生涯心と耳を感動させる☆プレミアム5選 バイロイトの第九 終戦を願うマタイ 女性ならではの切ない情念が包むブラームス

生涯心と耳を感動させる☆プレミアム5選 バイロイトの第九 終戦を願うマタイ 女性ならではの切ない情念が包むブラームス

20世紀の人類の遺産、バイロイトの第九。 通販レコードのご案内《仏LARGE DOG IN SEMI-CIRCLE盤》FR VSM FALP30048-49 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー エリザベート・シュワルツコップ エリザベート・ヘンゲン ハンス・ホップ オットー・エーデルマン バイロイト祝祭管弦楽団 ベートーヴェン:交響曲9番(1951年バイロイト音楽祭) 1951年7月29日、バイロイト祝祭劇場でのライヴ録音。通称「バイロイトの第九」はバイロイト音楽祭の戦後初開催の初日に行われた伝説の実況録音盤で、まさに20世紀の人類の遺産ともいうべきレコードです。英国盤(超高価)を除けば最も音質的評価の高いフランス盤、盤質も良好でこなれた価格のお勧め品。フランス・プレス盤、モノラル録音。1951年7月29日にバイロイト祝祭劇場でのライヴ録音。優秀録音、名演、名盤。 詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。 https://recordsound.jp/analogsound/index.php?mode=detail&gid=27453 破滅的な大戦争を前にして、この受難曲演奏会が最後となることを知っていたかのような、迫真の記録。 通販レコードのご案内《南アプレス盤、Minigrooveプラムレーベル》ZA PHILIPS A00150L ウィレム・メンゲルベルク カール・エルブ ウィレム・ラヴェリ ヨー・フィンセント イローナ・ドゥリゴ ルイ・ファン・トゥルダー ヘルマン・シャイ コンセルトヘボウ管弦楽団 アムステルダム・トーンクンスト合唱団 バッハ:マタイ受難曲 オランダの巨匠メンゲルベルクは、1895年にコンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者となって以来バッハの演奏に情熱を注ぎ、とりわけ「マタイ受難曲」を多く取り上げました。毎年復活祭に演奏する伝統は、第二次世界大戦勃発により途絶えてしまったそうです。これは第二次世界大戦直前の1939年4月2日の歴史的ライヴ録音。誰もが魂を揺さぶられる名演中の名演です。1952年発売のオリジナル、入手困難レア盤。珍しい南アフリカ共和国プレスですが音質クリアで問題ありません。ノイズは全体的にごく僅かな良好盤です。モノラル録音。1939年4月2日にアムステルダム、コンセルトヘボウでの録音。カルル・エルプ(テノール)、ウィレム・ラヴェッリ(バス)、ジョー・ヴィンセント(ソプラノ)、イローナ・ドゥリゴ(アルト)、ルイ・ファン・トゥルダー(テノール)、ヘルマン・シャイ(バス)、ピエト・ファン・エグモンド(オルガン)、ヨハンネス・デン・ヘルトグ(ハープシコード)、ルイ・ツィンマーマン(ヴァイオリン)、G.ブランハード(オーボエ・ダ・モーレ)、W.ペッデモルス(オーボエ・ダ・カッチャ)、フーベルト・バルワーザー(フルート)、ザンハルスト少年合唱団(合唱指揮:ウィレム・ヘスペ)。  メンゲルベルクがアムステルダム・コンセルトヘボウ管に君臨する1899年以来、毎年棕櫚の日曜日(復活祭直前の日曜日)に演奏されてきた「マタイ受難曲」。1939年4月2日の祝日にオランダ放送によって収録された、名演として名高いライブ録音です。この演奏は、バッハの演奏スタイルにおける、一昔前の、モニュメンタルでロマン派的な伝統を代表するものとはいえ、心の奥深いところで感動している精神性、痛切さ、共感を有するものです。あたかも、現場に居合わせた人全員が、1939年9月に欧州で勃発する破滅的な大戦争を前にして、この受難曲演奏会が最後となることを知っていたかのような、迫真の記録を聴くことができます。 昔から伝説的に語られていますが、第39曲の有名なアルトのアリア「憐れみたまえ、わが神よ、したたり落つるわが涙のゆえに」、第47曲「主よ、憐れみたまえ」で観客がすすり泣く声が入っています。それくらい異様な空気の中で演奏が進みます。演奏スタイルはロマンティックで、現代から見れば、モダン・オーケストラでの恣意的な演奏と取られても仕方がない類ですが、けして良いとは言い難い音質ともども物ともしない感動を呼びます。その時代背景を知れば、尚更その衝撃だけでも演奏が心に突き刺さり残ります。カール・リヒター盤と並んでこの曲最高の名盤、かつ人類の至宝とまで讃えられた逸品。イエスの受難と弟子たちの懊悩をここまで文学的に表出した演奏は唯一無二なものです。 SPレコード録音の時代ですが、イギリス、ドイツと同様、北海を挟んで向かい合うオランダでも兵器としての音響技術が進んでいた。このライブ録音は、フィリップス=ミラー録音システムが用いられている。この録音システムは、黒色に塗布されたセルロイドのフィルム上に、サファイア・ガラスの針で刻みこんで録音し、映写フィルム同様に読み取るものです。(映画のサウンドトラックに利用される方式とほぼ同じ)この方式により、当時の商業レコードである78回転SPレコード録音よりも長時間かつ、より広い周波数帯域の収録が可能となりました。 しかし、録音成果は完璧なものではありません。突然の電圧不安定によるものか音量レベルが変動したりも起こりますが、良い部分では、1950年代初期のテープ録音に匹敵する音質に達し、感動的な場面におけるメンゲルベルクの迫力を聴き取ることが可能です。 詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。 https://recordsound.jp/analogsound/index.php?mode=detail&gid=27452 前期ロマン派に対するクレンペラーのアプローチは素晴らしい。毅然として、べたつかない浪漫を感じます。 通販レコードのご案内《BLUE & SILVER オリジナル》GB COLUMBIA SAX2397 オットー・クレンペラー フィルハーモニア管弦楽団 シューベルト:交響曲第9番「ザ・グレート」 クレンペラーならではの分厚く荘厳な、唯一無二の「ザ・グレート」。貴重なB/S初期盤、ノイズはごくわずかな良好盤です。しなやかさも感じられる各楽器の音色、バランスは鮮明でした。イギリス・プレス、オリジナル盤、ステレオ録音。1960年11月にロンドン、キングズウェイ・ホールでのセッション録音。プロデュースはウォルター・レッグ、エンジニアはクリストファー・パーカー。優秀録音、名演、名盤。  シューベルト交響曲第9番「ザ・グレイト」、シューベルトの交響曲の中でも「未完成」と肩を並べる名作交響曲。後に誕生した多くの交響曲に影響を及ぼした。シューベルトの死後、発見された「未完成」は、「名誉ディプロマ」を授与された返礼としてグラーツ楽友協会に贈ったが、劇付随音楽『ロザムンデ』に音楽を流用するため第3・第4楽章の楽譜の返還を求め、グラーツ楽友協会側は残りの楽章が送られてくるだろうからと引き出しの奥にしまい込まれていた。 シューベルトの死後から、10年。墓参をしたシューマンはウィーンのシューベルト宅を訪問した。故人の部屋を管理していた兄フェルディナントは死後そのままにシューベルトの仕事机を保管していた。シューベルトはあくまで歌曲や小規模な室内楽、ピアノ曲などを演奏する、気心知れた仲間内の演奏会「シューベルティアーデ」の作曲家という認識しか持っていなかったシューマンは、その机の上にあった長大な交響曲を発見し、シューベルトを歌曲の作曲家と見ていた自らの認識を覆すその作品に驚愕した。1826年に完成された、同曲はウィーン楽友協会へ献辞を添えて提出されていたが、演奏困難との理由で演奏されることはなかった。演奏されるのを待つばかりの楽譜は、シューベルトの仕事机の上にそのままあった。 指示通りに演奏しても60分以上かかる大曲であり、シューマンは曲をジャン・パウルの小説にたとえ、「すばらしい長さ (天国的な長さ)」と賞賛している。シューマンはぜひこれを演奏したい、とメンデルスゾーンのもとに楽譜が届けられた。