レコードのカバー、レーベル写真 MAGIC NOTES SEMI-CIRCLE, STEREO (140g), Stamper 11/12。 コンディションジャケット状態EXレコード状態EX++製盤国GB(イギリス)盤ターコイズ・ラベルが初出。 1957年10月21、25日(4番)、1959年10月(序曲)ロンドン、キングズウェイ・ホール(4番)、アビー・ロード第1スタジオ(序曲)、ステレオ録音。通販レコード詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。品番34-27410販売価格8,800円(税込)「クレジットカード決済」「銀行振込」「代金引換」に対応しております。 (さらに…)...
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《田園》の決定盤*エーリッヒ・クライバー アムステルダム・コンセルトヘボウ管 ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」

《田園》の決定盤*エーリッヒ・クライバー アムステルダム・コンセルトヘボウ管 ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」

通販レコードのご案内長いゆっくりした第2楽章をどれほどの緊張感を保ってたおやかにコントロールできるか、というのが《田園交響曲》を演奏する肝である。《仏ffrr 210㌘重量フラット盤》FR DECCA LXT2872 エーリヒ・クライバー/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」エーリヒ・クライバーはウィーン生まれの20世紀を代表する名指揮者のひとり。第二次大戦後のレコード全盛期を迎える前に没したために、SP時代の人気と名声のわりにはLP録音が少ないのが残念ですが、幸いデッカには彼が得意としていたベートーヴェンの交響曲が5曲遺されました。特に6番は、発売当時から高い評価を受け、今なお「田園」の名演のひとつとされている録音だ。録音:1953年9月 アムステルダムオーダーはリンク先の詳細掲載ページで 昔、社会人にちょうどなるときに聴いた、アンドレ・クリュイタンス指揮ベルリン・フィルの《田園》を聴いて、深く感動したことがある。カラヤン、ベームのレコードで耳だこになっていたこの曲が、まったく新鮮なものとして響いた。小学校以来の音楽の授業で、ベートーヴェンはドイツの音楽だと無意識に固定していたが、彼の交響曲はフランスではじめに受け入れられた。というベートーヴェンが後世に名を残す背景にあることを後に学んで、改めてクリュイタンスに感動した本当のところが理解できた気がした。 《田園》は音楽の抗うつ剤です。楽章の進行に合わせたステップ式セラピー効果が期待できる音楽であろうかと思います。ベートーヴェンの交響曲はどれも個性的ですが、合唱付の「第九」と、表題音楽的なこの《田園》とは構成上他とちょっと違った作品かもしれません。 《田園》を表すパストラーレ〝Pastrale〟は5番の交響曲が日本で「運命」と呼ばれるのとは違い、作曲者本人が付けたタイトルです。このパストラル(英:pastoral、独仏伊:パストラーレ pastorale)はギリシャ由来の長い伝統を持つ芸術の様式で、羊飼いたちの恋愛やロマン主義的に理想化された田園生活を描く文学、詩、絵画、音楽の分野です。田舎にやって来たときの出来事を追っているところから表題音楽の先駆け的な作品と言うことができますが、表題音楽という分野はロマン派音楽のものであり、曲調ではなく音形そのもので雷雨を表す手法が擬音的特徴として、ヴィヴァルディの「四季」を思い浮かべることができ、また心象風景を伝えるという意味では古くルネサンス、バロック時代から綿々と受け継がれていました。 心理学に革命を起こしたユングが、人間の深層心理を究めて行ってたどり着いた曼荼羅の世界観は、わたし達の日常暮らしの鏡で、異なるものは異なるままに、互いに補い、ともに生きるのがわたし達。立って半畳、寝て一畳というわけには行かないもの。学校の音楽の授業で学ぶ大作曲家たちは欲を成就させたからだと見て取れる。王侯貴族の世界の珍味を求めるようなことはなかったが、21歳で人気作曲家となった男は、44歳で音楽界から足を洗い、高級レストランの経営者、現在でも彼の創作した料理がグルメの舌を楽しませている。そんなロッシーニは格別だが、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスのエピソードからわかるのは身の丈にあったグルメであったようで、それが創作の糧になっていたようでもある。ショパンはプロはだしの料理人だったが、客が集う前に料理を作り終えるとさっさと作曲室にこもったという。閑話休題。 「幸福は意志によって作る」というベートーヴェンの哲学を、そこへ至るまでの紆余曲折によって示したのが「第九」であるなら、《田園》には〝今、ここ〟の幸福があります。田舎にやってきたときの心の動きを5つの楽章で示しており、途中で村人との語らいがあったり雷雨があったりと、厳めしさや抽象性を言われるベートーヴェンにあってぽっかりと抜けた親しみやすさがあるために、「エリーゼのために」や「月光」とならんで入門曲のように思われています。しかし構成は革新的だし、「第九」や晩年の四重奏群と比べて精神的に高いの低いのといった比較するのも意味のないことだと思います。