〝ドイツ人〟ギーゼキングの本当の姿★貴重な文化財 ワルター・ギーゼキング ベートーヴェン ソナタ7番、11番

〝ドイツ人〟ギーゼキングの本当の姿★貴重な文化財 ワルター・ギーゼキング ベートーヴェン ソナタ7番、11番

通販レコードのご案内こんなに均整のとれた演奏は、そう滅多に聴けるものではない。GB ANGEL ANG35653 ギーゼキング ベートーヴェン:ピアノソナタ7番/11番今なお伝説的な存在であるドイツ人の名ピアニスト、ヴァルター・ギーゼキングは、1956年ロンドンのEMIでベートーヴェン全集のレコーディング中に倒れ客死しました。その未完に終わったベートーヴェン・ピアノソナタ全集からの2曲。ジャケットは米国製、レコードは英国プレスです。【録音】7番:1956年9月、ロンドン・アビー・ロード・第3スタジオ(Producer/Engineer ; Alec Robertson/Neville Boyling)、11番:1956年10月17〜22日、ロンドン・アビー・ロード・第3スタジオ(Producer/Engineer ; Walter Legge/Edward Huntley)。モノラル盤のみの発売。オーダーはリンク先の詳細掲載ページでギーゼキングは、死去から半世紀を迎えた今なお、伝説のピアニストとして語り継がれてギーゼキングのレコードは何度も回を重ねて発売され、今尚倒産の危機に瀕していたEMIの屋台裏を支えてたと言っても過言で無いのではと思えるほど。モーツァルト、ラヴェル、ドビュッシーのピアノ作品全集の録音は、カタログから落ちることはなく、未だにその高い評価は変わらない。彼のディスコグラフィーサイトを眺めるのが楽しいほどレパートリーは広く、スカルラッティやバッハから、20世紀の作品まで、しかも国を問わずに演奏してます。同世代のケンプに限らず当時のドイツ系のピアニストが手を染めなかったラフマニノフやスクリャービン、ヴィラ=ロボス、ルーセル、プーランク、デ・ファリャまで録音を残しています。 ギーゼキングといえば即物主義の代表選手のように言われます。彼こそはモーツァルトをロマン主義的歪曲から救い出して、現在のモーツァルト演奏への道を切り開いた存在として、とりわけこのソナタの全曲録音は長くスタンダードな位置にありました。シンプルな上にもシンプルにモーツァルトが演奏されるとき、それは他に変えがたい魅力を21世紀になっても保持している。最早、貴重な文化財という側面を持っているのではと接しています。 ギーゼキングのベートーヴェン演奏はそのしっかりとした古典的な造形や盤石な楽曲の構築、そしてヴィルトオージティに裏打ちされた艶のある陰影を醸し出す美音等が特色ですが、本盤の演奏にも見事にこのことが当てはまります。これがあのドビュッシーやモーツァルトを弾いたあのギーゼキングか、ここにはフランスの繊細で清澄な雰囲気などは微塵もなく、ズドンと腹の底に鍵盤が打ち込まれるようなドイツ的響きがある。 もっとも、ピアニストとしてのデビューは、ハノーファーでのピアノ・ソナタ全集演奏会でしたし、ベートーヴェンはギーゼキングにとっての終生のレパートリーの中核を成し、既に1930年代から幾つかのソナタと協奏曲は録音をしています。 同じドイツ系のピアニストだと、同年齢のケンプは言うに及ばず、先輩のバックハウスやシュナーベル等は、いずれも全曲を録音できました。ギーゼキングはその早すぎる晩年に、いよいよ満を持してEMIにベートーヴェンのピアノ・ソナタの全曲録音を行ったのですから、ドビュッシーやモーツァルトとは違って良いのです。 本盤は、聴けばギーゼキングの演奏は曲の分析力が明晰で、当時の拙い録音にもかかわらず、ニュアンスに富んだ繊細な音色と、多彩な表情の変化が如実に聴き取れる。ピアノは珠をころがすように美しい。とんでもなく透明感に満ちていながらガラスのようなもろさとは全く無縁の強靱と言っていいほどの硬質な響きです。そして、ピアノからこのような音色を紡ぎだした人は他には思い当たりません。その上、演奏技巧に欠点がない。知的で清楚なピアニストとされる所以である、「過剰な感情表現を避け」主観を排するギーゼキングが、表現の装飾と自己中心的な主観こそが芸術とばかりに血と汗を飛び散らせ、肉と骨を食み、肉体派ピアニストとして降臨する。 曲の解釈においても迷いが無く、凄い速さで押し切る気分爽快の快演。〝ドイツ人〟ギーゼキングの本当の姿をこのベートーヴェンでは見せる。ギーゼキングのピアノ書法は、卓越した演奏技巧により、いささかの曖昧さも残さずベートーヴェンを完全にリアライズする。 ギーゼキングは1956年10月26日に他界します。享年、60歳。決してもう若いとはいえない年齢です。とはいえ、彼はその巨体にもかかわらず、菜食主義者として知られてますが、同い年のケンプは、ギーゼキングよりも35年も長生きし、年長のバックハウス、ルービンシュタイン、エトヴィン・フィッシャーよりも先に亡くなってしまったことを考えると、過度な健康志向も考えものだと思います。しかし彼のピアニズムは衰えを感じさせるどころか、豪快なテクニックと円熟の極みともいえる音色を聞かせてくれる。そのペダル操作が比類なく、完璧なまでの作品の記憶力と、細部にわたって楽譜の忠実な再現、楽曲構造に対する明快な洞察力などで、ギーゼキングは戦前から活躍した同時代のピアニストの中でも卓越した存在だった。この年、1956年は速いところでも遅いところでも極端な演奏をし、皆を驚かせるセンセーショナルを連発した世紀の孤独な天才、グレン・グールドが例のゴールドベルク変奏曲を録音、直後にベートーヴェンの後期三大ソナタ集を出しています。 通販レコード詳細・コンディション、価格Gieseking, Beethoven ‎– Sonatas No. 7 In D Major Op. 10 No. 3 No. 11 In B Flat Op. 22プロダクトレコード番号ANG35653作曲家ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン演奏者ヴァルター・ギーゼキング録音種別MONO販売レコードのカバー、レーベル写真LARGE ANGEL IN SEMI-CIRCLE, MONO 1枚組 (150g)重量盤, Stamper 1N/1N。コンディションジャケット状態EXレコード状態M-製盤国GB(イギリス)盤ジャケットは米国製、レコードは英国プレスです。オーダー・リンクと販売価格詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。オーダー番号34-26256販売価格3,300円(税込) (さらに…)...
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