廉価レーベルの中古盤としては高額盤ですが◉ オークレール、ヴェス指揮オーストリア響 チャイコフスキー・ヴァイオリン協奏曲

廉価レーベルの中古盤としては高額盤ですが◉ オークレール、ヴェス指揮オーストリア響 チャイコフスキー・ヴァイオリン協奏曲

優美さと〝粋〟の極意 ― 耳をくすぐるような魅惑的な演奏 ジャック・ティボーの寵愛も受けたミシェル・オークレールは1951年のアメリカ・ツアー、1958年にはソ連のツアーなどで成功を収めたのを頂点に世界中から引っ張りだこになりましたが、早々に寿引退してしまいます。なんとも潔いことだろう。その頃の録音は随分と力のこもった ― 楚々としたしなやかさの中に、得も言われぬ風情と香気を感じさせる、フランスの精髄を体現すると評された師ティボーの芸風にも通じるところから ― 『女ティボー』と言われた通りの凄演だった。  入手しやすいのはフィリップス傘下のフォンタナ・レーベルに録音した一連のヴァイオリン協奏曲集で『モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第4番と第5番』はよく聴かれているが、ここでのアピールに『女ティボー』と言われた云々はそぐわない。彼女の音楽の変化を聴いていないような評価は、しいてはティボーの音楽の誤解を誘引しやすい事態を招いている。彼女の経歴を一見するだけで、それは覗える。 通販レコードのご案内《米ブルーラベル Masterseal 盤》US MASTERSEAL MSLP5002 ミシェル・オークレール クルト・ヴェス ウィーン交響楽団(オーストリア交響楽団) チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 1945年ロン・ティボーコンクール、ぶっちぎりの優勝かつ大賞を、弱冠20歳そこそこで獲得したことから、ジャック・ティボーの後継者と呼ばれている天才少女ミシェル・オークレール。30歳前後で引退したと云うから、残された録音は少ないと推察。本盤もその残された貴重な記録の一枚。流れもスムーズでウィットに富んでおり、フランスの粋を味わえる演奏となっていた。フランスに憧れていたチャイコフスキーも納得するのでは・・・。しかしフランス風のセンスだけでなく、ティボー譲りの魂の叫びが直接聞こえてくる。ヴァイオリンは時に悲鳴を上げるほど激しく泣き叫ぶ。モノラル録音。 販売レコードのカバー、レーベル写真BLUE WITH SILVER LETTERING, MONO 1枚組(120g)。 『女ティボー』を引き合いに出せるのは、レミントン盤だ。 ミシェル・オークレール (Michèle Auclair, 1924-2005) は、パリ音楽院でジュール・ブシューリの薫陶を受けたフランスのヴァイオリニスト。1924年の生まれ、1943年のロン=ティボー国際音楽コンクールのヴァイオリン部門の覇者である。ジャック・ティボーの寵愛も受け、ティボーの推薦でロシア人ヴァイオリン教師のボリス・カメンスキーにロシア流のテクニックを教わります。また1949年にはアメリカに留学してドイツ出身の名教師だったテオドール&アリス・バシュカス夫妻のレッスンも受けていました。  フランス、ロシア、アメリカの流儀を身に着けていったオークレールはコンクール歴も業績として上手く活用できたヴァイオリニストでした。1943年にロン=ティボー音楽コンクールで第1位を獲得した時には、記念レコードとしてティボーの指揮でヨーゼフ・ハイドンのヴァイオリン協奏曲ハ長調を録音。その後1945年のジュネーヴ国際音楽コンクールで第1位を獲り、まずはフランスを代表する新進気鋭のヴァイオリニストとしての名声を確実なものにしています。このジュネーヴ国際音楽コンクールは審査員の裁定如何では第一位を平気で空席にしてしまうコンクールだけにオークレールの優勝はヨーロッパ楽壇に、その名を轟かせるに十分なものでした。  演奏家としての現役時代に J.S. バッハから同時代の作品まで幅広くこなしていたオークレールは、そこそこの数の録音を残していますが、左手の故障を理由に演奏活動を停止してしまいます。1960年代半ばに作曲家のアントワーヌ・デュアメルと結婚したのが理由ですが、その清さ。彼女の活躍はヨーロッパ楽壇にその名を轟かせるに十分なものではありましたが、美貌や話題性での出逢いではなく自己表現の音楽として彼女の内包するものを受け入れた作曲家のアントワーヌ・デュアメルとの結婚を得て、それまでのジャック・ティボーからその才能を愛でられ一部のファンから呼ばれた「女ティボー」の渾名は必要なくなったのだ。  演奏活動から身を引いた後は母校であるパリ音楽院の教授に収まり、世界各国に出かけて教育活動に専念していました。1977年には来日してマスター・クラスを開いています。亡くなったのは2005年と最近のことです。  この『チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲』は、世界を股にかけて人気ヴァイオリニストとしての名声を謳歌していた頃、アメリカのレミントン・レーベルに録音したもの。討ち死に覚悟でオーケストラに挑むような気迫が漲っています。思わず情緒的に走ってしまうのが女流奏者の予想できないところで気の許せないところですが、レコードで聴くことが出来ないので想像するしか無いですが普段のオークレールの演奏は演奏活動から手を引くほんの少し前の録音での、ロベルト・ヴァーグナー指揮するインスブルック交響楽団との演奏に聴くような堅牢な耳をくすぐるような魅惑的な、力の抜き加減を計算したものではなかったか。2009年公開のフランス映画『オーケストラ!』(原題: Le Concert)を思わせる光景が本盤で遭遇できる。  昔から名盤の誉れ高い盤で70年代には廉価盤で出ていたが、それでもLP初期盤などはプレミア価格必須の盤。 Masterseal は N.Y. に本拠を置くレーベルで、ジャケット裏の他カタログを見るとポピュラー・オーケストラ/ボーカルものからイージー・リスニング、クラッシックまでの10インチ盤を $1.49 で出している廉価盤レーベル。本盤のリリース・クレジットは1957年。  クルト・ヴェスの指揮するオーストリア交響楽団は、某オーケストラの偽名。レコード会社との専属契約の都合で本名を伏せている。クルト・ヴェスは日本人には馴染みが深い。ワインガルトナーに指揮を学び、1951年から1954年までNHK交響楽団の首席指揮者を務め、リヒャルト・シュトラウスの家庭交響曲などの日本初演を行った。ヴェスのレパートリーは独墺系楽曲であったが、その中でも一番聴衆に喜ばれたのがウィンナワルツの演奏であった。ウィーンの情緒を漂わせて序奏が演奏されるが、リハーサルとは豹変したのかオークレールはティボー譲りの奏法で切り込んでくる。まさに一閃、オーケストラが次第に変わっていく。常套的な序奏だが、それすらも退屈に聴こえてしまうほど、聞き終える時には才気が充満している。 通販レコード詳細・コンディション、価格レミントンがオリジナルとなる、オークレールの有名な録音。(これがメジャーデビュー盤か?)未だ20歳代のオークレールの漲る気迫と甘美な音色が見事に捉えられた優秀録音盤。2面にやや歪みが感じられるのが減点となるため、格安でご提供します。US Masterseal MSLP5002 – Michèle Auclair, Kurt Wess, Austrian Symphony Orchestra - TCHAIKOVSKY ‎– Violin Concerto, G-majorプロダクト品番34-27447レコード番号MSLP5002作曲家ピョートル・チャイコフスキー演奏者ミシェル・オークレールオーケストラウィーン交響楽団(オーストリア交響楽団)指揮者クルト・ヴェス録音種別MONO コンディションジャケット状態EX-レコード状態EX製盤国US(アメリカ合衆国)盤通販レコード品番34-27447販売価格¥5,500(税込) 詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。 https://recordsound.jp/analogsound/index.php?mode=detail&gid=27447 「クレジットカード決済」「銀行振込」「代金引換」に対応しております。 (さらに…)...
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奇跡の証明★バルビローリ指揮ニュー・フィルハーモニア、ベイカー マーラー・交響曲第5番、リュッケルトの詩による5つの歌曲

