超絶技巧が良く解る◉2トラック録音 ハイフェッツ ライナー シカゴ交響楽団 ブラームス・ヴァイオリン協奏曲

超絶技巧が良く解る◉2トラック録音 ハイフェッツ ライナー シカゴ交響楽団 ブラームス・ヴァイオリン協奏曲

通販レコードのご案内オイストラフと双璧を成す名盤であり、歯切れのよさやアグレッシヴなテンションの高さは、オイストラフもかくやと言える出来だ。《米シェード・ドッグ盤》US RCA LM1903 ハイフェッツ&ライナー ブラームス・ヴァイオリン協奏曲 ハイフェッツの演奏の特異性については、完璧・精巧無比・人間の限界を極めた、など様々取り沙汰されているが情熱と厳格さが混淆していることを説明する最もよい例が、このライナー/シカゴ響をバックにしたハイフェッツが奏でるブラームスのヴァイオリン協奏曲。ピッチを正確に鳴らしているだけで、ぶっきら棒に聴こえてしまうのも致し方無い。しかし、一見速いだけの演奏から、細やかなニュアンスの妙が聴ける。胸のすくアッチェレランド、絶妙な間合い、なかんずくふとしたところに現れるポルタメントは迷いがなく、ハイフェッツが単なる技巧一辺倒では決してないことが分かるだろう。  ハイフェッツとライナー=シカゴ響の火花散る協奏曲。ハイフェッツとライナーはお互いに深い尊敬の念を抱いていたが、協奏曲の録音はブラームスとチャイコフスキーの2曲しか残されていません。ドイツ的な重厚さとは無縁のブラームス、アウアー門下としての本領が十二分に発揮されたチャイコフスキーと、いずれもハイフェッツにしか成し得ない個性的なヴィルトゥオジティを満喫でき、ライナー率いるシカゴ響の見事なアンサンブルが切れ味鋭いハイフェッツのソロを一層際立たせています。ブラームスはハイフェッツにとって2度目の録音にあたる。そして、このブラームスはコントラバスを右側に置く変則的なオーケストラ配置によっているのも特色です。  ステレオ最初期にハイフェッツが残したブラームス。1955年に録音され、ステレオ盤(LSC1903)も存在する高名な一枚。ハイフェッツらしく快速・明快なヴィルトゥオーゾぶりを見せつける名演奏。ライナー&シカゴ響もハイフェッツに合わせてか、重くなりすぎない爽やかな伴奏で見事なアンサンブル。「泣き」のあまり入らない、ブラームスとしてはやや異色の名演奏です。  シカゴ交響楽団と言えば、ゲオルク・ショルティの時代におけるスーパー軍団ぶりが記憶に新しいところだ。ただ、ショルティがかかるスーパー軍団を一から作り上げたというわけでなく、シカゴ響に既にそのような素地が出来上がっていたと言うべきであろう。そして、その素地を作っていたのは、紛れもなくライナーであると考えられる。  シカゴのオーケストラ・ホールは、ボストン・シンフォニー・ホールよりも録音に向いていたようで、このホールで収録された1950年代・1960年代のライナー=シカゴ響の録音はいずれも高いクオリティに仕上がっており、オーケストラのトゥッティの響きと各パートのバランスの明晰さが両立した名録音が多いです。1958年ステレオ時代の到来と共に、RCAはライナー指揮シカゴ響と専属契約を結び、数々の名演奏を録音しました。〝Living Stereo〟は最も自然でありスリリングな録音で、現在でも他の録音に全く劣らないものです。  個々のパートまではっきり分離するステレオは、生の音とはやや趣を異にするとはいえ、やはりすごい。スタジオ録音とはとても思えない熱気を孕んでいる。一発取りをしたとしか思えない怒濤の極みです。アンサンブルを引き締めながら、強靭な造形が生む緊張感の素晴らしさがハッキリと感じ取れます。 クラシック音楽愛好の王道、レコード・コレクターにとってファースト・チョイスの決定盤。 ヴィルトゥオーゾと呼んで20世紀初頭頃までのクラシック音楽の演奏には曖昧さが許され、またかえってそれをよしとする風潮があったと言える。 クライスラーやエルマンの録音からは、技術的問題も含め、譜面に指示のない表現を良く行うことに気付く。その良し悪しについてはひとまず置いておき、当時は奏者の個性を前面に出す事が重んじられていたようである。  これに対してハイフェッツは、冷静かつ正確に、一切の妥協を排除した解釈を行なった。現代では作曲者の意図を最も適切に表現する事が重んじられている。