極めつけのモーツァルト* グリュミオー、パウムガルトナー指揮ウィーン響 モーツァルト・ヴァイオリン協奏曲第1番、7番

極めつけのモーツァルト* グリュミオー、パウムガルトナー指揮ウィーン響 モーツァルト・ヴァイオリン協奏曲第1番、7番

通販レコードのご案内ヴァイオリン好きだけでなく、すべてのモーツァルト・ファンにおすすめしたい ― 極めつけのモーツァルトFR PHILIPS L 00.313 L (演奏者)アルテュール・グリュミオー ベルンハルト・パウムガルトナー指揮 ウィーン交響楽団 (曲目)モーツァルト・ヴァイオリン協奏曲1番/7番 30歳代のグリュミオーが、モーツァルトの若き時代の作品を覇気のある若々しい音色で颯爽と演奏しています。この時代のフィリップスの録音は大変優秀です。詳細掲載ページ1950年代のモノラル録音から1980年代のデジタル録音までヴァイオリン協奏曲から室内楽まで、ヴァイオリンが参加する作品で幅広くグリュミオーは名録音を残した。近年ひときわ至難なモーツァルトのヴァイオリン曲の演奏ですが、手練手管の限りを尽くしたオーギュスタン・デュメイの技巧的なヴァイオリンで聴く、その面白さは比類がない。彼は鮮やかなテクニックをわざと目立たせるように弾いており、破目を外したやりたい放題で、さながらパガニーニのように響く。もちろん技巧だけではない。気取ったリズムも最高だし、フレーズの節回しは表情たっぷり。ピリオド・スタイルに慣らされロマンティックすぎると聴こえる耳も少なく無いだろう。オーギュスタン・デュメイが使っている楽譜はヨアヒムの作でグリュミオーも同じだったが、まるで別の曲を聴くようだ。 戦後間もないパリ・デビューもモーツァルトの協奏曲。晩年まで愛した作曲家のひとりであるモーツァルトの若き時代の作品を、30歳代のグリュミオーが覇気のある若々しい音色で颯爽と演奏しています。ハスキルの引き立て役としてわが国では有名ですが、本盤聴くにつけ和蘭フィリップス背負っていたヴァイオリニストであることが判ります。モノラル録音ながら、彼の美音もしっかり捉えています。1955年5月録音、ウィーン。 通販レコード詳細・コンディション、価格 プロダクトレコード番号L 00.313 L作曲家ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト演奏者アルテュール・グリュミオーオーケストラウィーン交響楽団指揮者ベルンハルト・パウムガルトナー録音種別MONO 販売レコードのカバー、レーベル写真 コンディションジャケット状態EXレコード状態EX++製盤国FR(フランス)盤RED WITH SILVER LETTERING, MONO 1枚組 (160g)。通販レコード詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。オーダー番号34-24138販売価格3,850円(税込) (さらに…)...
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名曲、名演、名録音を満喫◉デニス・ブレイン、カラヤン指揮フィルハーモニア管 モーツァルト・ホルン協奏曲1-4番

名曲、名演、名録音を満喫◉デニス・ブレイン、カラヤン指揮フィルハーモニア管 モーツァルト・ホルン協奏曲1-4番

名手デニス・ブレインとカラヤンが残したモノラル時代の人気盤です。GB COLUMBIA CX1140 ブレイン&カラヤン モーツァルト・ホルン協奏曲 ホルン奏者の中でも、いまだに別格的存在とされるブレイン。絶妙なフレージングとスケール感、驚くほどしなやかな音色、テンポに対する感覚とメロディの歌わせ方、どれをとっても現在まで語り継がれる理由のわかる、20世紀を代表する名手の快演です。すべてのホルン奏者が憧れる完璧なモーツァルトです。 それから、カラヤンのバックも絶品。SPレコードでも発売されてもいるようですが、テープ録音が始まった時期でもあって、未だに判断がついていないレコード。甘くメロウな響きに絶句。ブレインの持ち味でもあろうが、ブレインの音は、とにかく圧倒的に“甘い”。それがいつも以上に感じられるのは、カラヤンのサポートで魅力を増しているのか、録音時に魔法でも起こったのか。このレコードを初めて聴いてから、モーツァルトの生涯最後の曲であることもあって、数々の名手の演奏を聴きこんできました。ゲルト・ザイフェルト、アラン・シヴィル、ペーター・ダム、ヘグナー、タックウェル、クレヴェンジャー、ティルシャルなど、いずれ劣らぬ個性的な名演を披露してはいるが、本盤の演奏の持つ独特の魅力には及んでいるものはないと今もっても断言します。それほど、SPレコード録音とは信じがたい豊かさがある。1953年11月12〜13日ロンドン、キングズウェイ・ホール録音。オーダーはリンク先の詳細掲載ページで 販売レコードのカバー、レーベル写真 DARK BLUE WITH GOLD LETTERING, MONO (160g), Stamper 11N/10N。《コロムビア金文字レーベル(Magic Notes Royal Blue Gold Lettering)》モノラルの初版レーベル。濃い青色地に金文字がベースとなっており、中央に大きく COLUMBIA の文字が描かれ、上部にトレードマークの音符がある。33CXの1001から1949までの初版に使われている。コロンビアのモノラルレーベルの代表的なレーベル。 プロダクト 品番34-24205商品名GB COLUMBIA 33CX1140 デニス・ブレイン モーツァルト・ホルン協奏曲1-4番レコード番号33CX1140作曲家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト演奏者デニス・ブレインオーケストラフィルハーモニア管弦楽団指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤン録音種別MONO コンディション ジャケット状態EXレコード状態EX製盤国GB(イギリス)盤 通販レコード詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。オーダー番号34-24205通常価格2,750円(税込) (さらに…)...
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冬の水一枝の影も欺かず カッチェン、ガンバ指揮ロンドン響 ベートーヴェン・ピアノ協奏曲2番、4番