奇跡の証明★バルビローリ指揮ニュー・フィルハーモニア、ベイカー マーラー・交響曲第5番、リュッケルトの詩による5つの歌曲

通販レコードのご案内ジョンの深い読みの解釈がベルリン・フィルの団員を感動させ、一人の指揮者の音楽に対する共感がオーケストラという人間の集団を魔法に包んだ超一流芸術家の貴重な遺産。《英初期カラー・スタンプ・ドッグ盤[オリジナル]》GB EMI ASD2518-9 バルビローリ マーラー・交響曲5番/リュッケルト歌曲集 バルビローリにはベルリン・フィルの団員から請われて録音したマーラーの第九があります。バルビローリが振るマーラーは、一級のオーディオファイル盤として通用する優秀録音。バルビローリの演奏は情感豊かな演奏とよく言われますが、マーラーに関しては客観的な楽曲の構築と正確なテンポ設定に裏づけされた演奏だと思います。そしてまた、一人の指揮者の音楽に対する共感が、オーケストラという人間の集団を魔法に包んだ奇跡の証明とも思っています。  ジョンの深い読みの解釈がベルリンフィルの団員を感動させたとも聞いています。長生きしてマーラー全曲完結してほしかった。バルビローリ最晩年の、数少ないマーラーの正規スタジオ録音。人気のマーラー5番の中でも屈指の名演として知られる一枚。同じく名盤として知られるバーンスタンのような劇的なドラマとは対照的ながら、じっくりとマーラーの耽美的な旋律の美しさを堪能できる、感動的な名演です。リュッケルト歌曲集もベーカーの名唱が素晴らしい名演です。  初期カラー切手オリジナル盤としてはコンディションも上々です。 詳細掲載ページ プロダクト品番34-24170レコード番号ASD2518-9作曲家グスタフ・マーラー演奏家ジャネット・ベイカーオーケストラニュー・フィルハーモニア管弦楽団指揮家ジョン・バルビローリ録音種別STEREO1969年、ステレオ録音。優秀録音、名演、名盤、リーフレット付属。 販売レコードのカバー、レーベル写真 EARLY COLOR STAMP DOG ORIGINAL, STEREO 2枚組 (140g/120g), Release 1969, Stamper 2/2 3G/6G。 コンディション ジャケット状態M-レコード状態EX++製盤国GB(イギリス)盤 《カラー切手ドッグ》 赤の地にセミサークルラベルの上半分の半円の中に描かれていた蓄音機とニッパー君の絵の部分が四角い縁取りで囲まれ、ちょうど切手(スタンプ)のように見えるためです。ASD2470 あたりから 2750 あたりまではカラー・ニッパーがオリジナルで、これ以降はモノクロのニッパーが初版ということになる。盤自体のクオリティがとても高く、ばらつきも少なく優秀なプレス技術といえます。通販レコード詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。オーダー番号34-24170販売価格14,300円(税込) (さらに…)...
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オーディオファイル イギリス・デッカのステレオ録音最初期の優秀録音・名盤3撰 ショルティ、ライナー、ヤナーチェクSQ