鋭い運弓と力強いヴィブラートによって創り出されるその音色は非常に特徴的である。演奏家それぞれの個性などという次元ではなく、ハイフェッツがヴァイオリンを奏でることで、別質の新しい楽器がそこにあるかのごとく錯覚を起こしそうになる。その余りに強烈な個性が、このブラームスにも宿っている。  製作陣は RCA の一軍、ジョン・プファイファー&ルイス・チェースで 10+/PERFORMANCE/GOOD の高い評価で、現在でもトップレベルの人気盤の地位を維持している。  多くのクラシック音楽愛好家は、その入門で、この録音に魅了され今に至るではないか。それはオリジナル盤に改めて魅了されるのも同じ録音盤というほど、ファースト・チョイスの決定盤。 3チャンネルではなくて、3トラック録音 ライナー=シカゴ響のRCAレーベルへの録音は、1954年3月6日、シカゴ交響楽団の本拠地オーケストラ・ホールにおけるリヒャルト・シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」のセッションで始まりました。この録音は、その2日後に録音された同じリヒャルト・シュトラウスの交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」と並び、オーケストラ・ホールのステージ上に設置された、わずか2本のマイクロフォンで収録された2トラック録音にも関わらず、オーケストラ配置の定位感が鮮明に捉えられており、録音史に残る名録音とされています。これ以後、1963年4月22日に収録された、ヴァン・クライバーンとのベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番まで、約10年の間に、モーツァルトからリーバーマンにいたる幅広いレパートリーが、ほとんどの場合開発されたばかりのこのステレオ録音技術によって収録されました。   RCAのチーフ・エンジニア、ルイス・レイトンを中心に試行錯誤を経て考え抜かれたセッティングにより、ノイマンU-47やM-49/50などのマイクロフォンとRT-21(2トラック)やAmpex社製300-3(3トラック)といったテープ・デッキで収録されたサウンドは、半世紀近く経た現在でも、バランス、透明感、空間性など、あらゆる点で超優秀録音として高く評価されています。1956年4月17日のセッションまでは2トラック録音だったが、「家庭交響曲」は3トラック録音。ヤッシャ・ハイフェッツ、アルトゥール・ルービンシュタイン、エミール・ギレリス、バイロン・ジャニスなど、綺羅星のごときソリストたちとの共演になる協奏曲も残されています。いずれもちょうど円熟期を迎えていたライナー芸術の真骨頂を示すもので、細部まで鋭い目配りが行き届いた音楽的に純度の高い表現と引き締まった響きは今でも全く鮮度を失っていません。これらの録音「リビング・ステレオ」としてリリースされ、オーケストラの骨太な響きや繊細さ、各パートのバランス、ホールの空間性、響きの純度や透明感が信じがたい精度で達成された名録音の宝庫となっています。オーダーはリンク先の詳細掲載ページで 通販レコード詳細・コンディション、価格 プロダクトHeifetz, Fritz Reiner - Chicago Symphony Orchestra ‎– Brahms ‎– Violin Concertoレコード番号LM1903作曲家ヨハネス・ブラームス演奏者ヤッシャ・ハイフェッツオーケストラシカゴ交響楽団指揮者フリッツ・ライナー録音種別MONOSHADED DOG, MONO 1枚組(140g), Stamper 8S/33S。 販売レコードのカバー、レーベル写真 コンディションジャケット状態EXレコード状態EX++製盤国US(アメリカ合衆国)盤通販レコード詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。オーダー番号34-24140販売価格4,950円(税込) (さらに…)...
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幸福感を満喫 フランチェスカッティ、オーマンディ&ミトロプーロス ウォルトン&ラロ・ヴァイオリン協奏曲