1838年3月21日、メンデルスゾーンの指揮、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏によって、この交響曲は初演された。 シューベルトの死後から、10年。ベートーヴェンを尊敬してやまなかったシューベルト、渾身の交響曲はついに音となり、鳴り響いた。ベートーヴェンの交響曲の規模の大きさと力強さとを受け継ぎ、彼独自のロマン性を加えて完成された作品となっており、後のブルックナー、マーラー、20世紀のショスタコーヴィチなどの交響曲につながっている。 20世紀を代表する巨匠クレンペラーがフィルハーモニアと贈るシューベルトの大人気交響曲。クレンペラーが得意としたマーラーやブルックナーの交響曲に匹敵する長大な交響曲である「ザ・グレイト」は、重厚的かつバランス良く奏でられる。覇気がある演奏で、曲の存在感はより大きいものとなっている。ホルン2本のユニゾンでおおらかに始まる第1楽章の開始部分は、シューマンの交響曲第1番『春』やメンデルスゾーンの交響曲第2番、ブラームスのピアノ協奏曲第2番のモデルとなっている。リズミカルなモチーフを主体として主題が構成されている主部は、尊敬してやまなかったベートーヴェンの特に交響曲第7番と多くの共通点を持つ一方で、大胆な転調や和声進行にシューベルトらしさが満ちあふれている。第3楽章はスケルツォ、後のブルックナー後期作品を思わせるような息せき切るような主部の旋律と、シューベルトらしい旋律に溢れた雄大な中間部トリオの対照が効果的である。長大な最終楽章。この楽章ならではのオスティナートと強弱のコントラスト、激しい転調に特徴があり非常に急速で息を付かせない。旋律にはベートーヴェンの交響曲第9番の「歓喜の主題」が改変されて引用されており、ベートーヴェンに対するオマージュと考えられる。 詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。 https://recordsound.jp/analogsound/index.php?mode=detail&gid=27454 語り継がれていく名盤 ― 聴き手の心を震わせる、誉れ高き名盤。 通販レコードのご案内《英プレス盤 SEMI-CIRCLE ANGEL》GB ANGEL ANG35137 ヨハンナ・マルツィ パウル・クレツキ フィルハーモニア管弦楽団 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 マルツィの代表的な名盤で、英COLUMBIA盤はコレクターズ・アイテムとして有名な高額盤。このANGEL盤は英国プレスでジャケットのみ米国で作られています。値段はCOLUMBIA盤よりかなりリーズナブルです。イギリス・プレス盤、モノラル録音。1954年2月にロンドン、キングズウェイ・ホールでのセッション録音。  ヨハンナ・マルツィは1924年ハンガリー生まれ。生前のフバイに教えを受け、その才能を約束された。大戦を逃れ、夫婦はスイスへ移住。当初、オランダで活動を行う。1950年、スイスで出会った富豪からイタリアの銘器、カルロ・ベルゴンツィ「タシリオ」を貸与され、全ての録音に使用した。1953年ロンドン・デビューを果たし、そして、ウォルター・レッグの目に留まり、このブラームスが英Columbiaで最初の録音となった。  その容姿ゆえ、英国で人気の高かったマルツィのブラームスはこのように録音され、60年を経た今なお多くのファンから高い支持を得ている。今から思えば女流ヴァイオリニスト・ブームというのは、このLPから始まったように思う。このレコード録音ほど、それまで意識したことのなかった女流奏者という存在を印象付けたLPは無い。確かにこの曲には名だたる名演がひしめく。ブラームスという曲と女流というのがとても合っているようだ。女性ならではの切ない情念が包み、しかもそれが高い気品を持った名品。  いかに優れた音楽家であったにせよ、ハンガリーの片田舎出身のヴァイオリニストが、その死後40年以上経た今日も名声と伝説とオーラを保ち解き放っているという事実は驚嘆に値する。勿論この名声と伝説はこれからも語り継がれていくと思います。  異常なまでの集中力とそれを支える精神力は、マルツィの演奏に感じさせる類いまれな緊張感のエネルギーみたいなもので、演奏する作品と何とも云えない一体感を感じさせてくれます。 詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。 https://recordsound.jp/analogsound/index.php?mode=detail&gid=27451 アメリカの挑発にも、どこ吹く風。ソ連の若き演奏家が戦争の不安を吹っ飛ばしてしまう。 通販レコードのご案内《英プレス LARGE DOG IN SEMI-CIRCLE 盤》GB EMI ALP1460 ダヴィッド・オイストラフ シャルル・ミュンシュ ボストン交響楽団 ショーソン:詩曲、サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ、ベルリオーズ:ロメオとジュリエット(抜粋) ショーソンの『詩曲』の名演として知られる1枚。ソロ・ヴァイオリンがオイストラフという非常に贅沢なキャスティングです。イギリス・プレス盤、モノラル録音。1955年12月14日にボストン、シンフォニー・ホールでのセッション録音。 このほの暗い響きは、印象派以降の近代フランスの音楽には滅多に聞かれないもので、ショーソン独特のものである。というよりもこの曲独特と言ってよいだろう。ショーソンは若くして(44歳)不慮の事故(一部では自殺説もあるそうです)で亡くなったために、日本での認知度はあまり高くないようです。そんな中で、唯一知れ渡っているのがこの「詩曲」です。幼い頃から優れた家庭教師によって英才教育を施され、幸せな結婚と裕福な家庭生活を築き上げると言う、ヨーロッパにおける典型的な中産階級の一員でした。ショーソンは表面的には非常に恵まれた環境のもとでその人生を送ったかのように見えます。しかし、そんな表面的な豊かさとは裏腹に、彼の作品からは、その内面に巣くっているどうしようもないペシミズムが見え隠れします。この「詩曲」の全編を覆っているほの暗さには、世紀末ヨーロッパを蔽っていた、とらえ所のない漠然とした焦燥感や苛立ちのようなものが反映しています。 神秘的に静かに始まって、そしてあまりおおきな盛り上がりも見せずに最後も静かに曲を閉じるこの作品は、それほど一般受けする作品とも言えません。最初はツルゲーネフの『勝ち誇れる恋の歌』に触発されて書き始められたものの、やがてはその標題性を破棄して、ただ単に『詩曲』とされたのは、狭い文学世界のテーマを乗り越えて、その様な時代の風を反映したより普遍性の高い作品になった事への自負もあったのでしょう。技巧的とはほど遠いソロは華麗さの対極にある静謐さをたたえ、穏やかに歩を進める。  オイストラフの艶のある美音。ミュンシュ、ボストン交響楽団の伴奏も、豊かな色彩感と独特の抒情性を十全に表現し、ワーグナーの影響を受けたと言われるショーソンの情熱的な側面をも捉えた名演です。オイストラフがアメリカにデビューした頃の録音です。オイストラフはよく言われているように、若い時代の切れ味の鋭い演奏と、晩年のゆったりとした演奏とで、別人のような姿を見せます。そこには、何か音楽に対する「価値観」が変わったかのような変貌ぶりだったように思えます。 ここでのオイストラフは太めの豊かな響きでグイグイと作品を描いていきます。それに対してミュンシュの方もオーケストラを思いっきり煽り鳴らして世紀末の儚い夢 ― 先行きの不安など吹っ飛ばしてしまいそうです。  サン=サーンスの『序奏とロンド・カプリチオーソ』と同日に収録され、そのカップリングで発売された。当時の雪解けによって、ソ連の演奏家が徐々に西側に登場しはじめたころの文化的状況を背景にした歴史的な録音。詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。 https://recordsound.jp/analogsound/index.php?mode=detail&gid=27450 (さらに…)...
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軽やかでありながら華麗、しかも燃えるような情熱を内に秘めた唯一無二のパフォーマンス*リパッティ・プレイズ・ショパン