オーディオファイル イギリス・デッカのステレオ録音最初期の優秀録音・名盤3撰 ショルティ、ライナー、ヤナーチェクSQ

デッカのステレオ録音最初期の優秀録音・名盤です。通販レコードのご案内GB DECCA ECS703 ショルティ/パリ音楽院管弦楽団 イスラエル・フィル チャイコフスキー 交響曲第2番「小ロシア」 デュカス:魔法使いの弟子「リング」でその名前が一躍グローバルになる直前、1950年代のショルティを代表する名演。ショルティとカルーショーの結びつきは、一般にはワーグナー「ニーベルングの指輪」全曲録音の偉業を成し遂げた二人、という側面でよく知られている。だが実際にはそれだけではなく、カルーショーはショルティについて『ヴィクター・オロフとの最初の一枚以外は、何か理由があったり多忙だったりしたときを除いて、すべて私が彼と一緒に仕事をしていた』と述べている。以後、デッカ時代におけるショルティとの最後の仕事とされるヴェルディ「レクイエム」を制作した1967年10月まで、カルーショーとショルティの長い関係が続いた。  1950年代にデッカはパリ音楽院管とよく仕事をしており、モントゥー、マルティノン、ヴォルフらがフランスものやロシアもののレパートリーを録音していた。「小ロシア」の録音はパリのラ・メゾン・ド・ラ・ミュテュアリテで響きは多くなく直接音が入っている。同時期に5番も録音されている。ショルティがこの曲を録音しようとした時、リハーサルと本番で主席奏者が入れ替わったり、兵役で4人の奏者が交代したりとトラブルはあったが、この時期ならではの若々しいショルティの息吹がグイグイと伝わって来る快演です。「小ロシア」は、チャイコフスキーの後期交響曲以外ではよく録音されていた。  チャイコフスキーの生きた19世紀は民族主義運動の勃興の時代。オーストリアの音楽家が毎年訪れていた音楽界、我が国ロシアこそと、音楽芸術の世界では民族主義的な音楽が持て囃されていたのでした。若いチャイコフスキーが数々のウクライナ民謡を単に引用するのではなく、交響曲の骨子となる全曲の主題として採用したことに、これからの音楽のあり方を模索していた五人組の新進作曲家たち ― バラキレフ、ボロディンやリムスキー=コルサコフなども絶賛した、この交響曲第2番は、作曲家ではなく当時活躍していた評論家によって「小ロシア」というニックネームが与えられている。大変にウクライナ色の強い交響曲ということで「小ロシア」というタイトルなのですが、ウクライナ国に対する蔑称的色合いがあるとのことで近時は「ウクライナ」と記載することが多くなっている。  この曲の文脈においては、「小ロシア」という言葉には、純粋にロシアの親戚のような国という意味でしかありません。有名な後期三大交響曲に知名度においては遠く及びませんが、西欧音楽理論の粋である、優れた管弦楽法をマスターしていた作曲家チャイコフスキーの交響曲、両端楽章にあらわれるロシア臭たっぷりのメロディーに惹かれる。管楽器が大活躍の耳へのご馳走様。メロディたっぷりの楽しい音楽。ウクライナ系3代目ロシア人チャイコフスキーの作曲。三つの実在のウクライナ民謡が取り込まれている、全曲に祖父の国への親愛の情に溢れています。全曲民謡風の親しみやすい歌えるメロディの宝庫なのです。フィナーレはウクライナ民謡「鶴」を主題として展開してゆく大いなる交響楽章。金管楽器の派手な響きや管楽器の妙などが曲を支配していて、いわゆる深みがない分だけ、純粋な音楽的愉悦を味わえる音楽です。ショルティ盤では他では絶対に聴けないような歌い回しに酔いしれました。英国デッカ社では、この時期、ショルティと関係良好だったウィーン・フィルと後世に語り継がれるオペラを、ウィーンのソフィエンザール(カルーショーがお気に入りだったリング収録場所)で次々と録音している。その一方でその録音セッション合い間に英国のオーディオファイルに向けて、ロンドン響やイスラエル・フィルと有名管弦楽曲の録音も目論んでいた。1957年にデッカはイスラエル・フィルとの録音を開始し、その最初がショルティ指揮のセッションだった。