幸福感を満喫 フランチェスカッティ、オーマンディ&ミトロプーロス ウォルトン&ラロ・ヴァイオリン協奏曲

通販レコードのご案内激しいパッセージでも聴く者を緊張させない。音の曲線が光っているように感じられるほど、美しい。その音はするりと耳の中にすべりこみ、身体中に幸福感が広がっている。《"360SOUND"STEREO 米2EYESグレイ盤》US COLUMBIA MS6201 ジノ・フランチェスカッティ オーマンディ フィラデルフィア管、ミトロープロス ニューヨーク・フィル、ウォルトン・ヴァイオリン協奏曲/ラロ・スペイン交響曲 ジノ・フランチェスカッティのヴァイオリンは聴く者を幸福な気分にさせる。その音は豊潤で、艶やかで、屈託がない。深刻ぶったところもない。心地よさを伴いながら耳の中にすべりこみ、鼓膜に浸透し、全身に行き渡る。  正直なところ、彼が遺した録音には、「この作品なら、この1枚さえあればいい」といいたくなるほど決定的なものは、ほとんどない。サン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番や「序奏とロンド・カプリチオーソ」、ヴィターリのシャコンヌ、ラロのスペイン交響曲、ベートーヴェンの「クロイツェル」、パガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番など、ファンから絶賛されてきた録音はいくつかあるが、「無双の名盤」とはいい切れない。  ただ、そのヴァイオリンには、彼にしか出せないベルカントのエキスがたっぷり含まれている。演奏、解釈の精神性やら、音楽の深淵に誘う濃厚さや深刻さとは一線を画した美音と名技が素晴らしい。バッハにしても、モーツァルトにしても、「もしパガニーニが弾いたら、こんな風になるかもしれない」と思わせる無色の気迫のようなものが、音楽の底を覆っている。 通販レコード詳細・コンディション、価格 プロダクトレコード番号MS6201作曲家ウィリアム・ウォルトン エドゥアール・ラロ演奏者ジノ・フランチェスカッティオーケストラフィラデルフィア管弦楽団 ニューヨーク・フィルハーモニック指揮者ユージン・オーマンディ ディミトリ・ミトロプーロス録音種別STEREO 販売レコードのカバー、レーベル写真 2EYES BLACK & GRAY ↞"360SOUND"STEREO"360SOUND"↠白文字ロゴ, STEREO 1枚組。コンディションジャケット状態EXレコード状態EX++製盤国US(アメリカ合衆国)盤《2EYES 360 Sound Black without "Arrows"》米コロムビアは、1960年代の初めに高品質レコードの証としてキャッチコピーとして”360 SOUND”を使用開始する。すでにモノラル時代にジャケットには使用されていたので、”復活”というほうが正しい。1962年から六ツ目から二つ目に変わり、モノラル盤と同様に下部に黒文字で"360 SOUND STEREO"の文字が入る(MS6350~6500辺り)。翌1963年には、"360 SOUND STEREO"の両端に矢印が付いてくる(with "Arrows")。MS6500~6800辺りがこのレーベル。そして1965年中期から1970年までは同じ二つ目ですが、下部のロゴは白文字 "360 SOUND STEREO" に変わる(White with "Arrows Eye" logo at bottom")。MS6800以降、MS7500あたりまで使われ、ワルターやオーマンディ、グールドといった演奏者のお馴染みの録音が多く、品質が安定しているので親しみやすい。通販レコード詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。  オーダーは 品番 / 34-23717 販売価格 5,500円(税込) 「クレジットカード決済」「銀行振込」「代金引換」に対応しております。 (さらに…)...
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五福公民館で行っています、が次回実行も未定です◉第73回蓄音機を楽しむ会のご案内

五福公民館で行っています、が次回実行も未定です◉第73回蓄音機を楽しむ会のご案内

SPレコードを蓄音機で楽しむ会・無料コンサート<2020年2月から休止中>(2022/1/1) 年始に当たり、貴兄の健康とご多幸を祈念いたします。  SP会もながく休んでいますが、この際あせらずに新年度からでも始めたらと思っています。  令和4年元日(ご案内)再開・内容が決定したらフェースブック・ページで告知します。イベント名第73回蓄音機を楽しむ会期日7月24日(未定)場所五福公民館住所860-0041熊本県熊本市中央区細工町2丁目25※新型コロナウイルスの感染拡大の予防を最優先としているため、実行を見合わせています。実施方法の会議を運営委員で行い、再開・内容が決定したらフェースブック・ページで告知します。 ※新型コロナウイルス感染拡大の影響により、延期または中止になることがあります。あらかじめご了承ください。平成版・名曲新百選選定中 五福公民館に場所を移して6年を数えます。熊本市立博物館で例会を行っていた時に活用してきた、大矢野百選。その77枚のレコードを毎月の例会「第2部」で順次、全てのレコードの両面からエントリーした、151曲に投票して下さい。令和の時代に人気の高い100曲を、零和に伝える昭和の名曲新百選とするプロジェクトです。  フェースブックへのメッセージ、コメントも歓迎です。ご要望曲を次回お聴きいただきます。熊本ふるまち・五福蓄音器を楽しむ会 (さらに…)...
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重文級◉フラグスタート、ショルティ指揮ウィーン・フィル◯ワーグナー・ワルキューレ第3幕全曲、第2幕「死の告知」