軽やかでありながら華麗、しかも燃えるような情熱を内に秘めた唯一無二のパフォーマンス*リパッティ・プレイズ・ショパン

夭折の天才が残した、歴史的にも貴重な記録。通販レコードのご案内《1960年10月発売日本コロムビア社製》JP COLUMBIA OL3103 ディヌ・リパッティ ディヌ・リパッティ第5集 ショパンの晩年の名作4曲を集めたこのレコードは、1940年代の録音ではあるが、80数年を経た今もなおLPではこれらを凌ぐ演奏が出てこない。《ソナタ第3番》の磨き抜かれた演奏ぶりはこの上なく美しいが、正直に言って多少淡白すぎる点がないではない。しかしB面の3曲は、聴けば聴くほど驚嘆しないではいられない文句なしの名演奏ばかりだ。《バルカロール》といい《ノクターン》といい、レコードの数は実に多いのであるが、これだけ詩的な、気品の高い弾きぶりで、しかも現代のわたしらに心から共感できるみずみずしいショパンも珍しい。野暮ったいところが少しもなく、また師匠コルトーのように崩さないできっちり弾いているが、それぞれの雅歌ある情感は残さず表わし尽くされている。1950年に33歳で惜しくも夭折したリパッティがいかに完璧なテクニックを持ち洗練されたスタイルを駆使したか、またいかに優れた音楽性と円熟した表現力とを身に着けていたかを物語る名盤として、録音こそ古いけれど貴重な一枚である。リパッティのショパンは、このように実にすっきりとしている、しかも充実した華やかさを内に宿しているのが特徴であった。1960年10月発売日本コロムビア社製英国EMIからの輸入メタル使用盤、モノラル録音。1947年3月1,4日(ソナタ)、2月20日(ノクターン第8番)、1948年4月17,21日(バルカロール)にロンドン、アビーロードスタジオでのセッション録音。1950年7月3-12日(マズルカ第32番)にジュネーヴでのスタジオ録音。 リパッティの遺した名盤のひとつ。数あるショパンの『ワルツ集』の中でもひときわ光芒を放っている逸品。  フランスで身に付けた華麗さや洗練さと、ラテン的な情熱が絶妙なバランスを保っている。  これがモノ録音しか聴くすべが無い現代でも高い支持を得ている要因では無いかと結論づけては早計でしょうか。 リパッティは録音が良くない、ピアノの音色がわからないなどと言う人もありますが…  令和2年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」。後の明智光秀が主人公で、十兵衛と名乗っていた頃。斎藤道三との対面シーンから撮影はクランクインしたそうだ。2人が対面する直前の斎藤道三の登場は、常在寺の住職・日運が道三の正室である小見の方の病気平癒のため、献上した珊瑚の玉を数珠を作るためにかたちの揃った玉を小姓に仕分けさせているところからはじまる。そこで、リパッティのレコードの音が脳裏に浮かんできた。粒のそろった真珠玉が転がるような玲瓏にして高貴なピアノ。リパッティは録音が良くない、ピアノの音色がわからないなどと言う人もありますが、この日本初出盤はそんなことはなく、リパッティがどのような音色を持ったピアニストであったのか、はっきりとわかります。重厚な低音、鮮やかな中音、玉を転がすような高音と、音域ごとに優れたバランスがあります。ベーゼンドルファーか、スタインウェイか、録音に使用されたピアノははっきりしませんが、弦がハンマーで叩かれていることをイメージさせないベヒシュタインの響きは立体的な音の遠近も奏でられる特色がありますが、SPレコード録音は、テープ録音と比較はできませんが、年代を考えればむしろ優秀録音と言えます。 リパッティが、20世紀のピアノ演奏史に燦然と輝いているのは、単に残された数少ない録音の素晴らさからだけではと思います。リパッティは録音に対しては何時も真剣で一枚のレコードが完成するまでは何度もテイクを重ね、それがより完成度を高めて、結果として強い説得力を生んだと云われている。  33歳で夭折した天才、リパッティが遺した歴史的録音で、自身の行く末を知っていたのか、時に疾走し、時にたゆたう緩急絶妙のテンポ変化はありますが、音楽の重心が低い。それも単に「低い」というレベルを超えていて、その揺るぎなさ、安定感は他のピアニストからは聴くことができない。手の大きさなど物理的な作用もあるのだろうが、それよりも内面によるものが大きい。地球ゴマの円盤が高速で回転運動を行っている間は、回転軸の向きが常に一定不変に保たれる。音楽がどんなに勢いをもって動いても、その奥底ではシンと静まりかえったものがある。その結果として生まれる瑞々しい歌と躍動感が作品と一体となった ― 作曲者と聴く者が直接向き合うかのように感じられる稀代の名演。  彼のピアニズムを一言で言い表すとすれば、繊細、清潔、透明、端整といった表現が相応しいと思います。例えばブザンソンのライヴを聴いて居て感じることですが、既に迫り来る死を避けがたい運命と悟ってたと思われながら、そのような苦悩を微塵も演奏からは感じさせずに、常に聴衆の方を向いていたのではと思いたくなります。  33歳で逝ってしまったことが、何故か、英国のジャクリーヌ・デュ・プレやイシュトヴァーン・ケルテス ― それぞれに病死ではありませんが、突然の最期として ― に重なりあう。リパッティの33歳の早すぎた死は、何枚も名盤量産するという輝かしい未来を奪い、歳月を重ねて到達する円熟の境地を与えなかったですが、このルーマニアの才能を惜しむ声は高まりこそすれ、一向に衰えずリパッティ初期盤収集に苦労します。 ディヌ・リパッティ(1917年〜1950年)は、ルーマニアのピアニスト、作曲家。 ブカレスト生まれ。アルフレッド・コルトーに魅入られて教えを受けるが、33歳でジュネーヴ郊外でこの世を去った。  彼のピアノの特徴は、透明な音色でピアノを最大限に歌わせていることである。純粋に徹した、孤高なまでに洗練されたピアニズムは古今でも随一とされる。 死因は白血病といわれることが多いが、実際はホジキンリンパ腫である。演奏会の直前まで40度の高熱を出して病床に伏していたリパッティであったが、医師の制止を振り切り、強力な解熱剤の注射により、ようやく立ち上がることができるような状態で、よろめくようにステージに姿を現し、やっとのことでピアノのところまで辿りつくことができたという。しかし、この録音を聴く限り、そんな身体の状況などは微塵みじんも感じさせず、集中力の高いピアノ演奏には驚かされるばかりである。  このレコードで聴ける、ショパンはレコード芸術の歴史上でも貴重な遺産である。 通販レコード詳細・コンディション、価格 濃青銀文字, MONO (140g), 1960年10月発売日本コロムビア社製 XAX-10022 輸入メタル使用盤。詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。 https://recordsound.jp/analogsound/index.php?mode=detail&gid=27451 プロダクトDinu Lipatti Plays Chopin 品番34-27391レコード番号OL3103作曲家フレデリック・ショパン演奏者ディヌ・リパッティ録音種別MONOコンディションジャケット状態EXレコード状態EX+製盤国JP(日本)盤通販レコード詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。  オーダーは 品番 / 34-27391 販売価格 2,750円(税込) 「クレジットカード決済」「銀行振込」「代金引換」に対応しております。 (さらに…)...
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盤史屈指*衰えた技巧家が行き着いた精神性 ナタン・ミルシテイン バッハ・無伴奏ヴァイオリンソナタ&パルティータ全曲