テル・アヴィヴから車で45分もかかるリション・ル・ジオン村にある映画館で録音された。ショルティの指揮する曲は概して大胆さや迫力で押し切る傾向が有りますが、何故かイスラエル・フィルを振るとそこに丁寧さとかつ美しいが加わるから不思議です。例えれば、怒濤のような旋律の中で、ぱっと花が咲くように美しいメロディーが流れる。この点にかけては、ショルティは見逃さず見事に再現している。言い換えればダイナミックレンジが広いとでもいえましょうか、ジョン・カルーショーの意図したものが再現されていると言ってもよいかも知れません。オーダーはリンク先の詳細掲載ページで 希少なED1オリジナルです。通販レコードのご案内GB DECCA SXL6093 ヤナーチェク四重奏団 ハイドン:弦楽四重奏曲集「冗談」「セレナード」「五度」弦楽大国のチェコにおいてスメタナ四重奏団と並び立つ、名門ヤナーチェク弦楽四重奏団の高名なデッカ録音盤。チェロの胴鳴りの美しい響きに乗ってゆったりとヴァイオリンがメロディーを乗せていきます。演奏は一級品ですが、なによりその響きが素晴らしい。タイトでダイレクトな響き。主旋律ではないパートの音色の多彩さまでしっかりと伝わるので響きが実に豊かに聴こえます。結果は演奏の印象にも現れ、曲の構成はより緊密となり、骨格ががっしりとした演奏により迫力も素晴らしいものに引き立てています。演奏はどちらかといえばオーソドックスなものですが、音楽は豊か。4人が織り上げる響きの美しさがLP独特のダイレクトな響きによって際立ちます。ビニールの円盤に溝を刻んだだけのLPから、このように迫力あふれる響きが聴かれる。心に刺さる響きが聴かれる。物理特性などではデジタル録音は、LP時代とは段違いのものが実現されていますが、演奏者とエンジニアがコミュニケーションを取ってより良くしようと試行錯誤を尽くしたことで、音楽の完成度はLP時代の方が高かったのではないかと思わざるを得ません。オーダーはリンク先の詳細掲載ページで 一発取りをしたとしか思えない怒濤の極み通販レコードのご案内GB LONDON STS15009 ライナー/ウィーン・フィル ブラームス ハンガリー舞曲/ドヴォルザーク スラブ舞曲1954年は、まだステレオは実験段階だったと思うが、当時の先進企業米国RCAは、いち早くステレオ技術を取り入れ、見事な録音を行っていたのである。其の代表作が、偉大なRCAステレオ録音第一号盤、LSC1806の「ツァラトゥストラはかく語りき」だったのではなかろうか。その成功を強かな英デッカ社が静観している訳がありません。戦後の混乱に乗じてウィーン・フィルの版権を格安で入手したデッカ社は、当時のステレオ再生技術で最先端を行く米RCA社に業務提携申し入れた。斯くして実現したRCAの看板指揮者フリッツ・ライナーと自社のウィーン・フィルとの偉大な融合が本盤。ライナーは、RCAにシカゴ交響楽団との多くの名録音を残しましたが、それ以外のオーケストラとの録音をデッカにも残しました。ウィーン・フィルとの集中度の高いこの名演奏は、カルショウのプロデュースにより見事な音響でブラームスは1956年9月、ドヴォルザークは1960年6月いずれも録音場所:ウィーン、ゾフィエンザール。RCAの看板指揮者フリッツ・ライナーと自社のウィーン・フィルとの偉大な融合が本盤。ウィーンでのセッションですから、カルーショー中心にデッカチームが担当。生の音とはやや趣を異にするとはいえ、FFSSにさらにRCAの先端技術が加わりさらに磨きがかかりすごい。本盤も、ソフィエンザールでのスタジオ録音とはとても思えない熱気を孕んでいる。一発取りをしたとしか思えない怒濤の極みです。制作陣は、デッカのエリック・スミスとジェームス・ブラウン。オーダーはリンク先の詳細掲載ページで (さらに…)...
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♪のびやかな〝うた〟が魅力的 フルニエ&セル&ベルリン・フィル ドヴォルザーク・チェロ協奏曲