重文級◉フラグスタート、ショルティ指揮ウィーン・フィル◯ワーグナー・ワルキューレ第3幕全曲、第2幕「死の告知」

通販レコードのご案内新しいテクノロジーを積極的に活用しょうとして、表現の可能性を追求している。GB DECCA LXT5389-90 (演奏者)ゲオルグ・ショルティ指揮 ウィーンフィルハーモニー管弦楽団 キルステン・フラグスタート、オットー・エーデルマン、マリアンネ・シェヒ、オーダ・バルスボルグ、イローナ・シュタイングルーバー、グレース・ホフマン、クレア・ワトソン、オーデ・バルスボルク、マーガレット・ベンス、アニー・デロリー、ヘティ・プリュマッハー、 フリーダ・レースラー (曲目)ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」第3幕全曲、第2幕「死の告知」 RING全曲収録前夜祭セッション。録音史上に残る偉業、デッカとショルティ&ウィーン・フィルによる「指輪」全曲録音。この大プロジェクトに先駆けてテスト録音された、ワルキューレ第3幕の2枚組セットです。ステレオ録音の可能性を追求するため実験を試みた。ワルキューレたちを歌いながら移動させると左右のスピーカーからどのように再生されるか!? 結果、モニタールームでは歓声が沸き上がった。ソプラノ歌手、キルステン・フラグスタート、バス歌手、オットー・エーデルマン他の歌唱、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏による1957年録音盤。詳細掲載ページ1966年に全曲を録音しているので、この第3幕の古い録音は忘れられた。眼光鋭くきびきびした動きで指揮するショルティそのもの。ステレオ録音がどういう効果を生むのか、まだ手探りの時代。まだ、レコード会社がステレオ録音に懐疑的な時代だった。予行練習と言え完成度は天下一品なのが本盤から伺えます。カルショウはステレオ録音の可能性を追求するため、いろいろ実験を試みた。最後の魔の炎のシーンは、ウオータンが火の神ローゲを呼ぶところでは左から歌い、最後のジークフリートの動機を歌うクライマックスでは中央にきて歌う、という演出を試みている。楽器や歌手の音像は左右のスピーカーの間にきれいに定位する。1957年5月13~17日、ウィーン、ゾフィエンザール録音。プロデューサーとエンジニア、ジョン・カルショー,エリック・スミス/ジェイムズ・ブラウン 通販レコード詳細・コンディション、価格 プロダクトレコード番号LXT5389-90作曲家リヒャルト・ワーグナー演奏者キルステン・フラグスタート、オットー・エーデルマン、マリアンネ・シェヒ、オーダ・バルスボルグ、イローナ・シュタイングルーバー、グレース・ホフマン、クレア・ワトソン、オーデ・バルスボルク、マーガレット・ベンス、アニー・デロリー、ヘティ・プリュマッハー、 フリーダ・レースラーオーケストラウィーン・フィルハーモニー管弦楽団指揮者ゲオルグ・ショルティ録音種別MONO 販売レコードのカバー、レーベル写真 コンディションジャケット状態EXレコード状態EX++製盤国DE(ドイツ)盤ORANGE WITH SILVER LETTERING, MONO 2枚組 (150g/150g), Stamper 2A/1A 1A/4A。通販レコード詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。オーダー番号34-27355販売価格6,600円(税込) (さらに…)...
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昭和3年の米製蓄音機で聴きます⇒平成版名曲新百選◉思い出がある流行歌、令和に受け継ぎたい歌謡曲。あなたの投票受付中

昭和3年の米製蓄音機で聴きます⇒平成版名曲新百選◉思い出がある流行歌、令和に受け継ぎたい歌謡曲。あなたの投票受付中

SPレコードを蓄音機で楽しむ会・無料コンサート 令和に受け継ぐ昭和の歌謡曲を選定中。あなたも参加して下さい。第4撰(曲目)藤山一郎影を慕いて東海林太郎むらさき小唄新橋喜代三明治一代女の唄上原敏流轉浅草〆香流れ三味線上原敏、浅草染千代倅でかした浅草染千代しぐれ旅上原敏、青葉笙子鴛鴦道中上原敏上海だより高峰三枝子湖畔の宿 (さらに…)...
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名曲、名演、名録音を満喫◉アンセルメ指揮スイス・ロマンド管弦楽団 レスピーギ・ローマの噴水/ローマの松

名曲、名演、名録音を満喫◉アンセルメ指揮スイス・ロマンド管弦楽団 レスピーギ・ローマの噴水/ローマの松

通販レコードのご案内レスピーギの華麗なオーケストレーションを忠実に再現した、アンセルメの模範的演奏。GB DECCA SPA227 (指揮)エルネスト・アンセルメ (管弦楽)スイス・ロマンド管弦楽団 (曲目)レスピーギ・ローマの松/ローマの噴水 「アッピア街道の松」に古代ローマの楽器をイメージして指定されているバンダのブッチーナ(Buccina)はサクソルン族を使用しています。詳細掲載ページレスピーギの代表作、ローマの松とローマの噴水は、カラフルでダイナミックなオーケストレーションで有名だが、本盤は、アンセルメ&スイス・ロマンド管弦楽団の名コンビの演奏で、デッカの鮮明な録音も手伝い、レスピーギのオーケストレーションがくっきりと浮かんでくる。演奏のほうも説得力がある。 オーケストラは音程が不正確だったり、縦の線がずれていたりといった乱れもありますが、アンセルメならではのテンポ設定のうまさが光る明晰さ、明るいカラフルな響きのなかにも陰影をくっきりとつけていて、フレンチスタイルの鄙びたバソンの響きも古典的な雰囲気にうまく合っていました。 なお「アッピア街道の松」に古代ローマの楽器をイメージして指定されているバンダのブッチーナ(Buccina)はサクソルン族を使用しています。水牛の角のような形状の金管楽器でバルブやピストンもなく自然倍音を奏でるしか無い、この楽器は1930年代にドイツのアレキサンダー社によって復元されナチスドイツの親衛隊が吹いている写真も存在しますが、レスピーギがこの楽器の音を実際に聞いたのかという事実はわかりません。現実のスコアには自然倍音以外の音も記譜がされており、レスピーギ自身は、ソプラノとテナーについてはフリューゲルホルン、バスについてはユーフォニウム若しくはバリトンを想定していたようです。1963年1月スイス、ジュネーブのヴィクトリア・ホールでの録音。火事により失われてしまったヴィクトリアホールの響きを見事に捕らえた録音も良く、オルガンの重低音にうまく乗ったオーケストラの響きが空間に豊麗に拡散していく様子がはっきりとわかります。 通販レコード詳細・コンディション、価格 プロダクトレコード番号SPA227作曲家オットリーノ・レスピーギオーケストラスイス・ロマンド管弦楽団指揮者エルネスト・アンセルメ録音種別STEREO 販売レコードのカバー、レーベル写真 コンディションジャケット状態M-レコード状態M-製盤国GB(イギリス)盤BLUE WITH SILVER LETTERING, STEREO 1枚組 (120g), Stamper 1W/2Wレーベル・ガイド《SPAシリーズ》英DECCA社の廉価版シリーズは、1960年前後に第1の廉価盤シリーズ「Ace of Clubs/Ace of Diamond」を発売します。その後、1970年代に入ると第2の廉価盤シリーズ「Eclipse」を発売します。そして、第3の廉価盤シリーズとして「The World of Great Classics」として「SPAシリーズ」を発売します。本盤は、その第3の「SPAシリーズ」なのですが、クラシック入門編といった趣で演奏者の全然違う録音を組み合わせた編集も多く、コレクション的には価値が低いものの、音質的にもSXLシリーズより僅かスッキリした感はありますが、DECCA社らしい高音質(Hi-Fi)となっています。同じソースでも、SXLオリジナルの1/5~1/10程度の費用で入手できるので、コストパフォーマンスの高い盤としてオススメできます。通販レコード詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。オーダー番号34-23673販売価格3,300円(税込) (さらに…)...
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ピュアナチュラルなオーディオ装置で堪能したい カラヤン指揮ベルリン・フィル ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」