盤史屈指*衰えた技巧家が行き着いた精神性 ナタン・ミルシテイン バッハ・無伴奏ヴァイオリンソナタ&パルティータ全曲

通販レコードのご案内永遠に受け継がれるレジェンダリーパフォーマンス。《独ブルーライン盤》DE DGG 2709 047 ミルシテイン バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ(全曲) ナタン・ミルシテインが69歳の時に録音した自身2度目となるバッハ無伴奏全曲です。20世紀に活躍したロシア出身の名ヴァイオリニストの中でも指折りのテクニシャンとして知られたミルシテインですが、ドイツ・グラモフォンに録音したステレオ録音の本盤は、端正な表現からにじみ出る清新な詩情、あくまで落ち着いた身振りの中にも感じられる厳しく気高い姿勢など、この作品が求める美と精神性をもっともバランス良く実現、最初のフレーズが鳴った瞬間から聞き手に緊張を強いる凛と張り詰めた艶やかで怜悧な音色。この音色で、この難曲をかっ飛ばして行く、その水際だった技巧の冴えは剣豪の太刀さばきのように凄まじい。もう言葉が出ない。1954年~56年のモノラル録音と並び、不朽の名盤としてゆるぎない評価を得ています。1973年2月10〜14日、4月24、25日、9月ロンドン、コンウェイ・ホールでの録音、名演奏、名盤。ブックレット付属  血の滲むような研鑽を天才に強いる曲ながら、極めて清潔でありながら渋み溢れる演奏で、むろん綺羅星のごとく名盤は存在する曲だが、50年聴き続けても聴く度に凄い、と思うこの曲の第1位にあげる評論家もいるほどの名盤。録音も優秀。1973年の録音ながら過度に Hi-Fi 調にならないのも DEUTSCHE GRAMMOPHON のこの曲への見識で落ち着いた感じの決して金属的にならないヴァイオリンの音を聴かせてくれます。 通販レコード詳細・コンディション、価格 プロダクトDGG 2721 087 - NATHAN MILSTEIN - J.S. Bach - Sonatas and Partitas.レコード番号2721 087作曲家ヨハン・セバスティアン・バッハ演奏者ナタン・ミルシテイン録音種別STEREOBLUE LINE, STEREO 3枚組(120g/115g/115g), Release 1975。 販売レコードのカバー、レーベル写真 コンディションジャケット状態M-レコード状態M-製盤国DE(ドイツ)盤解説書付き《ブルーラインレーベル》黄色地に黒文字、外周が青の二重線で囲まれたものです。通称、BLUE LINEと呼ばれています。2530 etc. で始まります。このラベルにも2種類あり、最初の頃のものはラベル周囲の文字が詰めて印字( GY8 )してあり、後期のものは文字間隔が空けて( GY9 )印字されています。通販レコード詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。  オーダーは 品番 / 34-25765 販売価格 29,700円(税込) (さらに…)...
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生涯心と耳を感動させる☆プレミアム5選 バイロイトの第九 終戦を願うマタイ 女性ならではの切ない情念が包むブラームス