冬の水一枝の影も欺かず カッチェン、ガンバ指揮ロンドン響 ベートーヴェン・ピアノ協奏曲2番、4番

通販レコードのご案内確かなメソードを身につけ、音楽性、肉体の成長を無理せず、スコアを洞察し、その自然な成長で「聴かせる音楽」をクリエイトしたピアニスト 《英 ワイドバンド ED2盤》GB DECCA SXL6082 カッチェン&ガンバ ベートーベン・ピアノ協奏曲2&4番 ベートーヴェンのピアノ協奏曲などの録音を担当したプロデュサーによれば、カッチェンは、スタジオ録音であっても、各楽章は1つの曲としてまとまったものであるべきだという考え方だった。そのため、スタジオ録音でもほとんど編集をしていなかった。録音を担当した DECCA のプロデューサーはカッチェンについて、「いつも大きな笑顔を浮かべ、エネルギッシュで社交的だった。陽気で誰からも愛される性格で、自己中心的なところがあるが、それがとても魅力的だった」と言っている。 立体感のある華やかさが感じられる第3番、「皇帝」のニックネームでおなじみ、大規模で男性的な5番、と各々魅力あるベートーヴェンのピアノ協奏曲。それぞれに個性の違う5つの協奏曲。 壮大で構築的な「エロイカ」を書いたベートーベンが次にチャレンジした第4番はガラリとその性格を変えて、何よりもファンタジックなものを交響曲という形式に持ち込もうとした、味わい深く、緻密な相貌をみせます。 この作品はピアノソナタの作曲家と交響曲の作曲家が融合した作品だと言われ、特にこの時期のベートーベンのを特徴づける新しい世界への開拓精神があふれた作品だと言われてきました。 それは、第1楽章の冒頭においてピアノが第1主題を奏して音楽が始まるとか、第2楽章から、そのまま第3楽章に切れ目なく流れていくとか、形式的試みだけでも注目するところてんこ盛りですが、それよりも重要なことは作品全体に漂う即興性と幻想的な性格にこそベートーヴェンの新しいチャレンジがあります。パセティックでアパショナータなベートーヴェンは姿を潜め、ロマンティックでファンタジックなベートーヴェンが姿をあらわしているのです。 シューベルトにピアノ協奏曲があれば、この第4番のようなものだったでしょう。惜しいことに、シューベルトがピアノ協奏曲を作曲した痕跡はありませんが。とりわけ、第2楽章で聞くことの出来る「歌」の素晴らしさに、「復讐の女神たちをやわらげるオルフェウス」とリストは語りましたし、ショパンのプレリュードにまでこの楽章の影響が及んでいることを指摘する人もいます。 第5番の協奏曲は、充分に間を置いて作曲にとりかかっていること。ベートーヴェンのピアノ音楽の集大成で非の打ち所がないものですが、ベートーヴェンのピアノ協奏曲として第5番を完成する時間がなかったとしても、第4番を最高傑作に推すこと、わたしは躊躇ありません。 カッチェンのピアニズムは、たいへんコントロールがきいている。それに知的な解釈。 驚異的な技巧と深い教養に裏打ちされた音楽的な表現が印象深いカッチェンの演奏は、抒情的な感情に溺れることなく理知的で、現代人の感覚にもストレートに訴えかけてきます。レパートリーは古典から現代曲まで、またスラヴものからドイツ、フランス、アメリカものまで幅広く、デッカには40数枚のLP録音を残しました。洗練されたカッチェンの美しきピアニズムは本盤でも遺憾なく発揮され、淡々とした美しさを奥深い透明感で貫いて描ききる素晴らしい名演。数々の英デッカのオーディオファイルレコードで、カッチェンは弾力的なリズム感と固い構成感で全体を見失わせない実に上手い設計で聴かせてくれる。冒頭から終わりまで息もつけぬ緊張感を味わえます。  全ての葉を落としてしまった木々の枝が、鏡のような冬日の水面に映っている。  葉を落としきった枝の全ての細かい部分まで欺くことなく、くっきりとその水面は映し出している  そして、冬の木々が内包する真実を、木々の姿の実像以上にその水面に鮮やかに描き出している。  この冬の木々を映し出した水面はカッチェンのピアノ、鏡のような黒いレコード盤にベートーヴェンの真実を描き出している。  カッチェンの演奏は理知的なアプローチだと言われたりするが、当時、カッチェンは”あまりに急ぎすぎる”、”衝動的に突進する”とずっと批判されていた。これに対して、編集者のジェレミー・ヘイズは「それほどに音楽的な衝動に突き動かされてピアニストが弾いているのを聴くことができるというのは、驚くべきことだ」と言っている。  英デッカ社は、この米国の逸材から利益を計上したと関係者から聞いた事が有ります。一頃のデッカのピアノ部門はカッチェンが背負っていたと云っても過言でないことを証明する名盤。ジュリアス・カッチェンは42歳の若さで亡くなったアメリカ人ピアニスト。ピアニストとしての活動が20年ほどと短かったけれど、レパートリーは幅広く数多くの録音を残している。  再録音した曲もかなりあり ― ブラームスの「ピアノ・ソナタ第3番」「ヘンデルバリエーション」、ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」、ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」など ― 録音した作品は、ベートーヴェン、ブラームス、リスト、メンデルスゾーン、チャイコフスキー、グリーグ、シューマン、モーツァルト、ショパン、ラヴェル、プロコフィエフ、ラフマニノフ、ムソルグスキー、ガーシュウィン、ストラヴィンスキー、ブリテン、ローレムなど。戦後パリに住んでいたアメリカ人作曲家のネッド・ローレムとは友人で、ピアノ協奏曲第2番の初演、ピアノ・ソナタ第2番の初録音を行っている。後年になると、シューベルトの最後のソナタやベートーヴェンのディアベリ変奏曲のような偉大な作品に対して、哲学的な観点から熟考したカッチェンの解釈が注目される。もし、彼がガンで42歳の若さでこの世を去らなければ、音楽的により深い解釈者へと深化していたかもしれない。1963年6月17日〜19日録音。オーダーはリンク先の詳細掲載ページで 通販レコード詳細・コンディション、価格 プロダクトレコード番号SXL6082作曲家ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン演奏者ジュリアス・カッチェンオーケストラロンドン交響楽団指揮者ピエリーノ・ガンバ録音種別STEREO 販売レコードのカバー、レーベル写真 "MADE IN ENGLAND BY THE DECCA"WIDE BAND WITH GROOVED ED2, STEREO 1枚組 (162g), Release 1963, Stamper 2W/3W.コンディションジャケット状態EXレコード状態EX製盤国GB(イギリス)盤通販レコード詳細の確認、特別価格での購入手続きはオーダー番号のリンク先で行えます。オーダー番号34-5039特別価格10,560円(税込)通常価格13,200円(税込) (さらに…)...
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個性は普段着から*イダ・ヘンデル、ベルグルンド、ボーンマス響 シベリウス&ウォルトン・ヴァイオリン協奏曲