ピュアナチュラルなオーディオ装置で堪能したい カラヤン指揮ベルリン・フィル ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」

通販レコードのご案内カラヤンによるドイツ・オーストリアの伝統 ― 清々しく爽快で、聴く喜びに満たされるカラヤン芸術の極致とも言われたブルックナーの交響曲全集から第4番。他の指揮者に比べて売れた枚数が圧倒的に多いためプレミアムこそ付かないものの、一家に一枚置いておくべきレコード。《仏ブルーライン盤》FR DGG 2530 674 カラヤン ブルックナー・交響曲4番「ロマンティック」 ジャガイモもカラヤン・シェフの腕でゴージャズでスタイリッシュに変わる。だからといって、ジャガイモ本来の味わいは少しも損なわれていない。繊細さとド迫力。予定調和型の何もないどっしり演奏ではない。これが他の指揮者ではなかなか見られない、自分の信じる流儀を貫くカラヤン流の美学だ。  カラヤンのブルックナーの交響曲は多数の録音があるが、ベルリン・フィルの実力を最高に引き出しているのは当盤であろう。カラヤンは1970年にブルックナー第4番「ロマンティック」をEMIに録音していますが、これはそのわずか5年後にドイツ・グラモフォンに再録音したもの。巨匠然としていた、そのイギリスEMI盤よりわずかにテンポを上げた、70年代カラヤンらしいきびきびとした演奏です。  極めてスタイリッシュかつパワフルで録音も素晴らしく、オーディオ的観点からも胸のすく音の洪水。本録音はカラヤンの何時もの重厚感がたまらなく良いし、豪華絢爛なベルリン・フィルも健在。演奏の傾向は同じだが、録音の違いか重心が低い。かといって決して渋い演奏ではなく華やかな雰囲気には変わりない。改訂版を使用している故のティンパニやシンバルが効果的に用いられている。低弦のゴンゴンとしたアクセント、粒立っているとはおかしい表現だが、そう表したくなるティンパニ。非常にダイナミックで鮮烈な演奏で、この作品を「オーケストラサウンドのスペクタクル」として聴かせようとしているのではないかと思えるくらいの、音の描写のくどいまでの色濃さや、カラヤン節が炸裂する豪壮な「スケルツォ」などオーケストラサウンドに圧倒されてしまう。ベルリン・フィルの圧倒的な能力を最大限引き出した、重厚にして流麗な文句のつけようがない見事なもの。記憶に残るカラヤンのイメージが最も具現化された演奏だ。  カラヤンはブルックナー交響曲の全集録音をグラモフォンで1960年代、70年代、80年代にわたり行っていますが、本盤はカラヤンとベルリン・フィルの黄金時代の録音として、1970年代半ばに収録された評価の高い強烈な演奏です。アナログ時代末期のドイツ・グラモフォン・サウンドで全体の響きと個々の楽器の定位感のバランスがよくEMI録音より少ないマルチ・マイクの成果か、フィルハーモニーの長いホールトーンも適度に入り心地よい。そのあきれるばかりのブリリアント・サウンドには、やはり抗いがたい魅力があります。  カラヤンの録音で一番充実しているのは1970年代後半から80年代前半の録音。再録音の多いチャイコフスキー、ドヴォルザーク、ベートーヴェンと1970年代の演奏は緊張感が違うと思う。朴訥なブルックナーでさえイメージを覆すようなアプローチで、それでいてブルックナー演奏としての説得力にも欠けていない。  とにかく録音も演奏も、ダイナミック・レンジが非常に大きい。弱音部では繊細きわまりない音楽を作り出し、強奏部分では怒濤の迫力で押してくる。その較差、落差と云ってもいいのかな、これが他の指揮者ではなかなか見られないカラヤンの美学、意にそぐわない曲は他の指揮者がこぞって取り上げていようといないと取り上げない、自分の信じる流儀を貫いたカラヤン流の演出だ。  当然カラヤンの手兵、ベルリン・フィルの迫力も頂点に達している。個々の楽器が当然のように巧いし、全体がよく揃っている。磨き抜かれた流麗な響きで聴き手に迫ってくる。  このレコーディングセッションは1975年4月19~20日にベルリンのフィルハーモニーホールでの演奏会で同曲を演奏した後に、引き続き行われた。通常はカラヤンのレコーディングは演奏会の前にリハーサルとレコーディングを兼ねる形で行われることがほとんどだ。だが、演奏会を意識して完成度を高めようとするリハーサルを兼ねたレコーディングの必要を失っている、演奏会の後でのレコーディングなると、演奏会での演奏効果の磨き上げに縛られずに異なるコンセプトによる演奏を録音することが可能になる。だからかこの演奏は、作品に対する真摯な演奏姿勢であるとか、リスペクトであるとかいった面は希薄だが、カラヤンとベルリン・フィルによる秀逸な録音遺産の1つといっていい。  この作品をあくまでもドイツ・ロマン派シンフォニーの傑作として捉えたアプローチと、ベルリン・フィルの重厚華麗なサウンドが相まったその聴き応えには、脱帽するほかありません。  他の指揮者に比べて売れた枚数が圧倒的に多いためプレミアムこそ付かないものの、一家に一枚置いておくべきレコード。カラヤン&ベルリン・フィルが確立した「スタイル」を存分に発揮した、オーケストラ音楽とはこうあるべきというカラヤンの信念がビシビシ伝わってくるゴージャスきわまりない演奏です。 1975年4月21日ベルリン、フィルハーモニーでのステレオ・セッション録音。 通販レコード詳細・コンディション、価格 プロダクトBruckner - Herbert von Karajan, Berliner Philharmoniker - Symphonie No. 4 - Deutsche Grammophon – 2530 674レコード番号2530 674作曲家アントン・ブルックナーオーケストラベルリン・フィルハーモニー管弦楽団指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤン録音種別STEREOBLUE LINE, STEREO 1枚組(120g), Release 1976。 販売レコードのカバー、レーベル写真 コンディションジャケット状態M-レコード状態M-製盤国FR(フランス)盤《ブルーラインレーベル》黄色地に黒文字、外周が青の二重線で囲まれたものです。通称、BLUE LINEと呼ばれています。2530 etc. で始まります。このラベルにも2種類あり、最初の頃のものはラベル周囲の文字が詰めて印字( GY8 )してあり、後期のものは文字間隔が空けて( GY9 )印字されています。通販レコード詳細の確認、特別価格での購入手続きは品番のリンクから行えます。  オーダーは 品番 / 34-12125 特別価格 1,870円(税込) 通常価格 2,420円(税込) (さらに…)...
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ティボーゆずりのフランスのエスプリを聴く*ジノ・フランチェスカッティ バーンスタイン フランス・ヴァイオリン曲集