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20世紀の人類の遺産、バイロイトの第九。 通販レコードのご案内《仏LARGE DOG IN SEMI-CIRCLE盤》FR VSM FALP30048-49 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー エリザベート・シュワルツコップ エリザベート・ヘンゲン ハンス・ホップ オットー・エーデルマン バイロイト祝祭管弦楽団 ベートーヴェン:交響曲9番(1951年バイロイト音楽祭) 1951年7月29日、バイロイト祝祭劇場でのライヴ録音。通称「バイロイトの第九」はバイロイト音楽祭の戦後初開催の初日に行われた伝説の実況録音盤で、まさに20世紀の人類の遺産ともいうべきレコードです。英国盤(超高価)を除けば最も音質的評価の高いフランス盤、盤質も良好でこなれた価格のお勧め品。フランス・プレス盤、モノラル録音。1951年7月29日にバイロイト祝祭劇場でのライヴ録音。優秀録音、名演、名盤。 詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。 https://recordsound.jp/analogsound/index.php?mode=detail&gid=27453 破滅的な大戦争を前にして、この受難曲演奏会が最後となることを知っていたかのような、迫真の記録。 通販レコードのご案内《南アプレス盤、Minigrooveプラムレーベル》ZA PHILIPS A00150L ウィレム・メンゲルベルク カール・エルブ ウィレム・ラヴェリ ヨー・フィンセント イローナ・ドゥリゴ ルイ・ファン・トゥルダー ヘルマン・シャイ コンセルトヘボウ管弦楽団 アムステルダム・トーンクンスト合唱団 バッハ:マタイ受難曲 オランダの巨匠メンゲルベルクは、1895年にコンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者となって以来バッハの演奏に情熱を注ぎ、とりわけ「マタイ受難曲」を多く取り上げました。毎年復活祭に演奏する伝統は、第二次世界大戦勃発により途絶えてしまったそうです。これは第二次世界大戦直前の1939年4月2日の歴史的ライヴ録音。誰もが魂を揺さぶられる名演中の名演です。1952年発売のオリジナル、入手困難レア盤。珍しい南アフリカ共和国プレスですが音質クリアで問題ありません。ノイズは全体的にごく僅かな良好盤です。モノラル録音。1939年4月2日にアムステルダム、コンセルトヘボウでの録音。カルル・エルプ(テノール)、ウィレム・ラヴェッリ(バス)、ジョー・ヴィンセント(ソプラノ)、イローナ・ドゥリゴ(アルト)、ルイ・ファン・トゥルダー(テノール)、ヘルマン・シャイ(バス)、ピエト・ファン・エグモンド(オルガン)、ヨハンネス・デン・ヘルトグ(ハープシコード)、ルイ・ツィンマーマン(ヴァイオリン)、G.ブランハード(オーボエ・ダ・モーレ)、W.ペッデモルス(オーボエ・ダ・カッチャ)、フーベルト・バルワーザー(フルート)、ザンハルスト少年合唱団(合唱指揮:ウィレム・ヘスペ)。  メンゲルベルクがアムステルダム・コンセルトヘボウ管に君臨する1899年以来、毎年棕櫚の日曜日(復活祭直前の日曜日)に演奏されてきた「マタイ受難曲」。1939年4月2日の祝日にオランダ放送によって収録された、名演として名高いライブ録音です。この演奏は、バッハの演奏スタイルにおける、一昔前の、モニュメンタルでロマン派的な伝統を代表するものとはいえ、心の奥深いところで感動している精神性、痛切さ、共感を有するものです。あたかも、現場に居合わせた人全員が、1939年9月に欧州で勃発する破滅的な大戦争を前にして、この受難曲演奏会が最後となることを知っていたかのような、迫真の記録を聴くことができます。 昔から伝説的に語られていますが、第39曲の有名なアルトのアリア「憐れみたまえ、わが神よ、したたり落つるわが涙のゆえに」、第47曲「主よ、憐れみたまえ」で観客がすすり泣く声が入っています。それくらい異様な空気の中で演奏が進みます。演奏スタイルはロマンティックで、現代から見れば、モダン・オーケストラでの恣意的な演奏と取られても仕方がない類ですが、けして良いとは言い難い音質ともども物ともしない感動を呼びます。その時代背景を知れば、尚更その衝撃だけでも演奏が心に突き刺さり残ります。カール・リヒター盤と並んでこの曲最高の名盤、かつ人類の至宝とまで讃えられた逸品。イエスの受難と弟子たちの懊悩をここまで文学的に表出した演奏は唯一無二なものです。 SPレコード録音の時代ですが、イギリス、ドイツと同様、北海を挟んで向かい合うオランダでも兵器としての音響技術が進んでいた。このライブ録音は、フィリップス=ミラー録音システムが用いられている。この録音システムは、黒色に塗布されたセルロイドのフィルム上に、サファイア・ガラスの針で刻みこんで録音し、映写フィルム同様に読み取るものです。(映画のサウンドトラックに利用される方式とほぼ同じ)この方式により、当時の商業レコードである78回転SPレコード録音よりも長時間かつ、より広い周波数帯域の収録が可能となりました。 しかし、録音成果は完璧なものではありません。突然の電圧不安定によるものか音量レベルが変動したりも起こりますが、良い部分では、1950年代初期のテープ録音に匹敵する音質に達し、感動的な場面におけるメンゲルベルクの迫力を聴き取ることが可能です。 詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。 https://recordsound.jp/analogsound/index.php?mode=detail&gid=27452 前期ロマン派に対するクレンペラーのアプローチは素晴らしい。毅然として、べたつかない浪漫を感じます。 通販レコードのご案内《BLUE & SILVER オリジナル》GB COLUMBIA SAX2397 オットー・クレンペラー フィルハーモニア管弦楽団 シューベルト:交響曲第9番「ザ・グレート」 クレンペラーならではの分厚く荘厳な、唯一無二の「ザ・グレート」。貴重なB/S初期盤、ノイズはごくわずかな良好盤です。しなやかさも感じられる各楽器の音色、バランスは鮮明でした。イギリス・プレス、オリジナル盤、ステレオ録音。1960年11月にロンドン、キングズウェイ・ホールでのセッション録音。プロデュースはウォルター・レッグ、エンジニアはクリストファー・パーカー。優秀録音、名演、名盤。  シューベルト交響曲第9番「ザ・グレイト」、シューベルトの交響曲の中でも「未完成」と肩を並べる名作交響曲。後に誕生した多くの交響曲に影響を及ぼした。シューベルトの死後、発見された「未完成」は、「名誉ディプロマ」を授与された返礼としてグラーツ楽友協会に贈ったが、劇付随音楽『ロザムンデ』に音楽を流用するため第3・第4楽章の楽譜の返還を求め、グラーツ楽友協会側は残りの楽章が送られてくるだろうからと引き出しの奥にしまい込まれていた。 シューベルトの死後から、10年。墓参をしたシューマンはウィーンのシューベルト宅を訪問した。故人の部屋を管理していた兄フェルディナントは死後そのままにシューベルトの仕事机を保管していた。シューベルトはあくまで歌曲や小規模な室内楽、ピアノ曲などを演奏する、気心知れた仲間内の演奏会「シューベルティアーデ」の作曲家という認識しか持っていなかったシューマンは、その机の上にあった長大な交響曲を発見し、シューベルトを歌曲の作曲家と見ていた自らの認識を覆すその作品に驚愕した。1826年に完成された、同曲はウィーン楽友協会へ献辞を添えて提出されていたが、演奏困難との理由で演奏されることはなかった。演奏されるのを待つばかりの楽譜は、シューベルトの仕事机の上にそのままあった。 指示通りに演奏しても60分以上かかる大曲であり、シューマンは曲をジャン・パウルの小説にたとえ、「すばらしい長さ (天国的な長さ)」と賞賛している。シューマンはぜひこれを演奏したい、とメンデルスゾーンのもとに楽譜が届けられた。1838年3月21日、メンデルスゾーンの指揮、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏によって、この交響曲は初演された。 シューベルトの死後から、10年。ベートーヴェンを尊敬してやまなかったシューベルト、渾身の交響曲はついに音となり、鳴り響いた。ベートーヴェンの交響曲の規模の大きさと力強さとを受け継ぎ、彼独自のロマン性を加えて完成された作品となっており、後のブルックナー、マーラー、20世紀のショスタコーヴィチなどの交響曲につながっている。 20世紀を代表する巨匠クレンペラーがフィルハーモニアと贈るシューベルトの大人気交響曲。クレンペラーが得意としたマーラーやブルックナーの交響曲に匹敵する長大な交響曲である「ザ・グレイト」は、重厚的かつバランス良く奏でられる。覇気がある演奏で、曲の存在感はより大きいものとなっている。ホルン2本のユニゾンでおおらかに始まる第1楽章の開始部分は、シューマンの交響曲第1番『春』やメンデルスゾーンの交響曲第2番、ブラームスのピアノ協奏曲第2番のモデルとなっている。リズミカルなモチーフを主体として主題が構成されている主部は、尊敬してやまなかったベートーヴェンの特に交響曲第7番と多くの共通点を持つ一方で、大胆な転調や和声進行にシューベルトらしさが満ちあふれている。第3楽章はスケルツォ、後のブルックナー後期作品を思わせるような息せき切るような主部の旋律と、シューベルトらしい旋律に溢れた雄大な中間部トリオの対照が効果的である。長大な最終楽章。この楽章ならではのオスティナートと強弱のコントラスト、激しい転調に特徴があり非常に急速で息を付かせない。旋律にはベートーヴェンの交響曲第9番の「歓喜の主題」が改変されて引用されており、ベートーヴェンに対するオマージュと考えられる。 詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。 https://recordsound.jp/analogsound/index.php?mode=detail&gid=27454 語り継がれていく名盤 ― 聴き手の心を震わせる、誉れ高き名盤。 通販レコードのご案内《英プレス盤 SEMI-CIRCLE ANGEL》GB ANGEL ANG35137 ヨハンナ・マルツィ パウル・クレツキ フィルハーモニア管弦楽団 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 マルツィの代表的な名盤で、英COLUMBIA盤はコレクターズ・アイテムとして有名な高額盤。このANGEL盤は英国プレスでジャケットのみ米国で作られています。値段はCOLUMBIA盤よりかなりリーズナブルです。イギリス・プレス盤、モノラル録音。1954年2月にロンドン、キングズウェイ・ホールでのセッション録音。  ヨハンナ・マルツィは1924年ハンガリー生まれ。生前のフバイに教えを受け、その才能を約束された。大戦を逃れ、夫婦はスイスへ移住。当初、オランダで活動を行う。1950年、スイスで出会った富豪からイタリアの銘器、カルロ・ベルゴンツィ「タシリオ」を貸与され、全ての録音に使用した。1953年ロンドン・デビューを果たし、そして、ウォルター・レッグの目に留まり、このブラームスが英Columbiaで最初の録音となった。  その容姿ゆえ、英国で人気の高かったマルツィのブラームスはこのように録音され、60年を経た今なお多くのファンから高い支持を得ている。今から思えば女流ヴァイオリニスト・ブームというのは、このLPから始まったように思う。このレコード録音ほど、それまで意識したことのなかった女流奏者という存在を印象付けたLPは無い。確かにこの曲には名だたる名演がひしめく。ブラームスという曲と女流というのがとても合っているようだ。女性ならではの切ない情念が包み、しかもそれが高い気品を持った名品。  いかに優れた音楽家であったにせよ、ハンガリーの片田舎出身のヴァイオリニストが、その死後40年以上経た今日も名声と伝説とオーラを保ち解き放っているという事実は驚嘆に値する。勿論この名声と伝説はこれからも語り継がれていくと思います。  異常なまでの集中力とそれを支える精神力は、マルツィの演奏に感じさせる類いまれな緊張感のエネルギーみたいなもので、演奏する作品と何とも云えない一体感を感じさせてくれます。 詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。 https://recordsound.jp/analogsound/index.php?mode=detail&gid=27451 アメリカの挑発にも、どこ吹く風。ソ連の若き演奏家が戦争の不安を吹っ飛ばしてしまう。 通販レコードのご案内《英プレス LARGE DOG IN SEMI-CIRCLE 盤》GB EMI ALP1460 ダヴィッド・オイストラフ シャルル・ミュンシュ ボストン交響楽団 ショーソン:詩曲、サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ、ベルリオーズ:ロメオとジュリエット(抜粋) ショーソンの『詩曲』の名演として知られる1枚。ソロ・ヴァイオリンがオイストラフという非常に贅沢なキャスティングです。イギリス・プレス盤、モノラル録音。1955年12月14日にボストン、シンフォニー・ホールでのセッション録音。 このほの暗い響きは、印象派以降の近代フランスの音楽には滅多に聞かれないもので、ショーソン独特のものである。というよりもこの曲独特と言ってよいだろう。ショーソンは若くして(44歳)不慮の事故(一部では自殺説もあるそうです)で亡くなったために、日本での認知度はあまり高くないようです。そんな中で、唯一知れ渡っているのがこの「詩曲」です。幼い頃から優れた家庭教師によって英才教育を施され、幸せな結婚と裕福な家庭生活を築き上げると言う、ヨーロッパにおける典型的な中産階級の一員でした。ショーソンは表面的には非常に恵まれた環境のもとでその人生を送ったかのように見えます。しかし、そんな表面的な豊かさとは裏腹に、彼の作品からは、その内面に巣くっているどうしようもないペシミズムが見え隠れします。この「詩曲」の全編を覆っているほの暗さには、世紀末ヨーロッパを蔽っていた、とらえ所のない漠然とした焦燥感や苛立ちのようなものが反映しています。 神秘的に静かに始まって、そしてあまりおおきな盛り上がりも見せずに最後も静かに曲を閉じるこの作品は、それほど一般受けする作品とも言えません。最初はツルゲーネフの『勝ち誇れる恋の歌』に触発されて書き始められたものの、やがてはその標題性を破棄して、ただ単に『詩曲』とされたのは、狭い文学世界のテーマを乗り越えて、その様な時代の風を反映したより普遍性の高い作品になった事への自負もあったのでしょう。技巧的とはほど遠いソロは華麗さの対極にある静謐さをたたえ、穏やかに歩を進める。  オイストラフの艶のある美音。ミュンシュ、ボストン交響楽団の伴奏も、豊かな色彩感と独特の抒情性を十全に表現し、ワーグナーの影響を受けたと言われるショーソンの情熱的な側面をも捉えた名演です。オイストラフがアメリカにデビューした頃の録音です。オイストラフはよく言われているように、若い時代の切れ味の鋭い演奏と、晩年のゆったりとした演奏とで、別人のような姿を見せます。そこには、何か音楽に対する「価値観」が変わったかのような変貌ぶりだったように思えます。 ここでのオイストラフは太めの豊かな響きでグイグイと作品を描いていきます。それに対してミュンシュの方もオーケストラを思いっきり煽り鳴らして世紀末の儚い夢 ― 先行きの不安など吹っ飛ばしてしまいそうです。  サン=サーンスの『序奏とロンド・カプリチオーソ』と同日に収録され、そのカップリングで発売された。当時の雪解けによって、ソ連の演奏家が徐々に西側に登場しはじめたころの文化的状況を背景にした歴史的な録音。詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。 https://recordsound.jp/analogsound/index.php?mode=detail&gid=27450 (さらに…)...
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自由な音楽性を名人芸的演奏力が説得力になっている◉フリードリヒ・グルダ◯ベートーヴェン・ピアノソナタ全集