♪のびやかな〝うた〟が魅力的 フルニエ&セル&ベルリン・フィル ドヴォルザーク・チェロ協奏曲

ピエール・フルニエが米 CBS に録音する見返りにジョージ・セルがベルリン・フィルを振ることで成立した唯一のセッション。その演奏スタイルとノーブルな容姿から〝貴公子〟と謳われたフランスのチェリスト、フルニエ2度目となるドヴォルザークの代表的な録音。フランスの名チェリストであったフルニエがセルの指揮するベルリン・フィルハーモニーをバックに、1960年代初頭に録音した名盤の誉れ高いドヴォルザークのチェロ協奏曲。この協奏曲に内在する郷愁や憧憬を雄大なスケールで、しかも詩情豊かに表現した名演です。 通販レコードのご案内《RESONANCE》DE DGG 2535 106 フルニエ&セル ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ヴィンテージLPの人気盤となるとカザルス、ジャクリーヌ・デュ・プレ、ロストロポーヴィチを指折れるドヴォルザークのチェロ協奏曲。独奏のチェロとオーケストラとががっぷり四つに組んでぶつかり合う感じではなく、オーケストラとチェロとが室内楽みたいに掛け合いながら、のびのびと旋律を奏で、歌い上げていく雰囲気がフルニエ盤の魅力。フルニエのチェロのカンタービレな歌いぶりもいいし、ベルリン・フィルの管楽器群、殊にフルートやクラリネット、オーボエといった木管楽器の演奏が聴きどころ。歌わせるところではゆったりとメロディーを歌わせ、締めるべきところではぴしっと締めてアンサンブルを整えるマエストロ・セルの熟練の棒さばきの見事さ。これは、セルの下、フルニエとベルリン・フィルがドヴォルザークの歌をのびやかに歌い上げてゆく、そこに一番の趣と味わいがある演奏です。1962年6月ベルリン録音。録音は、ベルリン郊外のダーレム地区にあるイエス・キリスト教会で行なわれました。1950年代初頭から1972年までベルリン・フィルの録音がほぼ独占的に行なわれていたこの教会は、深みのある豊かな響きが特徴ですが、アナログ時代のドイツグラモフォンの名エンジニア、ギュンター・ヘルマンスは、その中でチェロ独奏を美しく明晰に際立たせつつ、その背後に大きく広がるオーケストラのソノリティを余すところなく録音に収めています。 販売レコードのカバー、レーベル写真BLUE LINE, STEREO 1枚組(110g), Release 1975。 通販レコード詳細・コンディション、価格土臭さ満載のこの協奏曲から、これほどまでに温かくノーブルで、しかも繊細な響きを引き出しているのは、まさにフルニエならではの至芸といえるでしょう。この協奏曲は、フルニエにとって愛奏曲の一つであり、そのフルニエのドイツグラモフォン時代の録音の中でも殊更評価が高く、ステレオLP時代を通じて、ロストロポーヴィチ/カラヤン盤(ドイツグラモフォン)と並び最高の名演とされていた1961年録音の歴史的名盤です(フランスADFディスク大賞、ドイツ・レコード批評家賞受賞)。これは1975年に再販プレスされたもの。プロダクト品番34-27348レコード番号2535 106作曲家アントニン・ドヴォルザーク演奏者ピエール・フルニエオーケストラベルリン・フィハーモニー管弦楽団指揮者ジョージ・セル録音種別STEREO コンディションジャケット状態M-レコード状態M-製盤国DE(ドイツ)盤通販レコード品番34-27348販売価格¥4,400(税込) 詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。 https://recordsound.jp/analogsound/index.php?mode=detail&gid=27348 「クレジットカード決済」「銀行振込」「代金引換」に対応しております。 (さらに…)...
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♪のびやかな〝うた〟が魅力的 フルニエ&セル&ベルリン・フィル ドヴォルザーク・チェロ協奏曲