ティボーゆずりのフランスのエスプリを聴く*ジノ・フランチェスカッティ バーンスタイン フランス・ヴァイオリン曲集

通販レコードのご案内音の曲線が光っているように感じられるほど美しい。 ― 激しいパッセージでも聴く者を緊張させない。その音はするりと耳の中にすべりこみ、身体中に幸福感が広がっている。US COLUMBIA MS6617 フランチェスカッティ&バーンスタイン フランス・ヴァイオリン曲集 Three French Violin Favorites Chausson:Poeme/Ravel:Tzigane/Saint-Saens:Introduction and Rondo Capricciosoフランスの巨匠ジノ・フランチェスカッティによる、フランス近代の作曲家によるヴァイオリン曲集。ショーソン:詩曲、ラヴェル:ツィガーヌ、サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ。フランス近代の3人の作曲家によるヴァイオリンをフィーチュアした作品を、名匠ジノ・フランチェスカッティが艶やかに聴かせる一枚。サン=サーンスでの美しい音色、ラヴェルでのエスプリの効いた演奏はみごと。そして、ショーソンの詩曲はこの人の美しい音色が特に心に染みる圧倒的な名演です。戦前からフランスとアメリカで活躍した、超絶技巧で知られるジノ・フランチェスカッティが活動拠点のニューヨークで収録した一枚。1964年1月6日ニューヨーク、マンハッタン・センターでの録音。1950年代既にCOLUMBIA, RCA両社は世界最高レベルの録音・製盤技術を確立していて、発売から半世紀以上経過していても第一級のオーディオファイル盤と豪語できます。米盤特有の映画音楽のように広がりのあるサウンドステージと、独奏を思い切り前面に出したステレオバランスで、所謂「歌う楽器」としてのフランチェスカッティのヴァイオリンの魅力を余すところなく味わうことのできる仕上がりになっている。そうした録音効果や本気のものづくりが有機的に絡み合って、東西冷戦時代のアメリカ盤は、パフォーマンスの本質を見事に浮かび上がらせています。バーンスタインに率いられたニューヨーク・フィルは彼らの本質を全面に出した、元気いっぱいに鳴り響いて、生々しい音に仕上ていたのがこの時代のバーンスタインの特長です。しかし、それはソリストにとってはかなり困った話だったようです。そして、フランチェスカッティというヴァイオリニストはそう言う分厚い響きを突き抜けてヴァイオリンを響かせるというタイプではありません。両者の最初の顔合わせとなったブラームスでは、若きアメリカの指揮者に土俵を譲りましたが、ここでは伴奏に徹してもらって、曲線を多用しながら美音で勝負しています。 最後の顔合わせとなった本盤は自分の土俵で勝負できるフランス音楽。ショーソン:詩曲、ラヴェル:ツィガーヌ、サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソの3曲。これらは基本的にはオーケストラ伴奏付きのヴァイオリン曲ですから、フランチェスカッティの美質が遠慮なく発揮されます。このヴァイオリニストの美質である洒落たセンスと美しい音に彩られて、ショーソンの雅趣と高揚、ラヴェルのエキゾティックな憂愁、サン=サーンスの優美な旋律美といった、三様の特質が味わえます。 バーンスタインにしてみれば、彼の美質がかなりの部分スポイルされてブラームスの時のようなエキサイティングなことにはなりようがありません。やるべき事はきちんとやっておきましたという演奏になっているのですが、不思議なことに彼はそう言うことにはあまり頓着しないようなのです。おそらく、一仕事終わった後にはいつものように上機嫌で帰っていったような気がするのです。当然の事ながら、それなりに完成度の高い演奏にはなっていて、結果として、華やかなフランスのエスプリが満載されたアルバムとなっています。オーダーはリンク先の詳細掲載ページで ジノ・フランチェスカッティのヴァイオリンは聴く者を幸福な気分にさせる。その音は豊潤で、艶やかで、屈託がない。深刻ぶったところもない。心地よさを伴いながら耳の中にすべりこみ、鼓膜に浸透し、全身に行き渡る。 正直なところ、彼が遺した録音には、「この作品なら、この1枚さえあればいい」といいたくなるほど決定的なものは、ほとんどない。サン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番や「序奏とロンド・カプリチオーソ」、ヴィターリのシャコンヌ、ラロのスペイン交響曲、ベートーヴェンの「クロイツェル」、パガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番など、ファンから絶賛されてきた録音はいくつかあるが、「無双の名盤」とはいい切れない。