個性は普段着から*イダ・ヘンデル、ベルグルンド、ボーンマス響 シベリウス&ウォルトン・ヴァイオリン協奏曲

無二の個性は普段から発散していた ― ダメであれば最初から弾き直して決してつぎはぎはしなかった。 ポーランド出身、英国の大女流ヴァイオリニスト ― イダ・ヘンデル(Ida Haendel/1928~2020)は、ヨハンナ・マルツィやジネット・ヌヴーと同世代。カール・フレッシュとエネスコに師事し、彼女の演奏をシゲティも絶賛している。1935年ワルシャワで開催された第1回ヴィエニャフスキ国際コンクールで第7位に入賞(1位はヌヴー、2位がオイストラフ)。ヌヴーが49年に飛行機事故で早世したため、戦後のもっとも有名な女性ヴァイオリニストとなった。鋭いテクニックと、ニュアンスに富んだ音色が特徴的だが、気品よりは感情表出の激しさによって、女性ヴァイオリニストの中でも一頭地を抜いている。ヘンデルは幼少よりフレッシュやエネスコといった大家から音楽やヴァイオリンの基礎を学び、8歳でプロムス・コンサートで華々しくロンドン・デビューを飾ったという天才少女。  ポーランド出身で Muza にはモノラル時代を含め多くの作品が残っていますが録音嫌いで、録音が極端に少ないためキャリアの割に情報は少なく過去の演奏家に錯覚されてそうだが、今も現役で活躍しています。今なお現役で、2008年に来日したときにスタジオで収録したアルバム『魂のシャコンヌ』(RCA BVCC-31116)が発売された。テクニックや艶やかな音色にはいささかの衰えもみせてはいないが、押しつけがましくない正確な感覚によるスタイル、見事なまでに自由なフレージング、楽曲の大きな方向惟に対する鋭い感覚といったヘンデルの資質は、冷静な正確さや小節レベルの 派手さといった部分的なものにこだわっていないからこそ賞賛される。  ヘンデルは録音の際には決してつぎはぎはしないそうだ。つまり、ダメであれば小品なら最初から、ソナタであれば楽章単位で弾き直すというわけです。必要以上に細部のミスにこだわったような雰囲気は感じられない。  ざっと500年続いて絶えていない〝ドイツ音楽〟はベートーヴェンからブラームスを中心に、そこにはシューマン。前後にはバッハやブルックナーまで人それぞれに名前が浮かぶと思います。それに対して、ウォルトンをはじめイギリスの音楽とは20世紀の音楽です。  ヘンリー・パーセル以来、長らく自国産の作曲家を生み出さなかったため、イギリス音楽は最初にシベリウスの音楽に親近を示し、ウォルトンをはじめ作曲家たちも、その成果を摂取したのでした。民族的なものを昇華することと、表現主義の時代でもあった20世紀にあって、遅れて来た作曲者の輩出は、表現主義的なものの反動でもあった新古典、そして、イギリス紳士らしく微温な保守性が垣間見える作品となりました。また、イギリスとシベリウス録音は縁があり、ベルグルンドの最初のシベリウス交響の全集はイギリスのボーンマス交響楽団との間に為されています。  20世紀は情報の時代で、戦争中の国民心理をラジオ放送が扇動した。そして、レコードによって全ヨーロッパに広まったのがイギリス、北欧音楽といえるでしょう。北欧のオーケストラの成熟を前にイギリスのオーケストラが支えた。それらのオーケストラを伴奏に、シベリウスやイギリスの作曲家のヴァイオリン協奏曲は、ヤッシャ・ハイフェッツ、ユーディ・メニューインによって広まり、ポーランドの音楽はイダ・ヘンデルも、また取り入れている。 通販レコードのご案内《米デジタルリマスター盤》US ANGEL AE-34501 イダ・ヘンデル シベリウス&ウォルトン:ヴァイオリン協奏曲 1975年録音の高名なシベリウス・ヴァイオリン協奏曲(ASD3199)のデジタル・リマスター盤。カップリングは「2つのセレナード」、「ユーモレスク5番」からウォルトンの《ヴァイオリン協奏曲》に変更されています。80歳代になっても第一線で活躍し続けた彼女は、その長いキャリアにも関わらず、録音の少ないことで有名です。 生前のシベリウス自身にも認められたというこのヴァイオリン協奏曲は、彼女の代表的名演。シベリウスの美しいメロディをひときわ引き立てる感性と表現力、3楽章での完璧な超絶技巧の冴えは圧巻。シベリウスのスペシャリストであるパーヴォ・ベルグルンドの伴奏も言うことなし。 イダ・ヘンデルは鋭いテクニックを持ったヴァイオリニストの一人で英国のエルガー、ウォルトン等の協奏曲はもちろんのことフィンランドのシベリウスの協奏曲も大変得意としており1982年にはその功績にフィンランドの「シベリウス協会」から「シベリウス・メダル」も贈られている。楽器はストラディヴァリウス(1696年製)を使用。(シベリウス)1975年7月7&8日サザンプトン、ギルドホール録音。(ウォルトン)1977年6月録音。プロデューサー:David Mottley、エンジニア:Neville Boyling。ステレオ録音。  ヘンデルはヨーロッパ大陸の出身者にもかかわらず、イギリス音楽にも深い関心と理解を示し、英国楽壇への功労が認められ、1991年にはCBEを受勲した。  エルガーやブリテンの協奏曲を積極的に演奏・録音したほか、ウォルトンの《ヴァイオリン協奏曲》の録音は、この作品の模範的演奏の一つに数えられている。この《ヴァイオリン協奏曲》は、それほど親しまれてはいませんが非常に厳粛でロマンティックな作品であり、とりわけ第2楽章がそのような性質を持つ。特に第3楽章はとりわけバイオリンの超絶技巧が要求され、ダブル・ストップや急速なアルペッジョが目立っている。技巧派のヘンデルが選んだのも無理ない話。聴き終わって、「音楽を聴いた」と感じる録音です。  イタリア的なものの志向。決して、弦楽器の奏法に精通(せいつう)していなかったウォルトンですが、残された協奏作品であるヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの3つの協奏曲は広く知られています。3曲ともに、要求されるものは高いのに対し、技巧を喧伝するタイプの曲種ではありません。舞曲的な源泉をもち、派手に効果をあげるよりはむしろ抑制されたところに真価を発揮する。1楽章の叙情も、明瞭に光を帯びたそれではなく、ヴェールを帯びたもので、明瞭にそうした輪郭を描かないのもイギリス的なものの体質です。ヴァイオリンもその中でよく歌います。イダ・ヘンデルの演奏は、そこにあって、すべて的確に収められ過不足無く作品の性格を表現する。抒情的な性格は、ベルグルンドの指揮も巧みで、ヴァイオリンも引き立てますが、すでに、ヴァイオリンの技巧がそうしたバランスの中に引き立たせられる書法となっているのです。 通販レコード詳細・コンディション、価格 Walton · Sibelius - Ida Haendel, Bournemouth Symphony Orchestra, Paavo Berglund ‎– Violin Concertosプロダクトレコード番号AE-34501作曲家ジャン・シベリウス ウィリアム・ウォルトン演奏者イダ・ヘンデルオーケストラボーンマス交響楽団指揮者パーヴォ・ベルグルンド録音種別STEREO 販売レコードのカバー、レーベル写真SILVER WITH BLACK LETTERING, STEREO 1枚組(130g), Release 1986。 コンディションジャケット状態VG(右下にカットあり)レコード状態EX++(シベリウス2楽章に僅かなスクラッチノイズ)製盤国US(アメリカ合衆国)盤通販レコード詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。  オーダーは 品番 / 34-15644 販売価格 6,600円(税込) 「クレジットカード決済」「銀行振込」「代金引換」に対応しております。 (さらに…)...
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人気盤★定番 ジャクリーヌ・デュ・プレ、ジャネット・ベイカー バルビローリ指揮ロンドン響 エルガー・チェロ協奏曲、海の絵