♪のびやかな〝うた〟が魅力的 フルニエ&セル&ベルリン・フィル ドヴォルザーク・チェロ協奏曲

ピエール・フルニエが米 CBS に録音する見返りにジョージ・セルがベルリン・フィルを振ることで成立した唯一のセッション。その演奏スタイルとノーブルな容姿から〝貴公子〟と謳われたフランスのチェリスト、フルニエ2度目となるドヴォルザークの代表的な録音。フランスの名チェリストであったフルニエがセルの指揮するベルリン・フィルハーモニーをバックに、1960年代初頭に録音した名盤の誉れ高いドヴォルザークのチェロ協奏曲。この協奏曲に内在する郷愁や憧憬を雄大なスケールで、しかも詩情豊かに表現した名演です。 通販レコードのご案内《RESONANCE》DE DGG 2535 106 フルニエ&セル ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ヴィンテージLPの人気盤となるとカザルス、ジャクリーヌ・デュ・プレ、ロストロポーヴィチを指折れるドヴォルザークのチェロ協奏曲。独奏のチェロとオーケストラとががっぷり四つに組んでぶつかり合う感じではなく、オーケストラとチェロとが室内楽みたいに掛け合いながら、のびのびと旋律を奏で、歌い上げていく雰囲気がフルニエ盤の魅力。フルニエのチェロのカンタービレな歌いぶりもいいし、ベルリン・フィルの管楽器群、殊にフルートやクラリネット、オーボエといった木管楽器の演奏が聴きどころ。歌わせるところではゆったりとメロディーを歌わせ、締めるべきところではぴしっと締めてアンサンブルを整えるマエストロ・セルの熟練の棒さばきの見事さ。これは、セルの下、フルニエとベルリン・フィルがドヴォルザークの歌をのびやかに歌い上げてゆく、そこに一番の趣と味わいがある演奏です。1962年6月ベルリン録音。録音は、ベルリン郊外のダーレム地区にあるイエス・キリスト教会で行なわれました。1950年代初頭から1972年までベルリン・フィルの録音がほぼ独占的に行なわれていたこの教会は、深みのある豊かな響きが特徴ですが、アナログ時代のドイツグラモフォンの名エンジニア、ギュンター・ヘルマンスは、その中でチェロ独奏を美しく明晰に際立たせつつ、その背後に大きく広がるオーケストラのソノリティを余すところなく録音に収めています。 販売レコードのカバー、レーベル写真BLUE LINE, STEREO 1枚組(110g), Release 1975。 通販レコード詳細・コンディション、価格土臭さ満載のこの協奏曲から、これほどまでに温かくノーブルで、しかも繊細な響きを引き出しているのは、まさにフルニエならではの至芸といえるでしょう。この協奏曲は、フルニエにとって愛奏曲の一つであり、そのフルニエのドイツグラモフォン時代の録音の中でも殊更評価が高く、ステレオLP時代を通じて、ロストロポーヴィチ/カラヤン盤(ドイツグラモフォン)と並び最高の名演とされていた1961年録音の歴史的名盤です(フランスADFディスク大賞、ドイツ・レコード批評家賞受賞)。これは1975年に再販プレスされたもの。プロダクト品番34-27348レコード番号2535 106作曲家アントニン・ドヴォルザーク演奏者ピエール・フルニエオーケストラベルリン・フィハーモニー管弦楽団指揮者ジョージ・セル録音種別STEREO コンディションジャケット状態M-レコード状態M-製盤国DE(ドイツ)盤通販レコード品番34-27348販売価格¥4,400(税込) 詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。 https://recordsound.jp/analogsound/index.php?mode=detail&gid=27348 「クレジットカード決済」「銀行振込」「代金引換」に対応しております。 (さらに…)...
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聴きながら眠ろうと考えたのが過ちだった◉ユーディ・メニューイン○バッハ・無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ全曲

聴きながら眠ろうと考えたのが過ちだった◉ユーディ・メニューイン○バッハ・無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ全曲

弦の一本一本が見えると言えばちょっと大げさですが、それぐらいの優秀録音という事です。思わず真剣に聴いてしまったほどの、やはりすごい音楽、そして演奏なのだということを再認識させられてしまった。《音質良好》FR VSM 2C167-02710-2 メニューイン バッハ・ヴァイオリン無伴奏全曲 メニューインは戦後同世代のハイフェッツらと共にヴァイオリニストとして名声の頂点をきわめる。その証左として膨大な音源が英 EMI に録音された。  黎明期の英 EMI のヴァイオリンモノは必ずと言っていいほど、この英国に帰化してサーと男爵の称号を得たメニューインが登場する。本盤もメニューインの松脂が飛び散っています。地味だが、なかなかの好演。やや固い締まった響きで、音楽の運びはオーソドックスだが独特のバランス感覚を持ち合わせた演奏です。  また、メニューインはヨガや菜食主義を実践し、健康管理を怠らず壮年期になるまでソリストとしての活動に取り組んだ強い精神が本盤でも随所に聴けます。  メニューインの初期盤は、余りにも発売枚数が多すぎて、中古レコードの世界では、優れた演奏に対して 低い評価(価格が安い)がなされているが、この“無伴奏”だけは別格。通販レコード詳細・コンディション、価格プロダクト品番34-11767レコード番号2C167-02710-2作曲家ヨハン・ゼバスティアン・バッハ演奏者ユーディ・メニューイン録音種別STEREOコンディションジャケット状態EXレコード状態M-製盤国FR(フランス)盤1976年発売。COLOR STAMP DOG, STEREO 3枚組(150g/125g/145g)。 録音:1973年3月〜1975年7月。 販売レコードのカバー、レーベル写真 通販レコード 品番 34-11767 特別価格 8,800 円(税込) 通常価格 11,000 円 詳細の確認、特別価格での購入手続きは品番のリンクから行えます。「クレジットカード決済」「銀行振込」「代金引換」に対応しております。 (さらに…)...
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首尾一貫した緊張感◉オイストラフ、ロストロポーヴィチ、セル&クリーヴランド管◯ブラームス・ヴァイオリン協奏曲&二重協奏曲