ただ、そのヴァイオリンには、彼にしか出せないベルカントのエキスがたっぷり含まれている。 演奏、解釈の精神性やら、音楽の深淵に誘う濃厚さや深刻さとは一線を画した美音と名技が素晴らしい。バッハにしても、モーツァルトにしても、「もしパガニーニが弾いたら、こんな風になるかもしれない」と思わせる無色の気迫のようなものが、音楽の底を覆っている。ラテン的に明るい演奏スタイル。と言うのが、これ。 断定しても良い位に、『フランチェスカッティのヴァイオリンの音質は、慈しみ愛撫する人肌の感触を思わせる。高音域においてさえ潤いのあるヴィブラートがかかり豊かな情感を生みだすのだ。』 ジノ・フランチェスカッティはフランスのヴァイオリニストだが、パリ音楽院にはいかずパガニーニの孫弟子にあたる父親と、その父親の弟子だった母親の薫陶を受けて育った人だった。 ー ヴァイオリンが理想のソプラノを模した楽器であることを一聴理解させてくれる凄みを持つ。美には様々な相貌があるから、『燦然たる』とか「絢爛豪華な」という形容詞がどのくらいのイメージの助けになるかわからないけど、紛うところなく親しみやすく、美しい歌い口が魅力のヴァイオリニストである。もしかしたら演奏しているジノの脳裏には母親の姿が常にあったのでは無いかとさえ思えます。彼が使っていた古今の銘器『ハート』と名付けられた1727年製のストラディヴァリウスは現在、サルヴァトーレ・アッカルドの手許にあるがフランチェスカッティの音がしないからだ。 通販レコード詳細・コンディション、価格 プロダクトレコード番号MS6617作曲家エルネスト・ショーソンモーリス・ラヴェルカミーユ・サン=サーンス演奏者ジノ・フランチェスカッティオーケストラニューヨーク・フィルハーモニック指揮者レナード・バーンスタイン録音種別STEREO↞"360SOUND"STEREO"360SOUND"↠前期黒文字ロゴ2 EYES, STEREO 1枚組。 販売レコードのカバー、レーベル写真 < div class="analogsound" style="background:#e9eaed;border:#f59c38 solid .2em;padding:.6em"> 《2EYES 360 Sound Black with "Arrows Eye" logo at bottom"》米コロムビアは、1960年代の初めに高品質レコードの証としてキャッチコピーとして”360 SOUND”を使用開始する。すでにモノラル時代にジャケットには使用されていたので、”復活”というほうが正しい。1962年から六ツ目(ステレオとモノラルとでは同じ六ツ目でも若干スタイルが違って、ステレオは外周が黒地になり、トップに赤と白の矢印が入り、後期盤になるとモノラルと同様にトップの矢印の中に"CBS"のロゴ文字が入る)から二つ目(左右1個ずつの白抜きの目玉ロゴがあるもののこと)に変わり、モノラル盤と同様に下部に黒文字で"360 SOUND STEREO"の文字が入る(360 Sound Black without "Arrows", MS6350~6500辺り)。翌1963年には、"360 SOUND STEREO"の両端に矢印が付いてくる(360 Sound Black with "Arrows")。MS6500~6800辺りがこのレーベル。そして1965年中期から1970年までは同じ二つ目ですが、下部のロゴは白文字 "360 SOUND STEREO" に変わる(360 Sound White with "Arrows Eye" logo at bottom")。MS6800以降、MS7500あたりまで使われ、ワルターやオーマンディ、グールドといった演奏者のお馴染みの録音が多く、品質が安定しているので親しみやすい。 コンディション ジャケット状態M-レコード状態M-製盤国US(アメリカ合衆国)盤オーダー・リンクと販売価格詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。オーダーは品番 / 34-23732販売価格8,800円(税込) (さらに…)...
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♣母との思い出を増やすコロナ禍 ― アナログレコードの文化を守る OYAG SOUND 店主のノート