人気盤★定番 ジャクリーヌ・デュ・プレ、ジャネット・ベイカー バルビローリ指揮ロンドン響 エルガー・チェロ協奏曲、海の絵

Elgar, Jacqueline Du Pré, London Symphony Orchestra, Sir John Barbirolli, Janet Baker – Cello Concerto / Sea Pictures – His Master's Voice – ASD 655 現在でもこの曲の最高の録音の1つとしてレコード・ファンの間でも極めて人気のある一枚。■同曲屈指の名演であり、オーディオファイル盤としても名高い名盤。初版、2版、3版のアナログ盤が発売されました。再販となる大ニッパーながら、英国本国盤らしくなかなかの高音質です。 通販レコードのご案内GB EMI ASD655 デュ・プレ、ベイカー&バルビローリ エルガー:チェロ協奏曲、歌曲集「海の絵」 余りにも早くこの世を駆け抜けていってしまったデュ・プレ。短い人生を惜しむかのように激しい気迫と卓越した技巧で圧倒的に迫ります。1971年に発症。その診断結果は心因性のノイローゼだと言われ、不治の病とは誰も思わなかった。5ヶ月間の休息を得て録音したショパンとフランク(ASD2851)が最後になった。バックはバルビローリ&ロンドン交響楽団、エルガーをサポートする上では万全な布陣で、耳を澄(す)ますとバルビローリの居合いの唸り声が微かに聴こえるのは気合の証拠でしょう。第2面は歌曲集《海の絵》。ここで歌っているジャネット・ベイカーも、まるでマーラーの《亡き子を偲ぶ歌》を思わせ、デュ・プレを偲んでいるようなコントラルトで共感を覚えます。ステレオ録音。 チェロは人の声に近いとされる。― 声楽曲と組み合わされたことを考える。 デュ・プレのレコードは人気があり、高価ですが、この盤はその中では比較的安価で手に入りやすい部類だから彼女の愛好家には嬉しい限りだ。本盤は、ジャネット・ベイカーが歌う歌曲集《海の絵》とのカップリングになった初出。ASD2764 でジャクリーヌ・デュ・プレのディーリアス・チェロ協奏曲との組み合わせのレコードも出ていたことからも、人気が高かったことがわかる。それで、プレス枚数も多かったのでしょうか。 エルガーは冒頭からチェロの見せ場で、デュ・プレの気迫溢れる激しい音が軸となりオーケストラが終始伴奏する感じなのだが、その伴奏もバルビローリの統一された指揮の下、オーケストラも伸び伸びと歌い上げる。彼女のために作曲されたと十分に納得させられる。1965年優秀録音、名演、名盤。 プロダクト 品番34-27048商品名GB EMI ASD655 デュ・プレ、ベイカー&バルビローリ エルガー:チェロ協奏曲、歌曲集「海の絵」レコード番号ASD655作曲家エドワード・エルガー演奏者ジャクリーヌ・デュ・プレジャネット・ベーカーオーケストラロンドン交響楽団指揮者ジョン・バルビローリ録音種別STEREO コンディション ジャケット状態M-レコード状態M-製盤国GB(イギリス)盤カルテ(協奏曲)NEW NIPPER, STEREO (110g) オーダー・リンクと販売価格詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。オーダーは品番 / 34-27048販売価格6,600円(税込) (さらに…)...
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名匠同士唯一の共演且つ稀代の名演*オイストラフ、クリュイタンス指揮フランス国立放送管 ベートーヴェン・ヴァイオリン協奏曲

名匠同士唯一の共演且つ稀代の名演*オイストラフ、クリュイタンス指揮フランス国立放送管 ベートーヴェン・ヴァイオリン協奏曲

通販レコードのご案内クリュイタンスのバックも万全でベートーヴェンのイメージそのもの、現在の演奏では聴くことが出来ないドイツ音楽らしいゴツゴツ感があり、素晴らしいの一言に尽きます。《仏ロイヤル・ブルー、銀文字盤、フランス製棒付きジャケ》FR VSM/COLUMBIA CVB817 オイストラッフ/クリュイタンス/フランス国立放送管 ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲 このベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は、オイストラフの至芸を愛でる者にとっては格別のレコードです。一聴すると全盛期の彼の芸風は、より感情の起伏を織り込んでいるようで、かなり感情的な演奏になっています。1950年代後半のオイストラフの巧さ・重厚さは、驚異的なドライヴを展開しています。テンポも速からず、ゆったりと歌い上げる。多少速めに弾いてる曲でも、なぜかゆったりして聴こえる。音符を弾いているのではなくて、一音一音に意味があり、まるで言葉で話しかけられているように思えます。  彼の語り方一つ一つに感動させられ、飽きる事なく針を落とすと必ず最後まで、と言う気になる。おそらく、彼独特の線の太さも貢献していると思う。何れにしていも豊満な美音で悠然と歌う、しかし時には威嚇するとでも表現した方が相応しいフレーズも散見されるオイストラフの真骨頂が発揮された一枚であることは間違いない。懐の深い雄大な演奏です。  豊麗で伸び伸びとしたオイストラフのヴァイオリンと音楽性豊かなクリュイタンスの指揮がベスト・マッチ。ベルリン・フィルとの全曲でベートーヴェンを得意としていたクリュイタンスと、ここではフランス国立放送管弦楽団のバック、録音会場もパリの音響効果が抜群の体育館サルワグラム、もう何も云うことなし。20世紀におけるヴァイオリン協奏曲の一つの頂点を築いた、永遠の輝かしい記録がこのディスクに刻まれています。ステレオ録音。レコード芸術推薦盤。1958年、パリのサルワグラムでのセッション録音。名演奏、優秀録音、名盤。 20世紀を代表する両巨匠が共演した唯一の録音にして歴史的名盤。英国盤 SAX2315 初期盤の良好なものは入手困難につき、コンディション良好かつ高音質の本盤を大推薦いたします。 通販レコード詳細・コンディション、価格 プロダクトCOLUMBIA CVB 817 - FRENCH NATIONAL RADIO ORCHESTRA conducted by ANDRE CLUYTENS, DAVID OISTRAKH - BEETHOVEN - Violin Concerto op.61レコード番号CVB817作曲家ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン演奏者ダヴィッド・オイストラフオーケストラフランス国立管弦楽団指揮者アンドレ・クリュイタンス録音種別STEREO仏パテ社製セミサークル初期プレス, STEREO 1枚組(160g)重量盤, 英国コロムビア同一スタンパー YLX 使用盤。 コンディションジャケット状態M-レコード状態EX++製盤国FR(フランス)盤《セミサークル》 基本的には、赤の地に上半分の半円の中に蓄音機とニッパーの絵が入り、半円の上部は「HIS MASTER’S VOICE」のロゴが印刷されたデザインになります。これを、「ラージ・ドッグ・イン・セミサークル(半円、ハーフムーン)」と呼びます。フランス盤は、LA VOIX DE SON MAITRE(VSM)となる。 HMVの名演・名録音がカタログを埋め尽くしている。番号では、ASDの576あたりから2470までは、ステレオ録音のオリジナルであると考えられています。中でも、シューリヒトのブルックナー、ケンペ・バルビローリの一連の録音、そして、デュ・プレの名盤は、オーディオファイル・音楽ファンの憧れの的です。通販レコード詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。  オーダーは 品番 / 34-25733 販売価格 10,000円(税込) (さらに…)...
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生涯心と耳を感動させる☆プレミアム5選 バイロイトの第九 終戦を願うマタイ 女性ならではの切ない情念が包むブラームス