変則的な構成の交響曲であり、長いゆっくりした第2楽章(アンダンテ・モルト・モッソ)をどれほどの緊張感を保ってたおやかにコントロールできるか、というのがこの曲を演奏する肝である。 エーリヒ・クライバー(Erich Kleiber/1890~1956)の至芸が味わえる1枚。交響曲6番《田園》はベートーヴェンの交響曲の中でも得意としていた楽曲で、クライバーの本領を存分に発揮した歴史的名演です。エーリッヒ・クライバー演奏は気品があって、しかも気張っていないところが素敵だ。オーケストラはコンセルトヘボウで、やはりとても真っ当な、説得力のある音楽を送り出している。 テンポから言うと第1楽章はやや軽快な運びで、緩徐楽章は逆にゆったりとしているなど、曲想によって自在です。物腰は穏やかだが、あくまで姿勢正しく、ダレるところは一箇所もない。よく聞くと、はきはきしたテンポをとっている場合でもしなやかによく歌わせ、スラーでつなぐ滑らかさがあり、一本の糸がピンと綺麗に張り詰めている。全体としては端正で軽やかな印象を受けます。 この指揮者の音の重ねて行くそして音を抜いて行く事の上手いこと。そう目立った特徴はないのですが第2楽章のゆっくり目の新鮮な自然描写はピカ一。他の楽章もキビギヒと感じさせる演奏。第2楽章では自然への賛歌をじっくり歌い上げ、アグレッシブな第3、4楽章を経て、フィナーレでは大自然の中に抱かれるような大きな広がりのある感動的なクライマックスを築き上げていく。 《田園》には数々の名録音があります。ワルター/コロムビア響の《田園》といえば昔から名盤として名高いものだが、音楽が表情を持っている、とても心優しい演奏だ。きちんと音楽のツボが押さえられているが、老獪さや小賢(こざか)しさは皆無。演奏に関しては文句のつけようがない。でもオーケストラの音色のことを言えば、コンセルトヘボウ方が深みがあって、『まだこの先にひとつ奥の部屋がありますよ』みたいな深さだ。 コンセルトヘボウ管弦楽団の落ち着いた深い味わいのある響きも魅力的で上品な《田園》に仕上げている。強烈な個性の指揮者が群雄割拠する時代においてやヽ残された録音が少ないだけに最高さが目立つ盤です。彼は《田園》をこれ以前(1948年)に同レーベルに「ロンドン・フィル」ともスタジオ録音しているがやはりこの「コンセルトヘボウ盤」が演奏の質、録音共に1枚上であろう。録音もDECCAの優秀な録音の為、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の艶のある美しい音色がしっかり捉えられています。発売当時から高い評価を受け、山ほどある《田園》のレコードの中でも最高峰のうちの一つです。 通販レコード詳細・コンディション、価格 プロダクトレコード番号LXT2872作曲家ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンオーケストラアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団指揮者エーリッヒ・クライバー録音種別MONOORANGE WITH SILVER LETTERING, MONO FLAT 1枚組 (210g) 重量盤, Stamper 2A/2A。 販売レコードのカバー、レーベル写真 コンディションジャケット状態EXレコード状態EX製盤国FR(フランス)盤オーダー・リンクと販売価格詳細の確認、特別価格での購入手続きは品番のリンクから行えます。オーダーは品番 / 34-14336特別価格2,750円(税込)通常価格3,520円(税込) (さらに…)...
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オーケストラ・ビルダー、ポール・パレーの名盤 デュカス、ラヴェル、シャブリエ、リスト、ラフマニノフ

オーケストラ・ビルダー、ポール・パレーの名盤 デュカス、ラヴェル、シャブリエ、リスト、ラフマニノフ

「オーケストラ・ビルダー」と称えられた男フランスの指揮者、ポール・パレー(Paul Paray /1886~1979)は定評ある米Mercuryによる録音を中心に、米VOX、仏Columbiaによるセッション録音のほか、指揮者としてのキャリアは実に59年間に及びますが、1934年にレコード録音を始め、1979年に93歳で亡くなるまで現役で指揮していたという頑健な体の持ち主で、その音楽の力強いスタイルを満喫できる。 父オーギュストは象牙細工職人で、聖ジャック教会のオルガニストのほか、夏場にはオルフェオン劇場で、市立合唱協会を指揮してハイドンの『天地創造』や、ベルリオーズの『キリストの幼時』などのほか、メンデルスゾーン、グノー、サン=サーンスのオラトリオやカンタータも取り上げていました。父オーギュストからピアノなどさまざまなレッスンを受けていたパレーは5歳のとき、父が音楽監督を務めていたトレポールの市民楽団に小太鼓担当として参加。演奏の現場にふれあいます。9歳で、聖歌隊にも参加。同級生には、のちに著名なオルガニストになるマルセル・デュプレ(1886-1971)がいた影響もあり、オルガンに熱中したパレーは、バッハのオルガン作品を大量に暗譜。ヴィドール、ヴィエルヌ、フランク、ブルックナー、レーガーらのオルガン作品を研究する少年時代を送る。 パリ音楽院に18歳の時に入学。