自由な音楽性を名人芸的演奏力が説得力になっている◉フリードリヒ・グルダ◯ベートーヴェン・ピアノソナタ全集

通販レコードのご案内ウィーンの伝統を感じさせる音色と、ジャズピアニストとしても活動したグルダならではの鋭いリズム感が融合した唯一無二の傑作全集です。 AT AMADEO AVRS1101 フリードリヒ・グルダ ベートーヴェン・ピアノソナタ全集◎鋭敏なリズムと名人芸的アーティキュレーションが演奏に素晴らしく爽快な推進力を与え、細大漏らさず示される自由で確かな様式感覚が各作品から説得力に富んだ音楽を引き出すことに成功しています。1967年7月‐8月、AMADEOレーベルによるステレオ録音。DECCA盤に続く、グルダ2度目の全集。録音から既に長い年月が経過していますが、その間にリリースされた全集のどれと較べても、全体のムラのない完成度や、バランスの見事さ、響きの美しさといった点で、いまだに優れた内容を誇り得る全集です。 ノイズはほとんどないミント盤です。優秀録音、名演、名盤。AT AMADEO AVRS1101 グルダ ベートーヴェン:ピアノソナタ全集の商品詳細: アナログ・レコード 通販 RECORD SOUND. 販売レコードのカバー、レーベル写真 品番34-25794商品詳細AT AMADEO AVRS1101 グルダ ベートーヴェン:ピアノソナタ全集.商品名 DE Amadeo 906 434/444 ASY フリードリヒ・グルダ ベートーヴェン・ピアノソナタ全集 作曲 ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン レーベル amadeo レコード番号 AVRS1101 演奏者 フリードリヒ・グルダ 録音種別 STEREO ジャケット状態 M- レコード状態 M- 製盤国 AT(オーストリア)盤 カルテ(器楽曲) SILVER WITH BLACK LETTERING, STEREO 11枚組 (110g×11枚) 販売価格 14,300円(税込) (さらに…)...
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聴きながら眠ろうと考えたのが過ちだった◉ユーディ・メニューイン○バッハ・無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ全曲

聴きながら眠ろうと考えたのが過ちだった◉ユーディ・メニューイン○バッハ・無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ全曲