生涯心と耳を感動させる☆プレミアム5選 バイロイトの第九 終戦を願うマタイ 女性ならではの切ない情念が包むブラームス

20世紀の人類の遺産、バイロイトの第九。 通販レコードのご案内《仏LARGE DOG IN SEMI-CIRCLE盤》FR VSM FALP30048-49 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー エリザベート・シュワルツコップ エリザベート・ヘンゲン ハンス・ホップ オットー・エーデルマン バイロイト祝祭管弦楽団 ベートーヴェン:交響曲9番(1951年バイロイト音楽祭) 1951年7月29日、バイロイト祝祭劇場でのライヴ録音。通称「バイロイトの第九」はバイロイト音楽祭の戦後初開催の初日に行われた伝説の実況録音盤で、まさに20世紀の人類の遺産ともいうべきレコードです。英国盤(超高価)を除けば最も音質的評価の高いフランス盤、盤質も良好でこなれた価格のお勧め品。フランス・プレス盤、モノラル録音。1951年7月29日にバイロイト祝祭劇場でのライヴ録音。優秀録音、名演、名盤。 詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。 https://recordsound.jp/analogsound/index.php?mode=detail&gid=27453 破滅的な大戦争を前にして、この受難曲演奏会が最後となることを知っていたかのような、迫真の記録。 通販レコードのご案内《南アプレス盤、Minigrooveプラムレーベル》ZA PHILIPS A00150L ウィレム・メンゲルベルク カール・エルブ ウィレム・ラヴェリ ヨー・フィンセント イローナ・ドゥリゴ ルイ・ファン・トゥルダー ヘルマン・シャイ コンセルトヘボウ管弦楽団 アムステルダム・トーンクンスト合唱団 バッハ:マタイ受難曲 オランダの巨匠メンゲルベルクは、1895年にコンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者となって以来バッハの演奏に情熱を注ぎ、とりわけ「マタイ受難曲」を多く取り上げました。毎年復活祭に演奏する伝統は、第二次世界大戦勃発により途絶えてしまったそうです。これは第二次世界大戦直前の1939年4月2日の歴史的ライヴ録音。誰もが魂を揺さぶられる名演中の名演です。1952年発売のオリジナル、入手困難レア盤。珍しい南アフリカ共和国プレスですが音質クリアで問題ありません。ノイズは全体的にごく僅かな良好盤です。モノラル録音。1939年4月2日にアムステルダム、コンセルトヘボウでの録音。カルル・エルプ(テノール)、ウィレム・ラヴェッリ(バス)、ジョー・ヴィンセント(ソプラノ)、イローナ・ドゥリゴ(アルト)、ルイ・ファン・トゥルダー(テノール)、ヘルマン・シャイ(バス)、ピエト・ファン・エグモンド(オルガン)、ヨハンネス・デン・ヘルトグ(ハープシコード)、ルイ・ツィンマーマン(ヴァイオリン)、G.ブランハード(オーボエ・ダ・モーレ)、W.ペッデモルス(オーボエ・ダ・カッチャ)、フーベルト・バルワーザー(フルート)、ザンハルスト少年合唱団(合唱指揮:ウィレム・ヘスペ)。  メンゲルベルクがアムステルダム・コンセルトヘボウ管に君臨する1899年以来、毎年棕櫚の日曜日(復活祭直前の日曜日)に演奏されてきた「マタイ受難曲」。1939年4月2日の祝日にオランダ放送によって収録された、名演として名高いライブ録音です。この演奏は、バッハの演奏スタイルにおける、一昔前の、モニュメンタルでロマン派的な伝統を代表するものとはいえ、心の奥深いところで感動している精神性、痛切さ、共感を有するものです。あたかも、現場に居合わせた人全員が、1939年9月に欧州で勃発する破滅的な大戦争を前にして、この受難曲演奏会が最後となることを知っていたかのような、迫真の記録を聴くことができます。 昔から伝説的に語られていますが、第39曲の有名なアルトのアリア「憐れみたまえ、わが神よ、したたり落つるわが涙のゆえに」、第47曲「主よ、憐れみたまえ」で観客がすすり泣く声が入っています。それくらい異様な空気の中で演奏が進みます。演奏スタイルはロマンティックで、現代から見れば、モダン・オーケストラでの恣意的な演奏と取られても仕方がない類ですが、けして良いとは言い難い音質ともども物ともしない感動を呼びます。その時代背景を知れば、尚更その衝撃だけでも演奏が心に突き刺さり残ります。カール・リヒター盤と並んでこの曲最高の名盤、かつ人類の至宝とまで讃えられた逸品。イエスの受難と弟子たちの懊悩をここまで文学的に表出した演奏は唯一無二なものです。 SPレコード録音の時代ですが、イギリス、ドイツと同様、北海を挟んで向かい合うオランダでも兵器としての音響技術が進んでいた。このライブ録音は、フィリップス=ミラー録音システムが用いられている。この録音システムは、黒色に塗布されたセルロイドのフィルム上に、サファイア・ガラスの針で刻みこんで録音し、映写フィルム同様に読み取るものです。(映画のサウンドトラックに利用される方式とほぼ同じ)この方式により、当時の商業レコードである78回転SPレコード録音よりも長時間かつ、より広い周波数帯域の収録が可能となりました。 しかし、録音成果は完璧なものではありません。突然の電圧不安定によるものか音量レベルが変動したりも起こりますが、良い部分では、1950年代初期のテープ録音に匹敵する音質に達し、感動的な場面におけるメンゲルベルクの迫力を聴き取ることが可能です。 詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。 https://recordsound.jp/analogsound/index.php?mode=detail&gid=27452 前期ロマン派に対するクレンペラーのアプローチは素晴らしい。毅然として、べたつかない浪漫を感じます。 通販レコードのご案内《BLUE & SILVER オリジナル》GB COLUMBIA SAX2397 オットー・クレンペラー フィルハーモニア管弦楽団 シューベルト:交響曲第9番「ザ・グレート」 クレンペラーならではの分厚く荘厳な、唯一無二の「ザ・グレート」。貴重なB/S初期盤、ノイズはごくわずかな良好盤です。しなやかさも感じられる各楽器の音色、バランスは鮮明でした。イギリス・プレス、オリジナル盤、ステレオ録音。1960年11月にロンドン、キングズウェイ・ホールでのセッション録音。プロデュースはウォルター・レッグ、エンジニアはクリストファー・パーカー。優秀録音、名演、名盤。  シューベルト交響曲第9番「ザ・グレイト」、シューベルトの交響曲の中でも「未完成」と肩を並べる名作交響曲。後に誕生した多くの交響曲に影響を及ぼした。シューベルトの死後、発見された「未完成」は、「名誉ディプロマ」を授与された返礼としてグラーツ楽友協会に贈ったが、劇付随音楽『ロザムンデ』に音楽を流用するため第3・第4楽章の楽譜の返還を求め、グラーツ楽友協会側は残りの楽章が送られてくるだろうからと引き出しの奥にしまい込まれていた。 シューベルトの死後から、10年。墓参をしたシューマンはウィーンのシューベルト宅を訪問した。故人の部屋を管理していた兄フェルディナントは死後そのままにシューベルトの仕事机を保管していた。シューベルトはあくまで歌曲や小規模な室内楽、ピアノ曲などを演奏する、気心知れた仲間内の演奏会「シューベルティアーデ」の作曲家という認識しか持っていなかったシューマンは、その机の上にあった長大な交響曲を発見し、シューベルトを歌曲の作曲家と見ていた自らの認識を覆すその作品に驚愕した。1826年に完成された、同曲はウィーン楽友協会へ献辞を添えて提出されていたが、演奏困難との理由で演奏されることはなかった。演奏されるのを待つばかりの楽譜は、シューベルトの仕事机の上にそのままあった。 指示通りに演奏しても60分以上かかる大曲であり、シューマンは曲をジャン・パウルの小説にたとえ、「すばらしい長さ (天国的な長さ)」と賞賛している。シューマンはぜひこれを演奏したい、とメンデルスゾーンのもとに楽譜が届けられた。1838年3月21日、メンデルスゾーンの指揮、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏によって、この交響曲は初演された。 