作曲、対位法、和声を学んだパレーは、若いときにしか獲得できないローマ大賞を受賞し、作曲家として認められる一方、オルガニストや、劇場の楽団のチェリストとしても活動。ほかにピアノとティンパニもこなしていたという作曲家兼器楽奏者としてマルチな活動をしました。 指揮者になる転機は、第1次世界大戦が終わってドイツの捕虜収容所から解放され、ピレネー山麓のカジノのオーケストラに楽長として雇用された33歳の時でした。パレーは19世紀生まれの多くの指揮者と同じく、指揮を専門に勉強してはいませんでしたが、保養地や観光地にあるカジノはギャンブル目的だけではない、複合的な施設として運営されていることが多く、経済力のある人々も集まることから、当時はそこで大小さまざまなクラシックの演奏会やオペラ上演がおこなわれたりしていました。カジノでは、そうした音楽需要を目的に、シーズンオフの収入減をカバーしたい音楽家たちが、フランス各地から集まって楽団を編成していたのですが、パレーの指揮者としての初仕事は、そうした楽団を指揮するというものでした。 音楽家たち個別の腕前は一流ながらも臨時編成という条件付きのカジノの楽団をまとめあげる経験は、指揮者としての腕を磨くには絶好の機会でもあったようで、後年、「オーケストラ・ビルダー」と称えられることになります。 パレーのオーケストラ・ビルダーぶりが遺憾なく発揮されたのが、デトロイト交響楽団との仕事です。1940年代に2度にわたって解散するなど低迷していたデトロイト交響楽団を、数年でメジャー級の実力にまで引き上げたその手腕には驚くばかり。 カジノの楽団をまとめあげるプロセスから獲得した、指揮者としての能力が現れている、カッチリとメリハリの効いたパレーの音楽は、色彩感の描出と緊迫したダイナミズムの創出には特に秀でており、自在なアゴーギクを駆使した独特の表現や、豪快な響きのつくり方、もってまわったところのない音楽は実に魅力的。こうした特徴は、べテランのオーケストラ・ファンにおなじみのサウンド自慢のマーキュリー・リヴィング・プレゼンス・シリーズの録音で特に際立っており、快速でバリバリ進められるシューマンやベートーヴェン、ドヴォルザーク、シベリウスなど気分爽快な演奏が楽しめます。 得意のフランス音楽でも、作品の個性をリアルに描き出す明晰な音楽を聴かせており、サン=サーンスの交響曲第3番『オルガン付き』では、パレーと同じノルマンディー地方に同じ1886年5月に生まれ、同じくルーアンでオルガンと作曲を学んだマルセル・デュプレと共演、デトロイト交響楽団の克明なサウンドで迫力ある演奏を聴かせています。 パレーの美質が存分に発揮された、バランスのとれたラフマニノフ。通販レコードのご案内GB MERCURY MMA11052 ポール・パレー デトロイト交響楽団 ラフマニノフ・交響曲2番パレーが音楽監督を務め黄金時代を築き上げたデトロイト交響楽団との、情熱漲る入魂の演奏。 パレーの美質が存分に発揮された、バランスのとれたラフマニノフ。メランコリックな旋律に溢れた典型的な古典形式による、ラフマニノフの交響曲作曲家としての実力を示した第2番。録音:1957年3月デトロイトオーダーはリンク先の詳細掲載ページで パレー83歳の時の録音だがモンテカルロ管を豪快にドライブ通販レコードのご案内FR CONCERT HALL SOCIETY SMS2648 ポール・パレー リスト・フェスティバルデトロイト交響楽団音楽監督を長年に渡り務めたパレーはモンテカルロ国立歌劇場管弦楽団との縁も深かった。1928年~33年までこの楽団の音楽監督を務め、1941年にはこの地に移住しオペラ指揮者としても活躍した。リストの管弦楽曲集。パレーがモンテカルロ管を豪快にドライブ。パレー83歳の時の録音だがその若々しい力強い演奏に驚かされる。交響詩「前奏曲」、メフィスト・ワルツ、交響詩「オルフェウス」、マゼッパの4曲を収録。デトロイト響音楽監督を退任後各地のオーケストラに客演、レコーディング活動を行った時代、古巣のモンテカルロ国立歌劇場管弦楽団と「コンサート・ホール」に1969年に録音したリストの管弦楽作品集。オーダーはリンク先の詳細掲載ページで パレーの真骨頂・剛毅闊達なアプローチ通販レコードのご案内FR CONCERT HALL SOCIETY SMS2663 ポール・パレー デュカス・魔法使いの弟子このレコードはフランスの指揮者パレーの最高傑作といわれているものです。モンテカルロ国立歌劇場管弦楽団もフランス系の奏者が多いため、パレーの指揮によく応えています。フランス系指揮者の曲線的なイメージとは完全に一線を画した剛毅闊達なアプローチがきわめて壮快な演奏。パレーの真骨頂といえる近代フランスの作曲家の演奏はいずれも定評があり、中でも、神髄をついたシャブリエは必聴です。かつて世界最大のレコード通販会社として君臨したコンサートホール・ソサエティ(略称CHS)は、スイスを本拠地として、英米独仏だけでなく遠くアジアの日本などに販売網を広げていました。残念ながら経営に行き詰まり、70年代前半倒産しましたが、EMI、DECCA、COLUMBIAと云ったメジャーレーベルから漏れた隠れた演奏には名演も多く、貴重な文化遺産となっています。このGUILDE INTERNATIONALE DU DISQUEは、CHSのフランス版で、クオリティに差はありません。デュカス:交響詩『魔法使いの弟子』、ラヴェル:ラ・ヴァルス 、シャブリエ「狂詩曲 スペイン」 録音:1969年10月モンテ・カルロオーダーはリンク先の詳細掲載ページで (さらに…)...