弦の一本一本が見えると言えばちょっと大げさですが、それぐらいの優秀録音という事です。思わず真剣に聴いてしまったほどの、やはりすごい音楽、そして演奏なのだということを再認識させられてしまった。《音質良好》FR VSM 2C167-02710-2 メニューイン バッハ・ヴァイオリン無伴奏全曲 メニューインは戦後同世代のハイフェッツらと共にヴァイオリニストとして名声の頂点をきわめる。その証左として膨大な音源が英 EMI に録音された。  黎明期の英 EMI のヴァイオリンモノは必ずと言っていいほど、この英国に帰化してサーと男爵の称号を得たメニューインが登場する。本盤もメニューインの松脂が飛び散っています。地味だが、なかなかの好演。やや固い締まった響きで、音楽の運びはオーソドックスだが独特のバランス感覚を持ち合わせた演奏です。  また、メニューインはヨガや菜食主義を実践し、健康管理を怠らず壮年期になるまでソリストとしての活動に取り組んだ強い精神が本盤でも随所に聴けます。  メニューインの初期盤は、余りにも発売枚数が多すぎて、中古レコードの世界では、優れた演奏に対して 低い評価(価格が安い)がなされているが、この“無伴奏”だけは別格。通販レコード詳細・コンディション、価格プロダクト品番34-11767レコード番号2C167-02710-2作曲家ヨハン・ゼバスティアン・バッハ演奏者ユーディ・メニューイン録音種別STEREOコンディションジャケット状態EXレコード状態M-製盤国FR(フランス)盤1976年発売。COLOR STAMP DOG, STEREO 3枚組(150g/125g/145g)。 録音:1973年3月〜1975年7月。 販売レコードのカバー、レーベル写真 通販レコード 品番 34-11767 特別価格 8,800 円(税込) 通常価格 11,000 円 詳細の確認、特別価格での購入手続きは品番のリンクから行えます。「クレジットカード決済」「銀行振込」「代金引換」に対応しております。 (さらに…)...
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20世紀で最も美しいピアノ*ロベール・カサドシュ フランスらしい気品を持ち合わせながらも己に酔うことなくスタイリッシュ

20世紀で最も美しいピアノ*ロベール・カサドシュ フランスらしい気品を持ち合わせながらも己に酔うことなくスタイリッシュ

Robert Casadesus 1899.4.7-1972.9.19フランスのピアニスト、ロベール・カサドシュが没した日(1972年9月19日)。フランスらしい気品を持ち合わせながらもその演奏は、己に酔うことなくスタイリッシュなのが特徴である。ドビュッシーやラヴェルはもちろん、モーツァルトも得意とし、他にも厳格なドイツものにも造詣が深かった。音楽一家に生まれ、甥のジャン=クロードは指揮者であり、その孫であるトーマス・エンコは現在ジャズピアニストとして活躍している。 通販レコードのご案内DE CBS 77346 カサドシュ ラヴェル・ピアノ曲全集 カサドシュは既に定評の有るモーツァルトとラヴェルを最も重要なジャンルの作品に据えていたのではと思いたくなるレコード。清楚で淡々と演奏していて、常にスタイリッシュです。いわゆる、ソリストとしては絶対に必要な「俺が俺が」と言って前面に出ていく強さがほとんど感じられない、最初から最後までカサドシュの美学の中で事は進んでいくように思えます。 カサドシュは些細な事に拘らない美学が見え隠れする名演を、“20世紀で最も美しいピアノの音色”で常に聴かせます。 Maurice Ravel - Robert Casadesus ‎– Piano Music of Ravel第1集 ABL.3012亡き王女のためのパヴァーヌシャブリエ風にボロディン風に鏡第2集 ABL.3046組曲「マ・メール・ロワ」ハバネラ水の戯れ夜のガスパール第3集 ABL.3062組曲「クープランの墓」高雅で感傷的なワルツ前奏曲ハイドンの名によるメヌエット「ドビュッシーの音楽はショパンから派生し、ラヴェルの音楽はリストから派生する」とは、カサドシュのインタヴューに応えた言葉が由来です。 カサドシュの録音は登場時から、その客観性をいわれ演奏の古典となったものでしたが、特質はフランス的なもの。全体に快速なテンポで軽いタッチで弾き流しており、最近の演奏家が陥りがちな印象派風なべとべとした演奏とは一線を画します。組曲「クープランの墓」でのクラヴサンの音楽の伝統が連綿と綴る音のアラベスクは、緻密に向かう性向があるカサドシュに合っている。緻密、端正というだけでは割り切れない作品の多層があるのです。典雅な香りや、知的なのにどこか遊び、ペーソスをもっていても嫌味にならない。古典的たたずまいが典雅と両立しているものは非常に稀なことです。  作曲者と親交のあったカサドシュだけに、そこに込められた豊かなニュアンスには強い説得力があり、美しい音色がとても魅力的です。カサドシュのレパートリーは決して広くなく、むしろ適した曲目はきわめて限られたものでした。そのレパートリーにはドイツ音楽も多く、まさに形から入るラヴェルに適性を示します。LP 期、多くのものが再録を行ってきましたが、ラヴェルの独奏曲は時間的にも体力的にも余力があったにも関わらず、このモノラルの録音のみです。つまりはそれだけ、当録音が高い精度を達成していたということでしょう。音質はモノラルとしては最上の部類で鑑賞には支障ありません。ステレオ録音盤はありません。 【ロベール・カサドシュのプロフィール】1899年パリに生れたカサドシュ(Robert Casadesus, 1899年4月7日〜1972年9月19日)は1922年からラヴェルと共同でピアノロールの録音を行い、欧州各地でラヴェルと共演した経歴を持つ。大戦中アメリカへ亡命した事もあって、米 Columbia に多くの録音を残した、これも米録音。彼の抑制の効いた古典的様式は彼の後、続く者が現れなかった。M.アース、C.エルフェ等を輩出。仏ピアノ界の重鎮的存在。一聴は大人しいが、その美しさは絵画的。指の回るピアニストは多くなったものの、カザドシュのように知的で香りたつような洗練された感性をもつピアニストはまったく少なくなってしまった。 オーダーはリンク先の詳細掲載ページで品番 / 34-22215販売価格6,600円(税込) (さらに…)...
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〝ドイツ人〟ギーゼキングの本当の姿★貴重な文化財 ワルター・ギーゼキング ベートーヴェン ソナタ7番、11番