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車椅子 ― 南野勝 私と同居する母は今年89歳になる、父は10年以上前に亡くなった。 その母も数年前に脳梗塞を患い後遺症で杖が必要になった。それからは認知症も進んだ気がする。https://adm.shinobi.jp/s/1520c0683a5bd36fd23a3abcb8d035a0 今は介護施設のディサービスに通い穏やかに過ごしているが、ディサービスに行くことを学校に行くと言う。 時々今日は遠足だと嬉しそうに話し、天気の悪い日は遠足があるのにと残念がる。はて、そんなに遠足が続くのか?ケアマネジャー訪問日にその話題をすると、以前は天気の良い日に施設の職員が近所の公園に連れて行くということがあったようだが、このコロナ禍でもう一年以上そういうことは行っていないそうである。きっと退屈でディサービスの日を遠足と思い込んでいるのだろう。https://adm.shinobi.jp/s/1520c0683a5bd36fd23a3abcb8d035a0何か可哀想な気がしてどこかに連れて行ってあげようと思うのだが、母を歩かせるとやはり足が頼りなく、転倒すると骨折の心配がある。ケアマネジャーに相談したところ車椅子のレンタルができるそうだ、なるほどそういういきさつでみんな車椅子を借りることになるのか、と腑に落ちる。さっそくお願いして車椅子を玄関口に置いてみる。母は誰の車椅子だ、と人ごとのように言う。「お母さんのだよ」、と説明してもピンとこないようで、私はそんなものは必要ないと言う。自分は何でもできると思っている節があるがそれが危ない。嫌がる母を説得して乗ってもらい近所を一回りしてみた。おそらく母はここ2年ほどこの風景を見ていないはずで、感想を聞いてみると「さあ・・・」というが、その表情は明るい。翌日。玄関の車椅子を見つけて、やはり誰のだと聞いてきた。また昨日と同じやり取りがあった。もう桜の季節である。おそらく母は桜を見ても翌日まで覚えていないだろう、それも良いかと思う。そうやって母との思い出を増やすコロナ禍である。令和3年3月 オヤッグ店主 (さらに…)...
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あせらず新年度からでも再開できたらと⦿思い出があり、令和に受け継ぎたい昭和歌謡の投票を受付中

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 年始に当たり、貴兄の健康とご多幸を祈念いたします。  SP会もながく休んでいますが、この際あせらずに新年度からでも始めたらと思っています。  令和4年元日 SPレコードを蓄音機で楽しむ会・無料コンサート令和に受け継ぐ昭和の歌謡曲を選定中。あなたも参加して下さい。第4撰(曲目)藤山一郎影を慕いて東海林太郎むらさき小唄新橋喜代三明治一代女の唄上原敏流轉浅草〆香流れ三味線上原敏、浅草染千代倅でかした浅草染千代しぐれ旅上原敏、青葉笙子鴛鴦道中上原敏上海だより高峰三枝子湖畔の宿 (さらに…)...
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