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人間の魂を歌う巨匠*これを聴くだけでモーツァルトに開眼できる ワルター指揮コロムビア響 モーツァルト・後期交響曲集

人間の魂を歌う巨匠*これを聴くだけでモーツァルトに開眼できる ワルター指揮コロムビア響 モーツァルト・後期交響曲集

モーツァルトの後期の交響曲。 ワルターはモーツァルトを得意としており、楽屋でモーツァルトの霊と交信していたという噂さえ伝説として残っているほどだ。生涯最後の録音も、モーツァルトのオペラ序曲集であった。晩年のコロンビア交響楽団とのステレオ録音では交響曲第36番、第40番、またニューヨーク・フィルとのモノラル録音では第35番、第38番、第39番、第40番、第41番などが名演奏として知られている。また、戦前のウィーン・フィルとの録音(『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』など)や、1952年のウィーン・フィルとの交響曲第40番のライヴ録音、ザルツブルク音楽祭での交響曲第25番、『レクイエム』のライヴ録音などは今でも名演奏と称えられている。オペラでは、メトロポリタン歌劇場での『ドン・ジョヴァンニ』、『魔笛』等が知られている。  20世紀後半にモーツァルトの権威とされたカール・ベームも、「バイエルン歌劇場音楽監督であったワルターが私を第4指揮者として招聘し、彼がモーツァルトのすばらしさを教えてくれたからこそ、モーツァルトに開眼できた」と告白している。 芸術の品位は、多分、音楽において、とりわけ高貴にあらわれている。それは、音楽には余計な素材が何もないからなのだ。音楽は、ただ、形式と内容とだけで、その表現する一切のものを高め気高くすることが出来る。  このゲーテの言葉は、まず、誰をおいてもミューズの子ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756〜1791)を思い出させる。古典主義芸術の花が、芳しく咲き誇った18世紀の中頃、ドイツとイタリアのほぼ中間、オーストリアのザルツブルグの街に生まれたこの天才の残した足跡は、たしかに、今日の私たちが18世紀から求め得る、最も豊かな美しい財産なのだ。  交響曲が、それ独自の特性と、いわばモニュメンタルな意味をも持つためにはベートーヴェンを待たなければならないが、その兆しは既に、この6曲とハイドンの12曲からなる〈ザロモン・セット〉に見て取れる。とりわけ、元来がセレナードとして作曲されながら、そこにそれまで聴くことの出来なかった張り詰めた緊張を盛るのに成功した《ハフナー交響曲》は、新興の芸術形態として決して恵まれた環境にはなかった交響曲のあり方を示しているとともに、新しい時の到来を図らずも暗示している。  たとえ実生活におけるモーツァルトは貴族の保護を離れて自由人として生きた最初の作曲家だったとはいえ、音楽家としての彼は、その時代の秩序を否定して新しい秩序を打ち立てるといった革命家ではなかった。だが、その与えられた秩序に誠実に生きるということは、取りも直さず、来たるべき時代に最良のメッセージを送れるということでもあるのだ。その意味において、これら6曲の交響曲は、彼が《魔笛》を書いてドイツ・オペラの基礎を築いた以上に、かけがえのない立場にある。  ベートーヴェンの9曲、ブラームスの4曲、さらにそれに続く数多くの交響曲を、私たちが獲得するためには、どうしても、この6曲が必要だった。たしかに、100曲もの交響曲を作ったハイドンがいた。着実ではあったが極めて遅い歩みを見せた彼の天才は、彼が深い影響を与えたモーツァルトから、逆に影響を受けて真の実りを齎した。例えば、モーツァルトの死を悼んで作曲されたという、彼の最後の交響曲《第104番 ニ長調 ロンドン》には組み立ての確かさとか、表現の真実さとかいった、ハイドンの作曲家としての特質が最も好ましい形で示されている。だが、そこには、まだ、あのモーツァルトの音楽の持つ感じやすい表情がない、新しい形式や手法を編み出して、何よりも作品に安定と純粋さを求めたハイドンは、後世に交響曲という形式は残し得たがモーツァルトはそこに、柔軟性と細やかな感受性とを授けて真に魅力的なものとした。  その芸術家が未だ、自らの個性を獲得していないのならともかく、その芸術を抜き差しならない形で確立してしまっている以上、先人をも含めて、外部からの力というものは、もはや天才の霊感に影を落とすことはない。《ハフナー交響曲》を作曲した1882年、26歳のモーツァルトは彼に与えられた玉座に進むべく、既に確実な歩みを始めていた。したがって、この6曲に関する限り、モーツァルトのハイドンへの影響は認めるとしても、ハイドンからの影響は考えられない。たとえ、《リンツ》、《プラハ》《第39番 変ホ長調》が第1楽章に、ハイドン流の序奏を持っているとしても、である。つまり、これら、モーツァルトの愛を最も強く受けた6人の兄弟たちは、半音階的な歩みをみせる和声によって呈される虚ろに安い影、木管楽器と弦楽器との巧妙なコントラストによって醸し出されるニュアンスに富んだひだどりとによって、まさにモーツァルト独自の表情を備えている。