シューベルトの死後から、10年。ベートーヴェンを尊敬してやまなかったシューベルト、渾身の交響曲はついに音となり、鳴り響いた。ベートーヴェンの交響曲の規模の大きさと力強さとを受け継ぎ、彼独自のロマン性を加えて完成された作品となっており、後のブルックナー、マーラー、20世紀のショスタコーヴィチなどの交響曲につながっている。 20世紀を代表する巨匠クレンペラーがフィルハーモニアと贈るシューベルトの大人気交響曲。クレンペラーが得意としたマーラーやブルックナーの交響曲に匹敵する長大な交響曲である「ザ・グレイト」は、重厚的かつバランス良く奏でられる。覇気がある演奏で、曲の存在感はより大きいものとなっている。ホルン2本のユニゾンでおおらかに始まる第1楽章の開始部分は、シューマンの交響曲第1番『春』やメンデルスゾーンの交響曲第2番、ブラームスのピアノ協奏曲第2番のモデルとなっている。リズミカルなモチーフを主体として主題が構成されている主部は、尊敬してやまなかったベートーヴェンの特に交響曲第7番と多くの共通点を持つ一方で、大胆な転調や和声進行にシューベルトらしさが満ちあふれている。第3楽章はスケルツォ、後のブルックナー後期作品を思わせるような息せき切るような主部の旋律と、シューベルトらしい旋律に溢れた雄大な中間部トリオの対照が効果的である。長大な最終楽章。この楽章ならではのオスティナートと強弱のコントラスト、激しい転調に特徴があり非常に急速で息を付かせない。旋律にはベートーヴェンの交響曲第9番の「歓喜の主題」が改変されて引用されており、ベートーヴェンに対するオマージュと考えられる。 詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。 https://recordsound.jp/analogsound/index.php?mode=detail&gid=27454 語り継がれていく名盤 ― 聴き手の心を震わせる、誉れ高き名盤。 通販レコードのご案内《英プレス盤 SEMI-CIRCLE ANGEL》GB ANGEL ANG35137 ヨハンナ・マルツィ パウル・クレツキ フィルハーモニア管弦楽団 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 マルツィの代表的な名盤で、英COLUMBIA盤はコレクターズ・アイテムとして有名な高額盤。このANGEL盤は英国プレスでジャケットのみ米国で作られています。値段はCOLUMBIA盤よりかなりリーズナブルです。イギリス・プレス盤、モノラル録音。1954年2月にロンドン、キングズウェイ・ホールでのセッション録音。  ヨハンナ・マルツィは1924年ハンガリー生まれ。生前のフバイに教えを受け、その才能を約束された。大戦を逃れ、夫婦はスイスへ移住。当初、オランダで活動を行う。1950年、スイスで出会った富豪からイタリアの銘器、カルロ・ベルゴンツィ「タシリオ」を貸与され、全ての録音に使用した。1953年ロンドン・デビューを果たし、そして、ウォルター・レッグの目に留まり、このブラームスが英Columbiaで最初の録音となった。  その容姿ゆえ、英国で人気の高かったマルツィのブラームスはこのように録音され、60年を経た今なお多くのファンから高い支持を得ている。今から思えば女流ヴァイオリニスト・ブームというのは、このLPから始まったように思う。このレコード録音ほど、それまで意識したことのなかった女流奏者という存在を印象付けたLPは無い。確かにこの曲には名だたる名演がひしめく。ブラームスという曲と女流というのがとても合っているようだ。女性ならではの切ない情念が包み、しかもそれが高い気品を持った名品。  いかに優れた音楽家であったにせよ、ハンガリーの片田舎出身のヴァイオリニストが、その死後40年以上経た今日も名声と伝説とオーラを保ち解き放っているという事実は驚嘆に値する。勿論この名声と伝説はこれからも語り継がれていくと思います。  異常なまでの集中力とそれを支える精神力は、マルツィの演奏に感じさせる類いまれな緊張感のエネルギーみたいなもので、演奏する作品と何とも云えない一体感を感じさせてくれます。 詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。 https://recordsound.jp/analogsound/index.php?mode=detail&gid=27451 アメリカの挑発にも、どこ吹く風。ソ連の若き演奏家が戦争の不安を吹っ飛ばしてしまう。 通販レコードのご案内《英プレス LARGE DOG IN SEMI-CIRCLE 盤》GB EMI ALP1460 ダヴィッド・オイストラフ シャルル・ミュンシュ ボストン交響楽団 ショーソン:詩曲、サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ、ベルリオーズ:ロメオとジュリエット(抜粋) ショーソンの『詩曲』の名演として知られる1枚。ソロ・ヴァイオリンがオイストラフという非常に贅沢なキャスティングです。イギリス・プレス盤、モノラル録音。1955年12月14日にボストン、シンフォニー・ホールでのセッション録音。 このほの暗い響きは、印象派以降の近代フランスの音楽には滅多に聞かれないもので、ショーソン独特のものである。というよりもこの曲独特と言ってよいだろう。ショーソンは若くして(44歳)不慮の事故(一部では自殺説もあるそうです)で亡くなったために、日本での認知度はあまり高くないようです。そんな中で、唯一知れ渡っているのがこの「詩曲」です。幼い頃から優れた家庭教師によって英才教育を施され、幸せな結婚と裕福な家庭生活を築き上げると言う、ヨーロッパにおける典型的な中産階級の一員でした。ショーソンは表面的には非常に恵まれた環境のもとでその人生を送ったかのように見えます。しかし、そんな表面的な豊かさとは裏腹に、彼の作品からは、その内面に巣くっているどうしようもないペシミズムが見え隠れします。この「詩曲」の全編を覆っているほの暗さには、世紀末ヨーロッパを蔽っていた、とらえ所のない漠然とした焦燥感や苛立ちのようなものが反映しています。 神秘的に静かに始まって、そしてあまりおおきな盛り上がりも見せずに最後も静かに曲を閉じるこの作品は、それほど一般受けする作品とも言えません。最初はツルゲーネフの『勝ち誇れる恋の歌』に触発されて書き始められたものの、やがてはその標題性を破棄して、ただ単に『詩曲』とされたのは、狭い文学世界のテーマを乗り越えて、その様な時代の風を反映したより普遍性の高い作品になった事への自負もあったのでしょう。技巧的とはほど遠いソロは華麗さの対極にある静謐さをたたえ、穏やかに歩を進める。  オイストラフの艶のある美音。ミュンシュ、ボストン交響楽団の伴奏も、豊かな色彩感と独特の抒情性を十全に表現し、ワーグナーの影響を受けたと言われるショーソンの情熱的な側面をも捉えた名演です。オイストラフがアメリカにデビューした頃の録音です。オイストラフはよく言われているように、若い時代の切れ味の鋭い演奏と、晩年のゆったりとした演奏とで、別人のような姿を見せます。そこには、何か音楽に対する「価値観」が変わったかのような変貌ぶりだったように思えます。 ここでのオイストラフは太めの豊かな響きでグイグイと作品を描いていきます。それに対してミュンシュの方もオーケストラを思いっきり煽り鳴らして世紀末の儚い夢 ― 先行きの不安など吹っ飛ばしてしまいそうです。  サン=サーンスの『序奏とロンド・カプリチオーソ』と同日に収録され、そのカップリングで発売された。当時の雪解けによって、ソ連の演奏家が徐々に西側に登場しはじめたころの文化的状況を背景にした歴史的な録音。詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。 https://recordsound.jp/analogsound/index.php?mode=detail&gid=27450 (さらに…)...
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♪のびやかな〝うた〟が魅力的 フルニエ&セル&ベルリン・フィル ドヴォルザーク・チェロ協奏曲