首尾一貫した緊張感◉オイストラフ、ロストロポーヴィチ、セル&クリーヴランド管◯ブラームス・ヴァイオリン協奏曲&二重協奏曲

通販レコードのご案内 一ヶ所として弛緩した所の無い知・情・意の三拍子が揃った大名演。《英初期カラー・スタンプ・ドッグ盤オリジナル》GB EMI ASD2525-2526 オイストラフ、ロストロポーヴィッチ&セル ブラームス・ヴァイオリン協奏曲&二重協奏曲 無味乾燥したセルの純音楽的な名演です。そしてこの緊張感、音楽の推進力は素晴らしく、オーケストラ全体の録音もガッチリとしています。今後も二度と同じような演奏は出てこない永遠の普遍価値有盤。  わたしが好きなブラームスのリリシズムは後退していますが、彼の音楽が構造物として強固に構成されていることを証言してみせたジョージ・セル、ダヴィッド・オイストラフの両者にとって最晩年の代表盤にも数えられる演奏。ロストロポーヴィチの渾身のチェロ演奏は、我々聴き手の肺腑を打つのに十分な圧巻の迫力を誇っていると言えるところであり、ブラームスの最晩年の傑作に込められた枯淡の境地とも言うべき奥行きのある情感を徹底して抉り出すのに成功したと言っても過言ではあるまい。ブラームスのダブル協奏曲の様々な演奏に冠絶する至高の超名演と高く評価したい。ブラームスにシックスパックがあるような姿です。  オイストラフのヴァイオリン演奏も、ロストロポーヴィチのチェロ演奏にいささかも引けを取っていない凄みのあるものと言えるところであり、この両者による重厚にして力感溢れる演奏は、切れば血が噴き出てくるような圧倒的な生命力に満ち溢れていると言える。 この両雄による圧倒的な演奏を立派に下支えしているのが、セル&クリーヴランド管弦楽団による至高の名演奏。セル&クリーヴランド管弦楽団による全盛期の演奏は、鉄壁なアンサンブルを誇っている。 (さらに…)...
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♪鋭利で完璧なテクニック♭クールな感覚 コーガン、コンドラシン指揮モスクワ・フィル ブラームス・ヴァイオリン協奏曲

♪鋭利で完璧なテクニック♭クールな感覚 コーガン、コンドラシン指揮モスクワ・フィル ブラームス・ヴァイオリン協奏曲

 ブラームスの音楽は秋か、冬かと「きらクラ」等で話題にされているが、秋の寂しさ、色づく街並み…そういったブラームスとは少し違うが、これも、ブラームスだと断言できる演奏があった。  旧ソ連出身のソリスト、指揮者、そして楽団によるブラームスの演奏には、当時のソ連の政治情勢など絡まり、時として異常な情景さえ浮かびでてくる。何か得たいの知れない叫びのような、そして、それは決して大騒ぎでないように抑えているような。このような演奏も、また「ブラームス」の音楽が内面に秘めている幸福感というものである。 姿勢の良さ、端正な仕上げ、演奏の潔癖さとして聴き手に伝わってくる、男性的な演奏だ。通販レコードのご案内《新世界レコード 160㌘重量盤》JP Victor SMK7549 コーガン&コンドラシン モスクワ・フィル ブラームス・ヴァイオリン協奏曲第一級のオーディオファイル盤。オイストラフと比肩して並び称されるロシアの名手コーガン。58歳の若さで亡くなったこともあり、不幸にもけっして録音に恵まれていたといえないコーガンは、メジャーに数多くの録音を残したオイストラフに比べるとあまりにも対照的。そのコーガンが英コロムビア社に残してくれたベートーヴェンと並び称される貴重な録音。1968年、コーガン3度目のブラームス録音で、非常に高い完成度で知られる名演・名盤。 序奏から厳かな始まり方をするのだが、それ以後は、短調ではあるが悲愴な感じはなく、どちらかというと楽天的な性格のオーケストラ。オーボエなどアッケラカンとして、あまり思い入れなどはない。大変力強く、豪快で迫力満点でグイグイ進んでゆく。ソロが始まると、空気が一変。まさに「一閃」とでも言うべきか。研ぎ澄まされた鋭利な刃物が閃くようにソロが入ってくると鳥肌が立つ。  演奏の技術・精度が高く、大編成のオーケストラと堂々と渡り合う力量を誇示しつつ、オーケストラの面々を睥睨するようなコーガンのヴァイオリンは、ピンと筋の通った演奏。高音の持続音が特に美しい。細身で、冴え冴えとして、輝かしい音色。どこまでも伸びてゆく高音から、キラキラと燦めきがこぼれ落ちてくる感じで、ため息が出るほどの美音。  冷ややかな感じがするほど清冽で透明な音色と強烈な集中力、完璧なイントネーションとボーイング・テクニック。コーガンは流石!と思わせるブラームスでコンドラシンとの息もぴったりです。現代のヴァイオリニストにも通じる完璧なまでのテクニックと、コーガンでしか表現することのできない豊かなヴィブラートを堪能できます。  現代のヴァイオリニストにも通じる完璧なまでのコーガンのテクニックは、19世紀後半以後ロシア=アウアー楽派が成し遂げた極めつけの境地と言えるでしょう。通販レコード詳細・コンディション、価格Leonid Kogan, Moscow Philharmonic Symphony Orchestra , Conductor Kirill Kondrashin ‎– Johannes Brahms - Concerto For Violin And Orchestra In D Major, Op. 771968年8月モスクワ録音。優秀録音、名演。プロダクトレコード番号SMK7549作曲家ヨハネス・ブラームス演奏者レオニード・コーガンオーケストラモスクワ・フィルハーモニー管弦楽団指揮者キリル・コンドラシン録音種別STEREOSTEREO 1枚組 (160g) 重量盤, Stamper C01635-6 直輸入メタル使用盤。販売レコードのカバー、レーベル写真コンディションジャケット状態M-レコード状態EX++製盤国JP(日本)盤通販レコード詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。オーダー番号34-24445販売価格¥4,400(税込)「クレジットカード決済」「銀行振込」「代金引換」に対応しております。 (さらに…)...
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名曲名盤縁起 故郷への万感の思いを河の流れに託した名曲 スメタナ〜連作交響詩《我が祖国》より「モルダウ」