そうした18世紀が終わろうとしている時に生まれ出た彼らの後姿は、当然、古い時代、つまり音の対位法的な取り扱いに対する感謝に満ちた眼差しと、和声的なスタイルに敏感に反応する皮膚とを、殊のほか美しい形で取り揃えているのだ。 人間の魂を歌う巨匠通販レコードのご案内《米マスターワークス盤》US COLUMBIA D3S691 ワルター コロムビア交響楽団 モーツァルト・後期交響曲35-41番1950年台末にビバリーヒルズで半ば引退していたブルーノ・ワルターの芸術をステレオ録音で残すべく、コロムビア・マスターワークス社が立ち上げたプロジェクトにより残された歴史的名盤。ワルターのために集められた「コロムビア交響楽団」はロサンゼルス・フィルとハリウッドの音楽家たちの混成で、メンバー選考にもワルターが関わったと言われます。このシリーズで残された他の録音同様、分厚く豊かに響くロマンチックな演奏は、現代ではピリオド奏法も盛んになったモーツァルトだからこそ貴重な歴史的遺産と言えるでしょう。モノ録音でニューヨーク・フィルとの六大交響曲も残していて、そちらも捨てがたい味わい深い、こちらは晩年の芸風か、ゆったりした演奏です。まさに孫のような天才プロデューサー、ジョン・マックルーアとの邂逅が実現した奇跡の名演だと思います。この3枚だけでもワルターの名前は残ったと確信するセットです。【収録曲】交響曲第41番ハ長調K.551「ジュピター」、交響曲第35番ニ長調K.385「ハフナー」、交響曲第36番ハ長調K.425「リンツ」、交響曲第39番変ホ長調K.543、交響曲第40番ト短調K.550、交響曲第38番ニ長調K.504『プラハ』。1959,1960年録音, Producer – John McClure, Thomas Frost 通販レコード詳細・コンディション、価格 Mozart - Bruno Walter, The Columbia Symphony Orchestra ‎– The Last Six Symphonies - Columbia Masterworks ‎– D3S 691プロダクトレコード番号D3S691作曲家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトオーケストラコロンビア交響楽団指揮者ブルーノ・ワルター録音種別STEREOGRAY "MASTERWORKS" WITH BLACK LETTERING, STEREO 3枚組(115g/110g/110g)。レコード番号もMS6494, MS6493, MS6255と印刷されています。 販売レコードのカバー、レーベル写真 コンディションジャケット状態M-レコード状態M-製盤国US(アメリカ合衆国)盤リーフレット付属、名演奏、名盤。通販レコード詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。  オーダーは 品番 / 34-26949 販売価格 6,600円(税込) (さらに…)...
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リハーサル盤付き*カラヤン美学の徹底した カラヤン指揮ベルリン・フィル モーツァルト・後期6大交響曲集

リハーサル盤付き*カラヤン美学の徹底した カラヤン指揮ベルリン・フィル モーツァルト・後期6大交響曲集

カラヤンのモーツァルト演奏のスタイルは変化することはなかった。 カラヤンとベルリン・フィルのモーツァルトで、《ハフナー》、《リンツ》、《プラハ》、39番、40番と《ジュピター》は二種類あるが、引き締まったモーツァルトを聞きたいか、ゴージャスで華やかなサウンドを楽しみたいか。好みで選んで聞くのが良いが、名手の揃ったベルリン・フィルの木管楽器を楽しむにはEMI盤が勝る。優美に磨かれた、華麗なモーツァルト。カラヤン美学の徹底した演奏です。スケールの大きな中にも美しさがちりばめられ、この上なく心地の良い響き。ベルリン・フィルとカラヤンの見事なコラボレーションが生み出した、不朽不滅のモーツァルト後期交響曲集をここに聴くことができます。  録音場所はイエス・キリスト教会で、1970年9月に行なわれた。この時期、カラヤンとベルリン・フィルのコンビはEMIと、ドイツ・グラモフォンで旺盛に録音を行った。よく知られているように、ダーレム地区の騒音問題などもあって、カラヤンのベルリンでの録音拠点は、1973年からベルリン・フィルハーモニーに移りますが、このモーツァルト後期交響曲集と、ブルックナーの第4番&第7番、チャイコフスキーの後期交響曲集に関しては非常に短い期間で録音場所を違えて再録音をおこなっているのです。  1970年当時のカラヤンは、イエス・キリスト教会の豊かな響きを存分に生かした分厚く豊麗なサウンドを志向していましたが、5年後の録音場所は、ベルリン・フィルハーモニーに移って精悍なモーツァルトを聞かせている。単なる再録音ということになりますので、5年という短い期間にカラヤンの嗜好が変化したことを十分に窺わせます。こちらが一般的にはカラヤンのモーツァルトだろう。 通販レコードのご案内リハーサル盤付き4枚組初版です。