♪のびやかな〝うた〟が魅力的 フルニエ&セル&ベルリン・フィル ドヴォルザーク・チェロ協奏曲

ピエール・フルニエが米 CBS に録音する見返りにジョージ・セルがベルリン・フィルを振ることで成立した唯一のセッション。その演奏スタイルとノーブルな容姿から〝貴公子〟と謳われたフランスのチェリスト、フルニエ2度目となるドヴォルザークの代表的な録音。フランスの名チェリストであったフルニエがセルの指揮するベルリン・フィルハーモニーをバックに、1960年代初頭に録音した名盤の誉れ高いドヴォルザークのチェロ協奏曲。この協奏曲に内在する郷愁や憧憬を雄大なスケールで、しかも詩情豊かに表現した名演です。 通販レコードのご案内《RESONANCE》DE DGG 2535 106 フルニエ&セル ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ヴィンテージLPの人気盤となるとカザルス、ジャクリーヌ・デュ・プレ、ロストロポーヴィチを指折れるドヴォルザークのチェロ協奏曲。独奏のチェロとオーケストラとががっぷり四つに組んでぶつかり合う感じではなく、オーケストラとチェロとが室内楽みたいに掛け合いながら、のびのびと旋律を奏で、歌い上げていく雰囲気がフルニエ盤の魅力。フルニエのチェロのカンタービレな歌いぶりもいいし、ベルリン・フィルの管楽器群、殊にフルートやクラリネット、オーボエといった木管楽器の演奏が聴きどころ。歌わせるところではゆったりとメロディーを歌わせ、締めるべきところではぴしっと締めてアンサンブルを整えるマエストロ・セルの熟練の棒さばきの見事さ。これは、セルの下、フルニエとベルリン・フィルがドヴォルザークの歌をのびやかに歌い上げてゆく、そこに一番の趣と味わいがある演奏です。1962年6月ベルリン録音。録音は、ベルリン郊外のダーレム地区にあるイエス・キリスト教会で行なわれました。1950年代初頭から1972年までベルリン・フィルの録音がほぼ独占的に行なわれていたこの教会は、深みのある豊かな響きが特徴ですが、アナログ時代のドイツグラモフォンの名エンジニア、ギュンター・ヘルマンスは、その中でチェロ独奏を美しく明晰に際立たせつつ、その背後に大きく広がるオーケストラのソノリティを余すところなく録音に収めています。 販売レコードのカバー、レーベル写真BLUE LINE, STEREO 1枚組(110g), Release 1975。 通販レコード詳細・コンディション、価格土臭さ満載のこの協奏曲から、これほどまでに温かくノーブルで、しかも繊細な響きを引き出しているのは、まさにフルニエならではの至芸といえるでしょう。この協奏曲は、フルニエにとって愛奏曲の一つであり、そのフルニエのドイツグラモフォン時代の録音の中でも殊更評価が高く、ステレオLP時代を通じて、ロストロポーヴィチ/カラヤン盤(ドイツグラモフォン)と並び最高の名演とされていた1961年録音の歴史的名盤です(フランスADFディスク大賞、ドイツ・レコード批評家賞受賞)。これは1975年に再販プレスされたもの。プロダクト品番34-27348レコード番号2535 106作曲家アントニン・ドヴォルザーク演奏者ピエール・フルニエオーケストラベルリン・フィハーモニー管弦楽団指揮者ジョージ・セル録音種別STEREO コンディションジャケット状態M-レコード状態M-製盤国DE(ドイツ)盤通販レコード品番34-27348販売価格¥4,400(税込) 詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。 https://recordsound.jp/analogsound/index.php?mode=detail&gid=27348 「クレジットカード決済」「銀行振込」「代金引換」に対応しております。 (さらに…)...
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ストラディヴァリウスの個性を引き出している*ミルシテイン ヨッフム指揮ウィーン・フィル ブラームス・ヴァイオリン協奏曲