〝ドイツ人〟ギーゼキングの本当の姿★貴重な文化財 ワルター・ギーゼキング ベートーヴェン ソナタ7番、11番

通販レコードのご案内こんなに均整のとれた演奏は、そう滅多に聴けるものではない。GB ANGEL ANG35653 ギーゼキング ベートーヴェン:ピアノソナタ7番/11番今なお伝説的な存在であるドイツ人の名ピアニスト、ヴァルター・ギーゼキングは、1956年ロンドンのEMIでベートーヴェン全集のレコーディング中に倒れ客死しました。その未完に終わったベートーヴェン・ピアノソナタ全集からの2曲。ジャケットは米国製、レコードは英国プレスです。【録音】7番:1956年9月、ロンドン・アビー・ロード・第3スタジオ(Producer/Engineer ; Alec Robertson/Neville Boyling)、11番:1956年10月17〜22日、ロンドン・アビー・ロード・第3スタジオ(Producer/Engineer ; Walter Legge/Edward Huntley)。モノラル盤のみの発売。オーダーはリンク先の詳細掲載ページでギーゼキングは、死去から半世紀を迎えた今なお、伝説のピアニストとして語り継がれてギーゼキングのレコードは何度も回を重ねて発売され、今尚倒産の危機に瀕していたEMIの屋台裏を支えてたと言っても過言で無いのではと思えるほど。モーツァルト、ラヴェル、ドビュッシーのピアノ作品全集の録音は、カタログから落ちることはなく、未だにその高い評価は変わらない。彼のディスコグラフィーサイトを眺めるのが楽しいほどレパートリーは広く、スカルラッティやバッハから、20世紀の作品まで、しかも国を問わずに演奏してます。同世代のケンプに限らず当時のドイツ系のピアニストが手を染めなかったラフマニノフやスクリャービン、ヴィラ=ロボス、ルーセル、プーランク、デ・ファリャまで録音を残しています。 ギーゼキングといえば即物主義の代表選手のように言われます。彼こそはモーツァルトをロマン主義的歪曲から救い出して、現在のモーツァルト演奏への道を切り開いた存在として、とりわけこのソナタの全曲録音は長くスタンダードな位置にありました。シンプルな上にもシンプルにモーツァルトが演奏されるとき、それは他に変えがたい魅力を21世紀になっても保持している。最早、貴重な文化財という側面を持っているのではと接しています。 ギーゼキングのベートーヴェン演奏はそのしっかりとした古典的な造形や盤石な楽曲の構築、そしてヴィルトオージティに裏打ちされた艶のある陰影を醸し出す美音等が特色ですが、本盤の演奏にも見事にこのことが当てはまります。これがあのドビュッシーやモーツァルトを弾いたあのギーゼキングか、ここにはフランスの繊細で清澄な雰囲気などは微塵もなく、ズドンと腹の底に鍵盤が打ち込まれるようなドイツ的響きがある。 もっとも、ピアニストとしてのデビューは、ハノーファーでのピアノ・ソナタ全集演奏会でしたし、ベートーヴェンはギーゼキングにとっての終生のレパートリーの中核を成し、既に1930年代から幾つかのソナタと協奏曲は録音をしています。 同じドイツ系のピアニストだと、同年齢のケンプは言うに及ばず、先輩のバックハウスやシュナーベル等は、いずれも全曲を録音できました。ギーゼキングはその早すぎる晩年に、いよいよ満を持してEMIにベートーヴェンのピアノ・ソナタの全曲録音を行ったのですから、ドビュッシーやモーツァルトとは違って良いのです。 本盤は、聴けばギーゼキングの演奏は曲の分析力が明晰で、当時の拙い録音にもかかわらず、ニュアンスに富んだ繊細な音色と、多彩な表情の変化が如実に聴き取れる。ピアノは珠をころがすように美しい。とんでもなく透明感に満ちていながらガラスのようなもろさとは全く無縁の強靱と言っていいほどの硬質な響きです。そして、ピアノからこのような音色を紡ぎだした人は他には思い当たりません。その上、演奏技巧に欠点がない。知的で清楚なピアニストとされる所以である、「過剰な感情表現を避け」主観を排するギーゼキングが、表現の装飾と自己中心的な主観こそが芸術とばかりに血と汗を飛び散らせ、肉と骨を食み、肉体派ピアニストとして降臨する。 曲の解釈においても迷いが無く、凄い速さで押し切る気分爽快の快演。〝ドイツ人〟ギーゼキングの本当の姿をこのベートーヴェンでは見せる。ギーゼキングのピアノ書法は、卓越した演奏技巧により、いささかの曖昧さも残さずベートーヴェンを完全にリアライズする。 ギーゼキングは1956年10月26日に他界します。享年、60歳。決してもう若いとはいえない年齢です。とはいえ、彼はその巨体にもかかわらず、菜食主義者として知られてますが、同い年のケンプは、ギーゼキングよりも35年も長生きし、年長のバックハウス、ルービンシュタイン、エトヴィン・フィッシャーよりも先に亡くなってしまったことを考えると、過度な健康志向も考えものだと思います。しかし彼のピアニズムは衰えを感じさせるどころか、豪快なテクニックと円熟の極みともいえる音色を聞かせてくれる。そのペダル操作が比類なく、完璧なまでの作品の記憶力と、細部にわたって楽譜の忠実な再現、楽曲構造に対する明快な洞察力などで、ギーゼキングは戦前から活躍した同時代のピアニストの中でも卓越した存在だった。この年、1956年は速いところでも遅いところでも極端な演奏をし、皆を驚かせるセンセーショナルを連発した世紀の孤独な天才、グレン・グールドが例のゴールドベルク変奏曲を録音、直後にベートーヴェンの後期三大ソナタ集を出しています。 通販レコード詳細・コンディション、価格Gieseking, Beethoven ‎– Sonatas No. 7 In D Major Op. 10 No. 3 No. 11 In B Flat Op. 22プロダクトレコード番号ANG35653作曲家ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン演奏者ヴァルター・ギーゼキング録音種別MONO販売レコードのカバー、レーベル写真LARGE ANGEL IN SEMI-CIRCLE, MONO 1枚組 (150g)重量盤, Stamper 1N/1N。コンディションジャケット状態EXレコード状態M-製盤国GB(イギリス)盤ジャケットは米国製、レコードは英国プレスです。オーダー・リンクと販売価格詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。オーダー番号34-26256販売価格3,300円(税込) (さらに…)...
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理想的名盤*模範とされる ヘンリク・シェリング J.S.バッハ・無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全集

理想的名盤*模範とされる ヘンリク・シェリング J.S.バッハ・無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ全集

通販レコードのご案内何百組以上の録音がありますが高貴さと言う事でこの高みにまでたどり着いた演奏って古楽器全盛の現代でも結局ベストを争うのがこの録音でしょうか。何の不満もない演奏に浸るだけ。《チューリップ黄色地濃茶文字盤、裏全面布張り豪華訂装、レコード大賞記念盤》JP DGG SMG9026-1/3 ヘンリク・シェリング バッハ・無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ シェリングの音色は、とてもみずみずしく、のびのびしていて極めて美しい。  美音の持ち主は、往々にして自らの音の美しさに浸りきった演奏をしがちであるが、シェリングの演奏は調和が取れていて、純粋・明瞭かつ客観的であり耽美的な要素はない。この録音から聞き取ることができるのは、シェリングの技巧の完璧さと音のニュアンスの幅広さ、そして音楽の美しさである。  シェリングの演奏が厳しいとか精神性が高いと評されることがあるのは、音の美しさに浸りきった演奏をしないことに由来するのだと思う。和音の処理が見事なことである。  音それ自体の美しさは、美しい音楽を構築するためのひとつの要素にすぎない。  超美品に違いない整いすぎた演奏。整然とした音が集まると音楽としての力や迫力になります。この演奏はおそらく1734年製のストラディヴァリを使っていますが、素晴らしく良い状態で、更に丁寧に調整されたストラドと思います。音色も大変に豊かでリッチです。そこも聴き所です。 ゆったりとしたテンポ、どの音も整った音、和音は同時に聞こえるように弾いていること、が特徴です。 典型的なクラシック音楽と言えるたっぷりとした豊かな演奏です。こういった表現方法は、ある意味、音楽家にとっての理想的な表現です。ステレオ録音。1967年7月スイス、ヴヴェイのテアトル・ムニシパルでの録音。Producer – Vittorio Negri, Engineer – A. Buczynski. 名演奏、名盤。 バッハ「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」の規範とされるポーランドの名ヴァイオリニスト、シェリングの決定盤です。 通販レコード詳細・コンディション、価格 プロダクトJohann Sebastian Bach - Henryk Szeryng ‎– 6 Sonaten Und Partiten Für Violine Solo BWV 1001-1006レコード番号SMG9026-1/3作曲家ヨハン・ゼバスティアン・バッハ演奏者ヘンリク・シェリング録音種別STEREOチューリップ黄色地濃茶文字国内2版, STEREO 3枚組 170g重量盤, 昭和43年10月10日発売, 輸入メタル ALLE HERSTELLER規格原盤使用 最初期スタンパー。 販売レコードのカバー、レーベル写真 コンディションジャケット状態EXレコード状態M-製盤国JP(日本)盤昭和43年10月10日発売録音は1967年(昭和42年)ですから翌年国内発売は驚異的 ― 直ぐチューリップレーベル廃止されたのでこの表紙シール貼付けSMG番号盤はレコード大賞記念盤として貴重。リーフレット付属。裏全面布張り豪華訂装。通販レコード詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。  オーダーは 品番 / 34-25186 販売価格 16,500円(税込) (さらに…)...
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