《英モノクロ切手盤、初発》GB EMI SLS809 カラヤン モーツァルト・後期6大交響曲集 カラヤン&ベルリン・フィルによるモーツァルト:後期6大交響曲集。同コンビで1975~1977年にはDGGからもリリースされたときは驚きをもって迎えられたとのことですが、EMI盤がダーレムのイエス・キリスト教会での録音、DGG盤がフィルハーモニーザールでの録音ということで、サウンドの傾向には大きな違いが見られます。  本盤はイエス・キリスト教会の豊かな響きを存分に生かした分厚く豊麗な仕上がりとなっています。4枚組ですが、4枚目は(第39番、40番、41番の)リハーサルが収録されており、カラヤンがどのように音楽を作っていったのかが、よくわかります。カラヤン&ベルリン・フィルの録音は星の数くらい沢山あるが、ベルリン・フィルの実力を最高に引き出しているという点では当盤も最右翼でしょう。ベルリン・フィル伝統のアンサンブルは健在で他に得られない圧倒的なものです。1970年9月ベルリン、イエス・キリスト教会での録音、リーフレット付属。 通販レコード詳細・コンディション、価格 Wolfgang Amadeus Mozart, Herbert von Karajan, Berliner Philharmoniker ‎– The Last Six Symphoniesプロダクトレコード番号SLS809作曲家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトオーケストラベルリン・フィルハーモニー管弦楽団指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤン録音種別STEREOWHITE & BLACK STAMP DOG, STEREO 4枚組(110g/130g/130g/130g), Release 1971, Stamper 2G/2G 1G/1G 2G/2G 1G/3。 販売レコードのカバー、レーベル写真 コンディションジャケット状態EXレコード状態EX++製盤国GB(イギリス)盤《モノクロ切手 白枠》セミサークルレーベルのニッパー君の部分が四角い縁取りで囲まれ、ちょうど切手(スタンプ)のように見えるためです。このスタンプ・ニッパー・ラベル(ER3)は、郵便切手が白黒(モノクロ)になります。番号で見ると、ASD2470 あたりから 2750 あたり まではカラー・ニッパーがオリジナルでこれ以降は、モノクロのニッパーが初版ということになるらしい。この、ASD シリーズの半円ニッパーとスタンプ(カラー、モノクロ両方とも)ニッパーの LP は盤自体のクオリティがとても高く、ばらつきも少なく優秀なプレス技術といえます。通販レコード詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。 オーダーは 品番 / 34-25163 販売価格 8,800円(税込) 「クレジットカード決済」「銀行振込」「代金引換」に対応しております。 (さらに…)...
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DGGに無い魅力が本盤に有る*カラヤン指揮ベルリン・フィル ドヴォルザーク・新世界より、スメタナ・モルダウ

DGGに無い魅力が本盤に有る*カラヤン指揮ベルリン・フィル ドヴォルザーク・新世界より、スメタナ・モルダウ

決して手抜きをしないのがカラヤンと完璧主義者のレッグ・コンビが生み出した陶酔。理想的なレコード・サウンド! スタイリッシュなドヴォルザークの《新世界より》です。  この名曲はドヴォルザークの交響曲第9番ですが、レコード盤のラベル面、レコード・カバー裏のライナーを見ればわかりますが、交響曲第5番と表記されています。カラヤンは DGG でも同曲をレコード発売しますが、それでは「第5(9)番」と初版では印刷されている。  ドヴォルザークの原典版がチェコ国内では整備され始めていましたが、国際版で作品番号の変更が行われるようになった時期だったから、まだローカル色がどうこうという状態じゃなかった。カラヤンがつくる洗練されたスタイルこそがドヴォルザークの一般音楽ファンに浸透させるのには大きな働きとなったと信じている。  この時期、DGG 専属だったベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と EMI への録音が始まる。レッグが EMI から去るのも間近と思われていたこの頃で、カラヤンの DGG 移籍のための手切れ金替わりとされる。懐疑的な思いを EMI はステレオ録音に持っていて、一方ではステレオ録音をしたいというカラヤンの強い希望を持っていて。その条件として EMI の提案がベルリン・フィルを指揮しての《新世界より》だったのだろう。  英コロムビア時代のカラヤンの指揮は殆どがフィルハーモニア管弦楽団ですが、本盤はコロムビア時代には大変珍しいベルリン・フィルハーモニーとの組み合わせ。《新世界より》には、フィルハーモニアでレコードを発売するよりも「ベルリン・フィルが EMI に初登場!」の効果は大きかっただろう。