ストラディヴァリウスの個性を引き出している*ミルシテイン ヨッフム指揮ウィーン・フィル ブラームス・ヴァイオリン協奏曲

通販レコードのご案内汗が散る様子すら容易に目に浮かぶ。ミルシテンの感情が深いところから完全に音にのって現れてくるのが伝わる。ヴァイオリンの貴公子と呼ばれたミルシテインの、この気品はオーディオにこだわって再生して楽しみたいものだ。《独ブルーライン盤》DE DGG 2530 592 ミルシテイン&ヨッフム/ウィーン・フィル ブラームス・ヴァイオリン協奏曲 演奏家としては同門のハイフェッツと同じく傑出した超絶技巧の持ち主ではあったが、それを前面に押し出す演奏には消極的だった。むしろイザイを通じて身につけた、歌心と美音を尊重するベルギー楽派の優美な演奏スタイルが際立っている。そのためしばしばミルシテンはヴァイオリンの貴公子と称される。同門のハイフェッツやエルマン比してアクは少ない。しかしその音楽は決して退屈なものではなく、時にはフランス流エスプリ色の強い堅固に構築された音楽の中からほとばしる情熱を垣間見せる。 「彼は古今東西最も音が明瞭・透明なヴァイオリニストだ」とイツァーク・パールマン( Itzhak Perlman )は評していたようです。そのミルシテインは練習の虫で「もっと明瞭なフレージングができる指使いを発見したぞ」と友人に話し聴かせる事も多々あったようですが、演奏スタイルは「超絶技巧」を前面に出さず音色もフレージングも非常に明瞭で独特の気品があり、艶やかで匂い立つ様な色気に満ちた素晴らしいものです。  ミルシテインは、ブラームスのスタジオ録音を3種残した。最後になった本盤の録音ではミルシテインが70歳過ぎであるが、テクニックは衰えていない。どの演奏も過剰にテクニックをひけらかさず、過剰な感情移入も避けている。オーケストラのスケールの大きさ上手さではオイゲン・ヨッフム指揮ウィーン・フィルが一頭ぬきんでていて、ミルシテインはそれに一歩も引かない素晴らしい独奏を繰り広げている。  ブラームスのヴァイオリン協奏曲のカデンツァには大半がヨアヒムのもので、あとはクライスラーのものが演奏されることが多いが、ミルシテインは3度の録音いずれでもミルシテインの自作のものが用いられている。この演奏は文句無く最高で、他の追随を許さず超然としています。  この演奏を聞くとまず、これがスタジオ録音であるが、あたかもライヴのように生々しく、びりびり伝わってくるものがあります。そんな目の前で弾かれているかのような実在感と緊張感があるのは、ミルシテンの感情が深いところから完全に音にのって現れてくるからでしょう。汗が散る様子すら容易に目に浮かぶ物凄い熱演です。 1974年12月ウィーン、ムジークフェラインザールでのギュンター・ブリースト、ギュンター・ヘルマンスによる優秀録音、名盤 通販レコード詳細・コンディション、価格 Nathan MILSTEIN, Eugen JOCHUM/ Wiener Philharmoniker – BRAHMS: VIOLIN CONCERTO – Deutsche Grammophon 2530 592プロダクトレコード番号2530 592作曲家ヨハネス・ブラームス演奏者ナタン・ミルシテインオーケストラウィーン・フィルハーモニー管弦楽団指揮者オイゲン・ヨッフム録音種別STEREOドイツ初出 BLUE LINE, STEREO 1枚組(140g),Release 1975。 販売レコードのカバー、レーベル写真 コンディションジャケット状態M-レコード状態M-製盤国DE(ドイツ)盤《ブルーラインラベル》外周が青の二重線で囲まれたものです。通販レコード詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。  オーダーは 品番 / 34-25966 販売価格 4,400円(税込) 「クレジットカード決済」「銀行振込」「代金引換」に対応しております。 (さらに…)...
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現代が忘れ去りつつある何かがこの演奏に*リヒター指揮ミュンヘン・バッハ管○バッハ・ブランデンブルク協奏曲全曲

現代が忘れ去りつつある何かがこの演奏に*リヒター指揮ミュンヘン・バッハ管○バッハ・ブランデンブルク協奏曲全曲

通販レコードのご案内モダン楽器を選んだリヒターの峻厳なバッハ。バッハの世俗音楽はもっと気軽に聴きたいという気持ちもないわけではありませんが衝撃を受ける「ブランデンブルク」を代表する名盤の一つです。《独シルヴァー・ラベル》DE ARCHIV SAPM138 438/39 カール・リヒター ミュンヘン・バッハ管弦 バッハ・ブランデンブルク協奏曲(全曲) バッハ演奏に生涯をささげた巨匠、カール・リヒターによる有名なブランデンブルク協奏曲。  モダン楽器小編成オーケストラによる求心力の強いキビキビしたリズムと力強い推進力が特長のバッハ演奏。アンダンテで深い抒情を聴かせる、ニコレやクレメント、バウマン、リンデ、ヘッツェル等、ソリストが非常に豪華なのも特筆されるところ。リヒターのしつらえた完璧なフォルムの中にあって、随所で味わい豊かなソロを聴かせてくれています。  録音は歪みなく明せきな音質で各楽器がクリアーに聞きとれます。1967年、ステレオ録音。 通販レコード詳細・コンディション、価格 プロダクトレコード番号SAPM138 438/39作曲家ヨハン・ゼバスティアン・バッハオーケストラミュンヘン・バッハ管弦楽団指揮者カール・リヒター録音種別STEREOSILVER WITH BLACK LETTERING, STEREO 2枚組(150g)。 販売レコードのカバー、レーベル写真 コンディションジャケット状態EXレコード状態M-製盤国DE(ドイツ)盤通販レコード詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。  オーダーは 品番 / 34-26067 販売価格 6,600円(税込) (さらに…)...
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