名曲名盤縁起 故郷への万感の思いを河の流れに託した名曲 スメタナ〜連作交響詩《我が祖国》より「モルダウ」

チェコ音楽の父スメタナ没 ― 1884年5月12日 大国の強権に脅かされてきた小国には、「英雄的」と評される音楽家が出現して、大きな役割を果たすことが多い。19世紀半ば以降の民族自立の風潮にあっては、ノルウェーにグリーグ、フィンランドにシベリウス、スペインにファリャなどが登場した。チェコの場合は、ベドルジハ・スメタナである。  スメタナの命日には、チェコ国民が今も最も愛する《我が祖国》を聴こう。題名からして愛国的な音楽は、スメタナが聴覚を全く失い、過去の栄光とはかけ離れた困窮生活を送っていた1879年に書かれた6曲からなる連作交響詩で、いずれもチェコの自然と人々を愛した彼が万感の思いを託した標題音楽の傑作である。第2次世界大戦後に、彼の命日に開始される「プラハの春音楽祭」では、その開幕を飾る栄誉を担っている。《モルダウ》は、その第2曲。ボヘミアを南北に流れるヴルタヴァ河(ドイツ語ではモルダウ)の流れゆく様が、周囲の風景とともに描かれる。実に見事な祖国賛歌だ。 ボヘミアの川よ モルダウよ 過ぎし日のごと 今もなお 水清く青き モルダウよ わが故郷を 流れ行く 若人さざめく その岸辺 緑濃き丘に 年ふりし 古城は 立ち 若き群れを 守りたり ボヘミアの川よ モルダウよ わが故郷を 流れ行く ボヘミアの川よ モルダウよ 過ぎし日のごと 今もなお 水清く青き モルダウよ わが故郷を 流れ行く 若人さざめく その岸辺 緑濃き丘に 年ふりし 古城は 立ち 若き群れを 守りたり やさしき流れ モルダウよ 光り満ち わが心にも 常に響き 永久(とわ)の平和を なれは歌(うと)う たたえよ 故郷の流れ モルダウ 日本でもよく歌われる雄大なふるさと賛歌 チェコの作曲家スメタナの連作交響詩「我が祖国』全6曲中の一曲。この連作交響詩では祖国の自然や風景、伝説が題材となっている。6曲中最も有名なのが、この交響詩《モルダウ》で、モルダウ川(ヴルタヴァ川)が源流から川幅を広げ大河となってプラハの街に流れ込む情景が、オーケストラによって巧みに表現されている。冒頭のフルートとクラリネットは、モルダウ川の2つの水源が合流する様子を描いている。これに続き雄大なモルダウの主題が現れる。  このメロディはもともと古い民謡から採られたといわれる。イスラエル国家「ハティクバ」はこの曲を素材としているし、日本では歌詞をつけて合唱曲としてもよく歌われる。さだまさしの『男は大きな河になれ』もこの曲に歌詞をつけた曲。(1874作曲) (さらに…)...
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名曲名盤縁起 ウィーン・フィルを誕生させたニコライの人気作 ニコライ〜歌劇《ウィンザーの陽気な女房たち》序曲

名曲名盤縁起 ウィーン・フィルを誕生させたニコライの人気作 ニコライ〜歌劇《ウィンザーの陽気な女房たち》序曲

ウィーン宮廷楽長ニコライの命日 ― 1849年5月11日 ドイツのロマン派オペラの歴史を飾る作曲家・指揮者オットー・ニコライが、39歳を前にベルリンで夭逝した日。職業音楽家の父の跡を継ぐように強制されたニコライは、16歳で放浪の旅に出る。23歳でローマに赴き、イタリア伝統の教会音楽やオペラの作曲法を身に付けた後、ウィーンの宮廷に仕える音楽家になり、31歳で宮廷楽長にまで上り詰める。その時、ニコライは現代の私たちに至福の喜びを与えてくれるものを組織した。ウィーン・フィルハーモニー協会、つまりウィーン・フィルを生み出してくれたのである。  作曲家ニコライの最高傑作が、亡くなる前年、シェイクスピアの戯曲を題材にして書いた歌劇《ウィンザーの陽気な女房たち》だ。ドイツ以外の国での上演は稀だが、その序曲はとても人気が高い。ロマン派オペラらしい優美な序奏の後、軽やかで流麗な2つの主題によって、いかにもイタリア風のブッファにふさわしい、活き活きとして爽快な音楽だ。 (さらに…)...
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