だったらステレオ盤で発売しても成果はあると算用したと思う。同じ日にヒンデミットの《画家マチス》も録音している。後に《モルダウ》を組み合わせる変更になったのかと想像する。 通販レコードのご案内昭和37年発売の日本コロムビア盤。JP COLUMBIA OS3060 カラヤン/ベルリン・フィル ドヴォルジャック 交響曲第5番「新世界より」/連篇交響詩「モルダウ」英 EMI の偉大なレコード・プロデューサー ウォルター・レッグは戦後ナチ党員であったとして演奏を禁じられていたカラヤンの為に、レッグ自ら1945年に創立したフィルハーモニア管弦楽団を提供し、レコード録音で大きな成功を収めた。1954年にドイツ音楽界に君臨していたフルトヴェングラーの急逝にともない、翌55年にカラヤンは、ついにヨーロッパ楽壇の頂点ともいえるベルリン・フィルの首席指揮者の地位に登りつめた。ここでレッグとカラヤンの関係は終止符を打つが、この約10年間に残したレッグ&カラヤン&フィルハーモニアのレコードの数々は、正に基準となるようなレコードであったと断言出来ると思います。演奏はオーケストラに合奏の完璧な正確さを要求し、音を徹底的に磨き上げることによって聴衆に陶酔感をもたらせ、さらにはダイナミズムと洗練さを同時に追求するスタイルで、完全主義者だったレッグとうまが合ったのは当然といえば当然で、出来栄えも隙が無い。決して手抜きをしないのがカラヤンの信条であったという。DGG盤にない魅力が本盤には有ります。英コロムビア時代のカラヤンの指揮は殆どがフィルハーモニア管弦楽団ですが、本盤はコロムビア時代には大変珍しいベルリン・フィルハーモニーとの組み合わせ。記憶では本盤含めて2枚しかないと思います。1959年初発盤。■録音年月日:1957年11月28・29日、58年1月6・7日(新世界から)、5月18~20日(新世界から、モルダウ) ■録音場所:グリュンネヴァルト教会、ベルリン ■録音:ステレオ ■スタッフ:P:ウォルター・レッグ、E:ホルスト・リントナー 通販レコード詳細・コンディション、価格 録音秀逸オーディオファイル盤なのは言うまでもない。録音された時代と同じ空気を感じられるのが初期盤収集の楽しみを十二分に与えてくれる名盤です。プロダクトレコード番号OS3060作曲家アントニーン・ドヴォルザークオーケストラベルリン・フィルハーモニー管弦楽団指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤン録音種別STEREO1962.2発売日本コロムビア製ターコイズレヴェル国内初出, STEREO 1枚組 150g 重量盤, 英国COLUMBIA同一スタンパー YRX 使用盤。 販売レコードのカバー、レーベル写真 コンディションジャケット状態M-レコード状態M-製盤国JP(日本)盤LP黎明期の息吹が聴こえてきそうな程よく還暦迎えたような訂装、骨董盤としては奇跡的。60年前製造盤とは思えません。オーダー・リンクと販売価格詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。  オーダーは 品番 / 34-26766 販売価格 2,750円(税込) (さらに…)...
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ピュアナチュラルなオーディオ装置で堪能したい カラヤン指揮ベルリン・フィル ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」

ピュアナチュラルなオーディオ装置で堪能したい カラヤン指揮ベルリン・フィル ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」

通販レコードのご案内カラヤンによるドイツ・オーストリアの伝統 ― 清々しく爽快で、聴く喜びに満たされるカラヤン芸術の極致とも言われたブルックナーの交響曲全集から第4番。他の指揮者に比べて売れた枚数が圧倒的に多いためプレミアムこそ付かないものの、一家に一枚置いておくべきレコード。《仏ブルーライン盤》FR DGG 2530 674 カラヤン ブルックナー・交響曲4番「ロマンティック」 ジャガイモもカラヤン・シェフの腕でゴージャズでスタイリッシュに変わる。だからといって、ジャガイモ本来の味わいは少しも損なわれていない。繊細さとド迫力。予定調和型の何もないどっしり演奏ではない。これが他の指揮者ではなかなか見られない、自分の信じる流儀を貫くカラヤン流の美学だ。  カラヤンのブルックナーの交響曲は多数の録音があるが、ベルリン・フィルの実力を最高に引き出しているのは当盤であろう。カラヤンは1970年にブルックナー第4番「ロマンティック」をEMIに録音していますが、これはそのわずか5年後にドイツ・グラモフォンに再録音したもの。巨匠然としていた、そのイギリスEMI盤よりわずかにテンポを上げた、70年代カラヤンらしいきびきびとした演奏です。  極めてスタイリッシュかつパワフルで録音も素晴らしく、オーディオ的観点からも胸のすく音の洪水。本録音はカラヤンの何時もの重厚感がたまらなく良いし、豪華絢爛なベルリン・フィルも健在。演奏の傾向は同じだが、録音の違いか重心が低い。かといって決して渋い演奏ではなく華やかな雰囲気には変わりない。改訂版を使用している故のティンパニやシンバルが効果的に用いられている。低弦のゴンゴンとしたアクセント、粒立っているとはおかしい表現だが、そう表したくなるティンパニ。非常にダイナミックで鮮烈な演奏で、この作品を「オーケストラサウンドのスペクタクル」として聴かせようとしているのではないかと思えるくらいの、音の描写のくどいまでの色濃さや、カラヤン節が炸裂する豪壮な「スケルツォ」などオーケストラサウンドに圧倒されてしまう。ベルリン・フィルの圧倒的な能力を最大限引き出した、重厚にして流麗な文句のつけようがない見事なもの。記憶に残るカラヤンのイメージが最も具現化された演奏だ。  カラヤンはブルックナー交響曲の全集録音をグラモフォンで1960年代、70年代、80年代にわたり行っていますが、本盤はカラヤンとベルリン・フィルの黄金時代の録音として、1970年代半ばに収録された評価の高い強烈な演奏です。アナログ時代末期のドイツ・グラモフォン・サウンドで全体の響きと個々の楽器の定位感のバランスがよくEMI録音より少ないマルチ・マイクの成果か、フィルハーモニーの長いホールトーンも適度に入り心地よい。そのあきれるばかりのブリリアント・サウンドには、やはり抗いがたい魅力があります。  カラヤンの録音で一番充実しているのは1970年代後半から80年代前半の録音。再録音の多いチャイコフスキー、ドヴォルザーク、ベートーヴェンと1970年代の演奏は緊張感が違うと思う。朴訥なブルックナーでさえイメージを覆すようなアプローチで、それでいてブルックナー演奏としての説得力にも欠けていない。  とにかく録音も演奏も、ダイナミック・レンジが非常に大きい。弱音部では繊細きわまりない音楽を作り出し、強奏部分では怒濤の迫力で押してくる。その較差、落差と云ってもいいのかな、これが他の指揮者ではなかなか見られないカラヤンの美学、意にそぐわない曲は他の指揮者がこぞって取り上げていようといないと取り上げない、自分の信じる流儀を貫いたカラヤン流の演出だ。  当然カラヤンの手兵、ベルリン・フィルの迫力も頂点に達している。個々の楽器が当然のように巧いし、全体がよく揃っている。磨き抜かれた流麗な響きで聴き手に迫ってくる。  このレコーディングセッションは1975年4月19~20日にベルリンのフィルハーモニーホールでの演奏会で同曲を演奏した後に、引き続き行われた。通常はカラヤンのレコーディングは演奏会の前にリハーサルとレコーディングを兼ねる形で行われることがほとんどだ。だが、演奏会を意識して完成度を高めようとするリハーサルを兼ねたレコーディングの必要を失っている、演奏会の後でのレコーディングなると、演奏会での演奏効果の磨き上げに縛られずに異なるコンセプトによる演奏を録音することが可能になる。だからかこの演奏は、作品に対する真摯な演奏姿勢であるとか、リスペクトであるとかいった面は希薄だが、カラヤンとベルリン・フィルによる秀逸な録音遺産の1つといっていい。  この作品をあくまでもドイツ・ロマン派シンフォニーの傑作として捉えたアプローチと、ベルリン・フィルの重厚華麗なサウンドが相まったその聴き応えには、脱帽するほかありません。  他の指揮者に比べて売れた枚数が圧倒的に多いためプレミアムこそ付かないものの、一家に一枚置いておくべきレコード。カラヤン&ベルリン・フィルが確立した「スタイル」を存分に発揮した、オーケストラ音楽とはこうあるべきというカラヤンの信念がビシビシ伝わってくるゴージャスきわまりない演奏です。 1975年4月21日ベルリン、フィルハーモニーでのステレオ・セッション録音。 通販レコード詳細・コンディション、価格 プロダクトBruckner - Herbert von Karajan, Berliner Philharmoniker - Symphonie No. 4 - Deutsche Grammophon – 2530 674レコード番号2530 674作曲家アントン・ブルックナーオーケストラベルリン・フィルハーモニー管弦楽団指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤン録音種別STEREOBLUE LINE, STEREO 1枚組(120g), Release 1976。 販売レコードのカバー、レーベル写真 コンディションジャケット状態M-レコード状態M-製盤国FR(フランス)盤《ブルーラインレーベル》黄色地に黒文字、外周が青の二重線で囲まれたものです。通称、BLUE LINEと呼ばれています。2530 etc. で始まります。このラベルにも2種類あり、最初の頃のものはラベル周囲の文字が詰めて印字( GY8 )してあり、後期のものは文字間隔が空けて( GY9 )印字されています。通販レコード詳細の確認、特別価格での購入手続きは品番のリンクから行えます。  オーダーは 品番 / 34-12125 特別価格 1,870円(税込) 通常価格 2,420円(税込) (さらに…)...
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